聖都までの道2日目 戦闘? 死霊騎士
森に入った俺は死霊騎士を探す。
死霊犬を操る死霊騎士は間違いなく上位個体で死霊馬と共に現れる。
だから近くに馬の樋爪の跡が残るはずだ。
人間なら痕跡くらい消すだろうが魔物にそんな頭はない。
「あった。」
森に入って数分ほどで痕跡を見つける。
まだ新しい物だ。
すぐに後を追う。
追っていった先は湖だった。
湖のせいか霧が濃い。
ただ湖の浅瀬にいる死霊騎士を隠すほどては無いようだ。
「やっと見つけた。猟犬どもに襲わせた人間どもの血肉は美味しかったか?死霊騎士。」
「ああアあうアああぁぁギギぃ。」
通じない嫌みを言いながら俺は剣を抜く。
奴もすでにランスをかまえている。
同時に突撃する。
速さ、勢い、頭上の有利もあちらにある。
最も警戒しなければならないのが死霊騎士の《闘技・呪撃》だ。
くらえば相手を倒すか解呪しなければ、傷口が拡がっていき肉が腐っていく。
まあ、当たらなければいいだけの話だが。
死霊騎士はこちらに突きを放つ。
「ウォール。」
俺は魔力の壁でランスを弾く。
目の前に壁が出来たことにより馬がたじろぐ。
馬は動きが止まれば大きな的に過ぎない。
首を狙い下から突き上げる。
肉が裂ける感触と共に死霊馬から力が抜ける。
そうなれば上に乗っている死霊騎士も落ちる。
ただ奴も跳ぶように落ち俺から距離を取る。
死霊騎士はランスを捨て魔力で高速生成した魔剣をかまえる。
互いに間合いを詰める。
先に仕掛けたのは俺からだった。
剣と剣が交わり湖には似つかわしくない金属音が鳴り響く。
少しずつ死霊騎士に傷が増える。
剣を大きく振り俺から距離を取る死霊騎士。
死霊騎士は構えを大きく変える。
両手持ちから片手に持ち変え隙の少ない攻撃を繰り出しつばぜり合いに持ち込む。
しかし片手持ちの剣では先程よりもパワーが無い。
死霊騎士の剣を払い止めを刺す、その瞬間腹に強い衝撃を受け吹っ飛ばされた。
俺は膝をついた。
死霊騎士を確認する。
死霊騎士の両手に魔剣がある。
なるほど高速生成する剣を生成する勢いで強力な突きを放ったわけだ。
勝利を確信したのであろうか死霊騎士ゆっくりと近づき俺の首めがけて剣を振り下ろす。
ガツン
が剣は俺の首元で止まる。
俺はその絶対的な隙をもって死霊騎士の胴体を分ける。
何が起きたのかわかって無いのだろう死霊騎士は足掻く。
しかし下半身の無い者にどうすることも出来ない。
「アーマー、ブロテクト、二重の防御魔法だ。俺じゃ無かったらあの不意討ちで殺られてただろう。あの不意討ちで剣が俺を貫かなかった地点で気がついていればこうはならなかっただろう。ただお前の攻撃力では俺を傷つける事すら出来なかった。
最初から闘いですらなかった、すまない。」
そう、いい終えると俺は死霊騎士の頭蓋を砕く。
こうして俺はウル達の元へ帰った。
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技、説明