大晦日だし、大学の後輩と忘年会をしました
あけましておめでとうございます。
新年早々、本作を読んでくださった方々の1年間が、良いものとなりますように。
「せんぱい、今年もおつかれさまでしたー!」
「うん、おつかれさま。かんぱいー」
お酒の入ったコップをカチンと鳴らす。
今日は大晦日。今年も終わりということで、大学の後輩と私の家で忘年会をしていた。
彩夏は、私の1歳下の20歳で、2回生の可愛い女の子。
私とは、一人暮らしをしているアパートの部屋が隣で、そこから仲良くなった。
毎朝家を出る時間も電車も一緒だったから、仲良くなる機会はいくらでもあった。
コロナのお陰で大学がオンライン授業になってからは、隣人とは毎日お互いの家を行き来して、おしゃべりしながら課題をしていた。
そんなわけで、同級生よりよっぽど仲の良い彼女とは、年末も一緒にいた。
実家からは、2人とも帰ってくるなと言われたからね。最近はまた新しいのが出てきたし、仕方ない。
「せんぱい、今日は何を飲んでるんですかー?」
「今日はスト○ロのリンゴ味だよ。飲みやすくて、これはこれで良いんだよね」
「飲みやすいのは良いですけど、酔って吐かないでくださいねー?」
「失礼な。一回も吐いたことないでしょうに。そういえば、その服可愛いね。昨日買ったやつ?」
「そうですよ。先輩が好きそうなものを選んでみました」
彩夏は、ニットだというのにオフショルダーという、暖かいのか寒いのか分からない服を着ていた。
シミも肌荒れや乾燥もない白い肌は、正直。
「エロい」
「先輩、そういうのは口に出さない方が良いですよ」
「あ、つい本音が。でも、そういうの私は似合わないから、彩夏が羨ましい」
「先輩も似合うと思いますけどねー?」
「いやいや、そういう服は彩夏みたいに可愛くて美人な女の子が着ないとね」
「先輩も可愛いくて綺麗ですよ」
「はいはい、お世辞でも嬉しいよー」
「もうっ…。いつもそうですよねー先輩って」
「まあ、その話は良いじゃない」
私は客観的に見ても全然可愛くないと思うんだけど、彩夏はいつも私を可愛いと言ってくる。
だから毎回反論するんだけど、結局は彩夏を怒らせてしまうから、今日は話を切っておいた。
だって、せっかくの大晦日だもんね。
「先輩は、今年はどんな1年でしたか?」
「今年?うーん…普通かな。あ、でも、彩夏と一緒にいれたのは楽しかったよ。私って基本学校ではボッチだからさ、彩夏みたいな可愛い後輩がいてくれて嬉しい」
「先輩って、めんどくさい性格ですもんね。もっと感謝してくださっても良いんですよ?」
「ありがとうございます彩夏さまー」
「どういたしまして」
「彩夏はどんな1年だった?」
「私は楽しかったですよ。結局この2年間ほとんどオンライン授業でしたけど、お陰で先輩と毎日一緒にいれましたしね。大好きな先輩と年越しまで出来るんですし、文句なしの1年でした」
「ふふっ、彩夏は私のことが本当に好きだよねー。こんなののどこが良いのか分かんないけどさ」
「いつも言ってるけど、先輩が理解してくれないだけじゃないですか」
「だって本当のことだしね」
彩夏は私のことを可愛いとか優しいとか色々褒めてくれるけど、自分自身では全くそうは思えない。顔も性格も普通だし、言動も普通のことしかしてないと思う。
こんな私を好きになってくれるなんて、彩夏は本当に良い子だと思う。
まあ、好きっていっても先輩後輩としてだし、付き合ったりしてる訳じゃないんだけど。
「先輩はもっと自分に自信を持つべきだと思うんです」
「はいはい、来年の私が頑張ってくれるよ」
彩夏に怒られる前に話を切っておく。彩夏は私のこういう発言が嫌いらしく、すぐ怒るから困る。
私のことは私が一番分かってるから、事実しか言ってないのにね。
「せんぱーい、酔ってますかー?」
「えぇー?よってないよ~?」
「これは酔ってますね」
よってないのに、あやかはいつもしんじてくれない。
わたしはこんなにもおさけにつよいのにね。
「あ、いつの間にか年越ししてますね」
「えへへっ、うめしゅおいしー」
「もうっ…先輩、ベッドにいきましょ?」
「えー、もっとのもうよー」
「酔うとホントいつも以上に可愛いですよね、先輩って」
「そうかなぁ?ありがとぉ~」
「よいしょっと。先輩、寝転がってください」
「きょうもいつものするのー?」
「もちろんです。その為に先輩を酔わせてるんですから。朝になったら酔ったときの記憶を失う先輩が悪いんですよ?」
「んっ…あれ、もう朝?うわっ、もう10時じゃん!初日の出も終わってる!」
「…あ、先輩起きたんですね」
「彩夏おはよー…じゃなくて、なんで起こしてくれないの!?私初日の出まで起きとくって言ってたじゃん!」
「そういえば言ってましたねー。どうせ寝ると思って聞き流してました」
「うぅ…今日も服着てないし…」
彩夏とお酒を飲んだ日は、なぜか服を脱いで裸で寝ている。お酒を飲んで暑いのかな?
部屋は暖房と加湿器を付けてるから風邪を引いたことはないけど、いつも恥ずかしい思いをする。
さすがに何回も同じ事が起きるから若干馴れてきたけど、これは良くない傾向だと思う。
「良いじゃないですか。先輩の裸はいつも見てますし、綺麗ですよ?」
「そりゃ勝手にお風呂に入ってくるもんね。そりゃ見慣れるでしょう」
「でも先輩、私に洗って貰うの好きですよね?」
「それは…上手だから気持ちいいもん」
「じゃあ良いじゃないですか。そんなことより先輩、あけましておめでとうございます!」
「え?あ、あけおめ~。今年もよろしくね」
「はい、よろしくお願いします!じゃあ先輩、年始最初のお風呂に入りましょう」
「うん。お酒を飲んだせいか、今日も汗をかいてるんだよねー」
シーツも汗で濡れているし、洗濯しないと。
最近は慣れすぎて、シーツの下に防水のシートを敷くようになったぐらい。でも、お酒を好きなのは仕方がないし、諦めている。
それにしても、今日も凄い汗だ。特にお尻の下あたりがビチョビチョだ。
彩夏に見られるのはお漏らしみたいで恥ずかしいし、さっさと動こう。
「あー、今日も腰痛いなぁ」
「先輩、お酒を飲んだら猫みたいに丸まって寝ますもんね。きっとそれのせいですよ」
「それにしては筋肉痛みたいな痛みだけど…」
「後でマッサージしてあげますから、お風呂に入りましょ。その後は初詣に行きましょう」
「そうだね。じゃあ行こっか」
「はい!」
「先輩って、酔ってるときだけ、酔ってたときの記憶を思い出すんですよね。最初は覚えてるのかとびっくりしました」