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対向列車の⭐君に恋をして  作者: 伊龍幸介
第3章 旅路
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ドッペルゲンガー

「隆介っ!帰るぞ!」


「はい!帰りましょ。」


「隆介っ、今日はちょっと早いし、久しぶりにどっかで引っ掛けるかぁ?」


「いや、すいません今日は帰ります。ちょっと部屋の物をレイアウトしなくちゃいけないんで。」


「そうか、同棲準備だなぁ?」


「えー、まぁー、そんなとこです。」


「そっかー、わかった、じゃまた今度なっ!」


「はい、分かりました。今度また行きましょ。じゃ、今日は帰りますねっ。」


「わかった、じゃお疲れ。」


「はい。お疲れ様です。」



           ✳



俺とめぐみの仕事が終わる時間は、昼のラインではお互いまだ分からないままだった。


俺はめぐみに仕事終わりのラインを入れてみた。


{そっち仕事どうだ?}


{もう少し掛かるの、だから先に家へ帰ってて。}


{わかった。}

{近くの駅まで来たらラインくれっ。}


{うん、わかったぁ。仕事終わってからも連絡するねぇ。}


{了解!!わかった!!}



           ✳



明日から3連休かぁー!

でも浮かれてなんかいられない。何処から攻めるかだ。先ずは俺の実家に帰ってめぐみを紹介すること。

それからめぐみも俺を紹介したいって言ってたから、次はめぐみん家だ。それから互いの家族が俺達の何を知っているのか調べること。そんなことを考えながらマンションまで帰ってきた。


そして部屋の鍵をノブに入れた所で藤もっちゃんが慌てたように部屋から出て来た。


俺の足音を待ってたかのように。


「隆介、お帰り!」


「あっ、藤本っちゃん、ただいま。」


「隆介!帰ってきていきなり何なんだけど、ちょっと聞きたいことがあって‥」


「聞きたいことって?」


「ちょっと言いにくいんだけどなっ。」

……


「何だよ?何か言えよ。」



「あのー、お前の知り合いでさー?輩っぽいのいるか?」


「えっ?輩っぽい?」


「あー、」


「いねぇよ、そんなの」

「会社の先輩と藤本っちゃん位だって、知り合いって」


やっぱり俺は知り合いか、隣の住人A何だ。


「何だよ、急に」


「いや、何でも無いんだけどなぁ」


「言えよぉ!何だよ気になるじゃねぇかぁ。」


「いや、昨日の夜にな、輩っぽいのが2、3人このマンションから出て行くのを見たからなぁ。」


「ここからぁ?」


「あー」


「空き部屋の見学か何かじゃねえの?」


「いや、それならいいんだけど、いや、よかねぇよ。」

「そんなおっかないのが来られたらたまんねぇよぉ」


「確かにおっかねぇよな。」


「だろぉ。」


「まっ、でも分かんねぇじゃん。」

「ここはお化けが出るっとでも言ってあげたらぁ?」


俺のその言葉に藤本っちゃんはテンションが下がり静かに部屋へ入っていった。


何だよあいつ。


俺も部屋に入った。そして入って直ぐに、電話が鳴った。


《トゥルルルルー、トゥルー》


「はい、隆介です。」


《もしもし、私ぃ》


アチャー沙也加だ


「よっ、ど、どうしたんだよぉ?」


《私今、隆介の家の近くまで来てるのよぉ》

《ちょっと話があって、今から行くねぇ!》


「いや、いや、いや、ちょっと待ってくれ」

「駄目だってぇ!」


《どうしてぇ?》


「どうしてって、もうちょっとしたら、彼女がくんだよぉ!」


《嘘よぉ!》


「嘘?」

「嘘なんか付いてねぇよぉ、本当だってぇ!」


《私を避ける為にそう言ってるんでしょ!》


「いや、違うから」


《でも、もう着くよぉ!》


「えーっ!!」


どうせまた出任せだろっ‥



           ✳



「じゃ、麗奈ぁ、また来週ねっー」


「うん、お疲れー」


「お疲れー」


           ✳



《今、会社から出ました》


《わかった。✳密かに生きてると聞いてはいたけど、間違いは侵すなよぉ。先ずは本人かどうか確り確かめろぉ!》


《分かりました。》

《でも、まだ暗くて分からないっす!》


《分かった、確認出来たら直ぐにラインしろっ!》


《わかりました》

《で今、駅に向かって歩きました。》


《わかった》



           ✳



コン、コン!


えっ?まさか、本当に来たのか沙也加?


ゆっくりドアを開けた。


「隆介ー!久しぶりー」


「マジかよー」


「本当に来ちゃったぁー。」


そう言ってハグしにくる沙也加


「駄目だって言ったじゃねぇかー!」

「本当やばいってぇ」


いや、本当にやばい!!


「て言うかお前飲んでるだろっ!」


「うん、ちょっとだけ」


余計にやばい。


「沙也加、ここじゃ何だから、外で話そっ」


「どうして?ここでいいじゃない。」


「駄目だってぇ!だから彼女が来るんだってぇ!」


「じゃ、証拠見せてよぉ」


「何ぃ、証拠?」



           ✳




《今、電車に乗りました》

《外を向いていて、まだ、はっきりとは分からないっす。》



           ✳



「もし、本当に彼女がいるなら私、帰るよぉ」


「だから、いるっつってんだろ!!」


時間もないし、ここは沙也加に見せるしかない。

俺達の写真を‥

そう思った俺は2人で撮ったスマホの画像を沙也加の前に突きだした。


すると沙也加はその画像を見るやいなや目を大きく開け、まじまじと見入っている。いや、固まってるといった方がいい‥



           

           ✳




《あっ今確りと確認しました!!》

《でどうなんだ》




           ✳




「おい沙也加?何固まってんだよ!!」


「りゅ、隆介ー何でぇ?どうなってるの!?」


「何でぇ‥どうなってるの‥」

そう、言われても、何のことか分からない


だけど次の沙也加の言葉に、俺は耳を疑い、沙也加同様目も丸く大きく開けて固まった。そして急に吐き下が出る程気分が悪くなった。


その言葉は直ぐには飲み込めない。



‥‥どうして隆介とこいつが映ってんの?


         


           紗希が‥









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