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人生詩集(3)  作者: 多谷昇太
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DISTANCE

HERE、THERE、

OVER THERE…

ここに男がいて、あそこに別の男がいる。

さらに離れてまた別の男が立っている。

数メーター間隔で、互いに決して近づくことなしに。


HERE、THERE、

OVER THERE…

ここに立ち木が一本あって、あそこに別の木があり、さらに離れてまた別の木が植えられている。

数メーター間隔で、始めに決められたその距離のままに。


美術館前の広場に展示されたトルソーのように、

人と人、木と木とが、

互いに似た存在ででもあるかのように、

間隔を置いたままで佇んでいる、存在している。

美術館ならぬ図書館前の庭、

寂しげな陽の射す、

ある日の午後のこと…


近づかないのか、近づけないのか、

現代社会の、ニヒルで無機質な光景。

現出した一枚の、超現実派絵画。


ひょっとして人を分かつその間隔が、

立ち木のようなものならば、それはきっと、

動かず、変わらず、近いようで遠い、

シュールなる無限の間隔であるのかも知れない。

その距離に絶望して、

きょうも誰かが哭いている。

その距離の果てに、

きょうも誰かが死んで行く。


DISTANCE。

それはいったいどこから生じ、

どうして近づくことなく、

我々の内に永劫にあり続けるのだろうか…?

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