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29話 【精霊剣職人】と半休

「早速だけどラルド兄さん、今から一緒に遊びに行きます。絶対に行きます!」


 チョコとプラムのために、ミスリルの加工をしていた最中。

 突然現れたミアが仁王立ちで現れ、マロン風にそんなことを言い放った。


「んっ……んっ? 遊びに?」


 一体どういうことだと作業の手を止めて思わず聞き返せば、ミアはくわっと目を見開いた。


「だってラルド兄さん、ここ最近ミスリルの加工だ【精霊剣】の強化だって。全然構ってくれないじゃない。あたしだってたまにはラルド兄さんと遊びたいもん!」


「い、いやいや待ってくれよ。今昼休憩の時間だけど、また午後から店がだな……」


 がばっと抱きつく勢いで迫ってきたミアをどうしようかと悩んでいたら、その場に居合わせたマロンが言った。


「それでしたら、わたしとシルリアで何とかしましょう。わたしたちも伊達にご主人さまのお手伝いをしていませんから、店番くらいなら問題ないかと」


「いやでも、チョコとプラムはどうするんだ。ミスリルの魔力供給があるマロンはともかく、あの二人は俺と離れすぎると武器の姿に戻って……」


 半ば慌ててそう言うと、小さな人影がひょこりと顔を覗かせた。


「……そういう話なら、今日チョコはお休みってことでいい」


 するといつから話を聞いていたのか、店から作業場にやってきたチョコは自らブラッククロスボウの姿に戻った。

 武器の姿となったチョコを受け止めたマロンは、俺とミアを見てにこりと微笑んだ。


「プラムには後でわたしから話しておきますから。ご主人さまはたまにはミアさんと一緒に行ってあげてください。……ミアさんも大分、我慢しているところはあったと思いますから」


 マロンの話を受け、ミアは拗ねたように唇を尖らせた。


「そうだぞー、ラルド兄さんそうだぞー。最近構ってもらえなくて、あたしはへそ曲げる寸前だぞー」


 棒読みながら非難がましくそう言うジト目のミアに、俺は「分かった分かった」と返事をした。


「確かにミアとは最近あまり話してもなかったしな。久しぶりにどっかに行こうか」


「おぉ! 話の分かるラルド兄さん大好き!」


 ミアは俺の手を引いて、そのまま作業場から出て行く。

 こうして俺は本日半休にして、ミアと一緒に街へと出かけていった。


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