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対向列車の⭐君に恋をして  作者: 伊龍幸介
第3章 旅路
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屈辱

「くそーっ!!なめやがってー!!」

「紗希に何か有れば分かってんだろーなー!!」

「#なT*×●」



           ✳



はっ?なに?今のは隆介の声なの?!

起こさなきゃ。


「隆介!!」


なんか揺すられてるみたいな?


「隆介ってばぁ!」


「ん?」     


「ん?じゃないわよ?」

「夢見てたよっ、隆介。大きな声で」


「えっ?」

「めぐみぃ、どうした?」


「どうしたじゃないわよぉ?だから大きな声で夢見てたんだって。」


「俺が?」


「そうよぉ!」


「いやぁ?夢は見て無いけど?」


「見てたから。」

「紗希になにか有ればって。」


「えっ?紗希って、俺が?」


「うん、そう言ってた」


でっ、でも自分では分からない。ん?まてよ?この間の夢と同じだ。りょ、僚馬の失敗作が出てきてるんだ。しかも今頃になって?


「めぐみ、僚馬が何かを訴えてる。俺に」


「えっ?」


「あの時もそうだった」


「えっ、あの時って?」


「僚馬がっ!」


「僚馬さんが何って!!?」


「僚馬が大切なことを伝えようとしているんだ。俺に!」


「大切なこと?」


「あー、前回は土砂崩れ」


「2人が亡くなった場所?」


「あーそうだ。そこで俺は僚馬と紗希が反社会的勢力に追われて2人が最後に亡くなった場所、2人が離れ離れになった場面を見せられてんだ!!」


「で、今の夢と繋がりがあるの?」


「分からない。でも間違いない。俺に訴えてる」

「あっ、それにめぐみも夢、見てたけど?」


「めぐみが?いや、見てないよぉ」


「いや、見てたよ。俺ちょっと前、トイレ行くのに起きたんだけど、めぐみなんか言ってたから‥」


「えっ?めぐみが?」


「うん」


「なんて言ってたの?」


「タイマンがどうのこうのって。」


「えっ?私がタイマンって?」


「あー、そうだ!めぐみも俺と同じだ。めぐみは空想から夢に移転してんだ。ひょっとして俺達、同じ時間に同じ夢を見てたのかも知れない。」


「嘘でしょ。信じられない!」


「めぐみぃ、でももう少ししたら、めぐみも信じられるかも知れない?今度は紗希の失敗作からリアルな夢になるかもしれない。

俺もそうだった。」


「だったらもう

1度寝よっ!」


「えっ、あ ー」


それから俺達はもう一度夢が見れるかも知れない。そう思い、2人して静まり返った。で、めぐみは直ぐに鼻息に変わった。


でも俺は‥


そんなはだけた格好で寝よなんか言われてもなー


めぐみの、2本の足が目一杯露出している。


  

 足、●「」、×-# 2本、露出



寝れるわけねーだろ!




           ✳




「優樹菜ぁ、ちゃんとオシッコ出来たぁ?」


「うん!出来たよぉ!」

「でもお母さん?」


「どうしたの?」


「トイレの中にねぇ、何か、血が付いてたよぉ。」


「えっ?血が?」


「うん!」


「ちょっとまってねぇ?」


「うん。」


「いや、本当!」

「どうしよう。」

「‥」

「あのー誰か入っておられますか?」

「大丈夫ですか?」


コン、コン‥  コン、コン‥

ゴン、ゴン、ゴン、ゴン、ゴン


‥‥


ドン、ドン、ドン、ドン!!


「いや、大変だわ!!」



           ✳



「んー」


はっ!ここは何処?


痛い、あちこちが痛い。


血が落ちてる!!鼻血だ!て言うか私何も身につけてない!!

皆剥ぎ取られたんだぁ。

コテンパンにやられたみたいで、あちこちが痛い‥何か飲まされたんだろうか?何も覚えていない。


どうしたらいいの?ここは何処?どうしたら出れんのよぉ?こんな格好で‥


あっ?後ろを振り返って小窓があるのに気付いた私は、その小窓の外を恐る恐る覗いて見た。そこは公園、しかも町のど真ん中の。


完璧にやられた私。


‥同時期に頭が代わったら、その頭同士が結ばれるっての知ってんのかよっ?‥


僚馬は沙也加を選んだのぉ‥ 

だから慶介の離れを出てったのぉ‥


涙と鼻水と鼻血が混じり合い、便宜の前にポタポタ落ちる様を見ながら、悔しさと切なさも、ドンと体の中に入ってくる。




           ✳




ピーポー、ピーポー、ピーポー


救急車?


ピーポー、ピーポー


近づいてる‥


ピーポー、ピー‥


止まったわ。

この状況だとここなんだ。私なんだ。


私は混乱状態に陥った‥




           ✳




寝れない‥


めぐみは夢の中で、何かぺちゃくちゃ喋ってる。

また失敗作なんだろうか?


だったら起こして仲良くなりたいんだけど。


足もV字になってることだし‥




           ✳




ドン、ドン、ドン、ドン!!


「大丈夫ですか!!」


「大丈夫です。」


「どうしました?!」


「ちょっと鼻血が止まらなくて、駆け込んだんですが、もう大丈夫です。」


「心配なされて、ご近所の方が呼ばれたんですが、随分時間も立ちますので、一応車の中で状況をお聞きしたいんですが?」


「いえ、大丈夫です。」


どうしたらいいの。私裸何だけど。


外からは人の声がざわついて来た。


{中に血だらけの女性が入ってるんだって}


どうしよう。どうしたらいいの?


「出て来て下さい !!場合によっては漕ぎ開けにゃならんのです!!」


泣きながら‥


「大丈夫って言ってるでしょ!!」


「すいません!漕ぎ開けます」


と聞いた直後に

「ちょっと、どいて下さい!!友達が居るんです。」


えっ?洋子?洋子だぁ!


「洋子ぉ!」


「紗希ぃ!聞きつけて駆けつけたよ」

「上から落とすよぉ!」


「うん!」


私が裸でここに入れられたのをだち伝いに聞いた洋子が着る物を持って駆けつけてくれた。

袋の中には上下のジヤージとパンツが入ってる。


「すいません!私、友達なので、私だけ先に入って見ます」


「そうですかぁ、じゃ、車に乗るように説得してください。」


ガチャ‥


「洋子ぉーっ!」


「大丈夫ー紗希ぃー!」


「んー洋子ぉー。」


「紗希、顔を上げてごらん?」

「‥」

「くそーっ、あいつらー」


「んー、うぇーん‥」


「大丈夫だから、取り敢えず服着よぉ?」









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