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対向列車の⭐君に恋をして  作者: 伊龍幸介
第2章  二人に対する難敵
37/57

告白



           ✳



もう小声はやめた私達‥


「藤本さんって家はこのお近く何ですか?」


「えー、あいつの隣に住んでるんです」


「えっ?そうなんですか」


「はい」


公園でジリッと足の音がした‥


私達は直ぐに仲良く振り向いた。



           ✳



俺はハグをしたまま彼女に声をかけた。


「あの、ごめん。初めて直接会ったのに、何も話せずに。もう1人の俺に歯止めが効かなくて」


「うん、知ってるよっ、それに私も走って行っちゃったもん」


ゲッやばい、本当だ。声そっくりだ。

これーやばいだろ。


「あっ、そうだ名前だ、俺、哀川隆介」


「私は鮎原めぐみ」


ハグしながら自己紹介ってこんなシチュエーション有るんだろうか?


あっ、咄嗟に俺はいいことを思いついた。


「あの、いい案が有るんだけど?」


「えっ、何ぃ?」


あー、ヤッパリやばいこの声、セリーヌだ。


「同じ方向、向こうか?そしたら、心臓と心臓がくっつくだろっ」


「うんっ」


俺達は一旦離れた。



           ✳



「藤本さん、藤本さん?終わりましたよっ。」


「えっ?でも」



           ✳



俺は腕を彼女の後ろから腹回りへまわし、彼女と俺の心臓が互いにくっつくよう、後ろからグッと持ち上げた。


この2人に俺からのサプライズだ。


『僚ー、この人優しい‥』


『だろ』


『心の声は暫く出さずに見てようぜ』


『うんっ、そうしよ、そうしよ』


『でも、これ、キスまで行っちゃうのかな』


『行くに決まってるだろ』

『俺達だぜ』


『あっ、そうか、全身の血は私達の血何んだっ』

『てことは、キスどころじゃ‥』


『もう、いいって』


『ごめん』


俺は彼女を降ろし、更に後ろからギュッと抱きしめた。



           ✳



「藤本さん?」


「えっ、何ぃ?」


「あれから、何台か車がこの道を通ってるじゃないですかぁ。」


「うん、通ってる。」


「私達のしてる事って、最初からは随分違ってるような気がするんです。」


「俺も、そう思う」



           ✳



俺は、この流れのまま彼女と付き合う事も考えたけど、やっぱり言葉に出して告白した方がいい、彼女もそれを待ってるかも知れない。


俺は彼女のお腹から手を下ろし、その手で彼女の肩を少し回した。少し回しただけで、彼女は自らこっちを向き、また俺に抱き付いた。俺もまたギュッとした。



           ✳



「俺、帰ろかな。」

「タイムスリップしたみたいにまた戻ってるよ。」


「えっ?いや、もう終わると思うんだけど」


「終わるかなー」


「藤本さん、もう少しいて、私怖がりなの」


「えっ‥‥じゃ、もう少し」


て言うか今、何時なの? 11時半! 私のアッシーは確定だ



           ✳



告白しよう‥


「あの、鮎、いや、あのー」


「めぐみでいい。」


えっ、いきなり‥


「じゃ、俺は隆介で」


「うん」


「あの、じゃ、めぐみっ」

「あのー、俺と、正式に付き合ってほしい」


「はいっ、お願いします。」


「えっ?」

「いや、あの、‥やったーっ」


俺はめぐみを抱き抱えたまま、ぐるぐる回した。


「キャーっ‥」


そしてめぐみを降ろすと、なぜかごく自然にそのまま唇と唇は合わさった。


名前を呼ぶところで少しは考えたけど、それ以外はなんか凄く入りやすかった。腕を上げたのか、それとも‥



           ✳



「君達、ここで何をしてるのかな?」


「えっ?」


警察官?えっ?


「えっ、いや、」


「プライバシーな部分を余り長く見てると、犯罪になりかねないよ」


「いや、違うんですよ」



           ✳



「あっそうだ、私どうしょう?、終電終わっちゃった。」


あーしかしこの声、慣れない。ゴシップレディーのセリーヌと喋ってるみたいだ。


「じゃ俺んち行こっ」


「うんっ」



めぐみの右の手は俺の腹を巻き込み、俺の左手はめぐみの左肩を持ちギュッと引き寄せたまま俺達は……


公園を出た…


          ✳


「だから、友達を迎えに来たって言ってるでしょ!!」


「俺ん家は本当にそこ何ですって」


「本当に2人とも友達なんだな。」


2人の声が重なる‥

「そうですよ。」


「じゃ、その友達は?」


「だから、話しが終わるの待って‥‥」


「あれっ?」


「???」




「いずこへ?」‥‥




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