贖罪の依頼2
「こんなに頼んでも駄目か?」
俺は今、人生初の土下座をしている。
こんなものと、思っていたがこれは中々にくるものがある。
だがしかし
「・・・何してるんですか?本当にふざけてる訳ではないですよね?」
ここは海外どころか異世界である日本の土下座など通用するわけは、無く一蹴りされた。
まあ、知ってたけど。
「いやふざけた訳ではない、今のは俺の故郷最大の敬意を示す物でね、土下座と言う。」
「土下座・・確かに屈辱的な姿だったけど。」
「くっ、そういう事だ。」
「でも、そんなの関係ない、私はこの依頼受けません。」
「なら最低許容範囲でもかまわない、あの事を説明しなくてもいい、ただ聖女には会ってもらうそれだけははずせない、それはお前の為でもある、旅行気分でついてきてもかまわないしその上で報酬が欲しいならそれも用意しよう、だから頼むよ。」
別に名誉や地位信頼などは一から築きやり直せばいい、ただやり直しの効かないものはある、この依頼そういうものだ。
「なぜ貴方はそんなに私を連れていこうとするんですか。」
「・・・俺の保身の為だ。」
「それならちゃんと説明すれば聖女様だってわかってくれるはずです。」
「だろうな、その上でお前を連れてこなければならない。それを怠れば俺は聖女に殺される。」
「なんで!」
「聖女は決して不義理を許さない。」
「不義理って何!私はもういいって言ってるの、これ以上私を困らせないで‼」
「ウル、君の意思は関係ない、どうしても嫌だと言うならこれは依頼ではなくなる。それはしたくない。」
「卑怯もの。」
「すまないとは思っている。」
「はぁ・・・わかりました何をしても逃れられないなら依頼受けましょう。」
「すまない。」
「依頼内容は聖女と会うだけ、移動費、食費はそっち持ちでそれ以外は自腹、報酬は無しそういう契約でいいですね?。」
「ああ、すぐに契約書を作らせよう、明日には出来ているはずだ。」
「では、また明日ここで。」
「せっかくだ、少ししたら食事が届く、どうだ?」
「さっきあなたの家でたくさん食べたので結構です。」
ウルはそう言うとさっさと出ていってしまった。
しばらくして二人分の食事を届けに来た先ほどの受付嬢に「一緒にどうかな」と言って断られ一人で二人分の食事を取ることとなった。