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出発前

「契約書はこれで間違いないな。」

俺は昨日うちにギルドに作らせておいた契約書をウルに渡す。

「ええ。」

ウルは渡された契約書にサインする。

「出発は明日の朝一だ、ギルドまで迎えに行くから必要な物は揃えておいてくれ。」

「わかりました、何か入り用な物はありますか?」

「ああ、護衛用の装備でかまわない、それ以外はこっち用意させてもらうから。」

「そうですか。」

俺はさっきからの会話に違和感を覚える。

「なあ、さっきから口調が丁寧すぎるぞ、昨日

はそんな喋り方じゃなかったよな?」

「はい仕事ですので、一応。」

「そうか。」

「まさか移動中ずっとそんな喋り方じゃないよな、さすがに息が詰まると思うんだが。」

しかし彼女は何の事みたいな顔をして営業スマイルを浮かべているだけであった。


次の朝俺は予定通り彼女をギルドまで迎えに行くことにした。

ギルドの前にいる彼女を見つける

ウルは昨日と打って変わって確かに冒険者らしい格好をしていた。

武器はおそらく 短剣 2丁だろう 防具 は 革の鎧だろう

どちらも B ランクの 冒険者にはふさわしい 上出来な 品 だ。

ウルも俺の姿を確認したようで こちらに向かってくる。

「 調子はどうだ ここから馬車で3日ほどかかる場所に聖都がある 体調が悪いなら今のうちにいってくれよ。」

「はい、問題ありません。」

「そうか。馬車は帝都の外に止めてある部下も待たせてある急ごう。」

「え、部下って、あなたって結構偉い人?」

ウルが久しぶりに素の表情を見せた。

「まあ、成り上がりの貴族ではあるが一様、位は大将というのをもらってる。」

「嘘。」

「本当だが。」

「私てっきり左遷されて使われてない砦の管理をしてる人かと思ってた。」

「あれは俺の自宅だ。」

「・・・」

ウルはふと思い出した。

(私この人の名前聞いてない)

なんとなく誰なのかは思い当たる。

この帝都でかの者の名前を知らない人間はいない。

「あの一様聞きますけどお名前を伺ってもよろしいでしょうか。」

「また口調が・・・そういえば言って無かったなてっきり知ってるのかとも思ったが、俺の名前はライトハルトだ、ライトでもハルトでもかまわない。」

「知ってる。」

「だろうな。」

知ってるも何も有名人だ。

七年前に戦争を終わらせた英雄の一人だ。

守護者という守りにおいて右に出るものはない者に与えられる称号をもらってる。

戦争終結後彼は帝国で帝国騎士として生きているのはおそらくこの世界で知らない人間はいないだろう。

ウルはただただ茫然しているしかなかった。


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