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対向列車の⭐君に恋をして  作者: 伊龍幸介
第3章 旅路
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同棲


「おい、知ってるか?」


「何を?」


「何をじゃねえよ。十州連合解散の話だよ」


「えっ?解散?」


「マジかよっ!」


俺が20歳になるちょっと前のことだ。ここまで無茶をしてきたけど、もう充分だと思った俺は密かに解散に向けて準備を進めてきた。

でも何処からともなくそんな声が各方面で飛び交い始めた。


それにこんな声も。


自分だけいい時に已めんのかよと。

20歳を過ぎる者も多い中、何であいつだけが、てなもんだろう。


しかしながら俺と紗希、慶介や紗希の達の洋子も。俺達と親しく連んでる奴等全て。

華斗希、連合もろとも解散と同時に予定通り抜ける手筈で事を進めていくことに。


俺達を根に持つ奴等を残して‥


俺は時期を図りここと言う時に合わせて解散を警察に告げた。そして解散式を無事に終わらせる事が出来た。

ここまでは俺達に異を唱える者はいなかった。


ただ各チームのOBに何の相談も無かったことが今後、自分達に降りかかる大きな原因の一つになっていくこととは。


事がはじまったのは、俺が二十歳を過ぎた頃だった。解散後半年位経ってただろうか。

俺と紗希は一緒に住み、仕事も紗希と一緒にIT企業の会社に就職した。

族から抜けて間もない俺達にとっては別々は余りにも危険過ぎる。

ちょっと前なら俺にくっ付いてたら危険だと紗希を遠ざけようとしていたけど今は違う。紗希には手を出させない。


俺達は仕事も順調にこなし、さーこれからと言う時だった。


奴らが現れたのは‥


仕事を終え2人して自宅に帰ると暴力団風の男、5、6人が俺達の部屋の前に屯していた。


よく見るとその内の2人は華斗希、十州連合のOBだ。


華斗希、十州からは何人もその道へ入った人間がいる。

奴らもまた、そうである。


そしてその2人の内の1人は俺が拉致した女の男。つまりは華斗希元頭だ。


俺への仕返しのつもりだ。何かを企んでるに違いない。



           

           ✳




ん~ほっぺが痛い


目を開けてみたら、やっぱり抓られていた。

めぐみにほっぺを。


「朝だよっー!」


でた、いつもの朝だよー!!だ。


いつものように、このめぐみの朝だよーから1日が始まる。


そして


「おはよー。出来てるよ、ハムエッグトースト。」


この言葉も必ず付いてくる。


なんかロードじゃないけど、何でもないようなことが‥

この朝の始まりが凄く幸せに思う。


✳この歌詞の最後の所は余計だけど。


あっ!そうだ。それと俺とめぐみは、夢の続きを見ることが出来たんだろうか?


「お早う、めぐみぃ。」


「お早うー。」


「あっ、めぐみぃ、めぐみぃ!俺、うなされてなかったか?」


「えっ?ん~ん。て言うかめぐみ爆睡してたみたいだから分からないよ」


「そっかー」


俺もめぐみも夢の続きは見てないんだ。

でもめぐみは爆睡、俺はまた僚馬の失敗作が出て来てたなら、実際には分からないことになる。

爆睡って言ってるめぐみも本当は夢を見てた可能性もある。どうだか分からない。


ただ俺は自分で何かを喋ってたような気もした。

まっ、余り考え込んでもなー。

そうだそれより昨日の夜にめぐみに話そうと思ってたことがあったのを忘れていた。

いや、タイミングを逃したと言う方が正解だろうか。


「なーめぐみぃ。」


「何ぃ?」


「出勤前に何なんだけどなぁ。」


「うん、何ぃ?」


「俺達やっぱり一緒に住もうか?と言うのは‥」


その続きを言う前に‥


「うん、そうしよぉ!!」


俺の両手を掴んで更に‥


「そうしよぉ、そうしよぉ!!」


無邪気で健気なめぐみに説明なんか要らない。そう、思った。

大した説明なんか無いけど。


「じゃ、めぐみぃ、今晩要る物からちょっとづつ、マンションから持ってくるね。」


早っ。


「分かった。」

「じゃ、めぐみがここに帰ってきてから、晩ご飯でも食べに出よう!」


「うん、そうしょっ!」




朝は済ませた俺達は用意を済ませ会社に出勤した。




          ✳




「お早うーめぐみぃー!!」


「あっ、麗奈お早うー」


「明日から3連休だねぇ、めぐみ。」


「うん。」


「やっぱり探しに行くの?」


「うん。」


「て、言っても何処から探せばいいのか、まだはっきりしないんだけど。」


「そっ、そうよねぇ、」


「どうしたの麗奈?」


「えっ?ん~ん、何でもないよぉ。」


「何か変だよ、麗奈?」


「何でもないってぇ。」


「じゃ、もう言わない。」

「それより聞いて麗奈ぁ?」


「何ぃ?どうしたのぉ?」


「隆介にねぇ、一緒に住もって言われたぁ」


「うそー!!」


「本当!」


「よかったじゃない、めぐみぃー!」


「うん。」


「で、どう返事したのぉ?」


「いや、返事も何も、めぐみぃ、浮かれて、そうしょ、そうしょってはしゃいじゃった。」


何かめぐみぃ、幸せそう‥


確かに春も言ってたけど。




          ✳




「麗奈さん、最近のめぐみさんて若返ってません?て言うか可愛い。自分のことめぐみって言うでしょ?」


「彼氏ができるとそうなるのよぉ」





           ✳





「麗奈ぁ?聞いてる?」


「えっ?あっ、うん。聞いてるよぉ」

「じゃ、一緒に住んだらご飯呼んでくれる?」


「うん、呼ぶ、呼ぶ!!」


何か羨ましい。




           ✳




「隆介っ!お早う!」


「あっ、お早うございます!」


「どうだっ?お前ら、仲良くやってんのかよぉ」


「えー、まー。近い内に一緒に住むかもしれないっす。」


「えー!そうか、そうか、同棲って奴だなぁ、で、できちゃった婚狙ってんだろお前。」


「狙ってませんよぉ!」


「じゃ、あれはもう無理だなぁ」


「無理ですよぉ。コンぺでしょ」


「だから、それはゴルフだって言ってんだろっ!しつけぇなー」


「あっ、そうだぁ、すいません。」




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