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対向列車の⭐君に恋をして  作者: 伊龍幸介
第3章 旅路
46/57

忍び寄る影

           ✳


俺、藤本。隣人以上、友達以下の‥


仕事から帰宅した俺は駐車場に車を置き、マンションの入り口まで差しかかった。するとマンションの中から見慣れない3人組が出て来た。しかも見るからに輩っぽい。その3人組を見た俺は一瞬、体が固まった。

奴らは、その固まってる俺をチラ見しながら、マンションの前に止めてあった車に乗り込み、急加速で立ち去った。


マンションの住人じゃない。そんな人間と関わりそうな住人に心当たりもない。

誰かの取り立てにでも来たんだろうか?


まぁ、俺の知っちゃことじゃないけれど、なんかやなもんだ。

恐い、恐い‥そう思いながら、俺は急々と部屋へ入って行った。



           ✳




めぐみが乗る列車が駅に入ってきた。

あっ!!めぐみだ‥


止まる随分前に分かった。

俺も、めぐみも、自分を見つけてくれたら見たいな、駈け引きみたいなものがない。

逆に私が先に見つけたの、俺が先に見つけたのと、互いに競ってる有様。

あとで気づいたんだけど、相思相愛ってそう言うのがあるらしい。

そのめぐみは、何かドアから降りたら直ぐにでも、俺に抱き付きにくるような、そんな様相に見えた。


そして‥


列車が止まりドアが開いた。


ドアが開いた瞬間、やはりめぐみは1番に降りてきた。両手を前に出して‥

そんな健気けなげなめぐみに答えるかのように俺もまた手を前に出しめぐみを呼び込んだ。そして強めのハグをした。。列車から降りてくる乗客なんか全然気にしない。


列車が通り過ぎるまでハグは続いた。


「帰ろっか?」


「うん!帰ろ!」


「あっ、今日は俺の方が先にめぐみを見つけたかんなぁー」


「残念、めぐみの方が先でした。」


「決めつけんなって?」

「俺の方が先だって」


「めぐみの方が先ぃー」


「俺だって」


「めぐみぃっー」

「だってめぐみだから」


「?」


「?」


なんか、このやり取りどこかで聞いたような??

まっいいか?


俺達はその後、いつものように自転車に乗り、坂を駆け上がっていった。


家に着くとめぐみは余程疲れてたのか、夜ご飯と風呂を済ませベッドに入るとそのまま寝静まった。追いかけるように俺も‥






         ✳8年前


    


俺は僚馬‥

その俺は高校を中退し、そして家を離れ、だちの家の離れに身を潜めている。

そう、紗希と一緒に。

その紗希だけれど、何も族を好んで俺と一緒にいるわけじゃない。

俺を見かねて、俺を更生させる為に一緒にいるんだ。族から抜けさせる為に‥


それと、そもそも俺は友人を達とは呼ばない。それが連んで行く内に仲間同士で話す会話の中に打ち解ける上での手段に過ぎない。

今では染まってはいるけれど。

それにその達(慶介)とは幼なじみで、そいつに誘われ入った族。

俺もまたその慶介を抜けさせようとしょうがなしに族に入った。


そして何度も思った。

このままでは駄目だと。でも抜けれない。いや、喧嘩に明け暮れドンドン深みに嵌まっていく。そんな俺は、深みに嵌まりながらも1つの賭けに出る事を決めた。それはその族のトップまで上り詰めること。

慶介と一緒に抜ける為に、自らで族の解散を行う。

そう決めた。


その為にはトップまで登り詰める必要があった。


その族の名前は華斗希かとれあ。初代の彼女が好きな花だったことからこの名前がついた。

7代も続いている‥





            ✳



私は紗希。僚馬と同じ族に入り、僚馬と同じでやはり喧嘩に明け暮れている。その族のレディースではあるけれど。


「なー紗希、聞いたかよ?」


「何を?」


「何を、じゃねぇっちゅうの」

「あんたのフィアンセ、次の頭にって、名前が上がってんだよ!」


「えっ?」

「僚馬が?」


「何も知んないのかよ?」


「やだっ、初耳だよ。」


「で紗希どうすんだよぉ?」


「どうするって?」


「レディースも頭が代わんだよぉ!!」

「同時期に頭が代わったら、その頭同士が結ばれるっての知ってんのかよっ?」


「嘘でしょぉ?」


「嘘じゃない!今まではずっとそうなんだって!」

「初代もそうだし。」

それを聞いた瞬間、急に私の顔が強ばったらしく、それからと言うもの皆はその事に触れなくなった。


強ばる理由は普通に行くと到底私が時期頭である筈がない。

それを気にして皆は黙っている。

私は幹部。幾つかある派閥の1つの‥


僚馬が私以外の女に走る訳がない。

絶対に。


でも今までがそうなら黙って見過ごす分けにはいかない。

その後私は現レディースの頭、亜紀さんに直談判することを決めた。






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