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「そーゆーよくわかんないことはわかんないけど、ぼくは大冒険がしたいんだよ!」
コタは眉をひそめていたクヤに大声でそう告げました。
クヤはぽかーんとして、少し笑い始めました。
「突然大声出さない、今夜よ?マナーは守る!」
「えぇ……?なんか、反応違う……」
「いいわ、コタは村から出たいのよね?」
「……う、うん。そーゆーこと、かな?」
「なら、森から出て隣町に行く道を教えてあげようか?」
「え?なんで?」
「え?そこは素直に受け取るとこじゃないの……?」
お互い困惑しながら話を進めます。
「わたしは、隣町への道を知ってるの。だからここから案内してあげる」
「それはうれしいけど、クヤはなんでそんなにしてくれるの?」
コタは首を傾げました。
クヤは胸を張って、
「わたし、あなたに興味持ったの!だからよ!」
「えぇ……どこに……?」
「だから反応が変なの。喜びなさいよ。禁忌の森と言われてるここに、1人でやってきた勇気とか、あと、面白そうかなって」
コタはなるほど、と頷きました。
「ただ楽しみたいんだね!」
「そうだけど!そーなんだけど!」
クヤはもう、と肩をすくめて、頷きました。