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対向列車の⭐君に恋をして  作者: 伊龍幸介
第2章  二人に対する難敵
34/57

失われた4年間



           ✳


俺の名前は藤もっちゃん‥隆介からそう呼ばれてる‥


隣の部屋に住む‥隣人以上ぎりぎり友達以下といった存在の‥


俺は車で帰宅途中、自宅近くの公園にまで差しかかると、朝と同じようにその公園の中に1人の女性を見た。朝の女性はベンチに、今度はブランコに乗りながら。公園には2つの水銀灯がありブランコと滑り台近くをほんのり照らしている。


何かこの公園の中の情緒を彼女1人で醸しだしてるような、そんな存在感があった。


ひょっとたら朝の女性でこの界隈の女性何だろうか?車から見てるせいか、はっきりとは分からない。


気にはなりながらも、俺はそのまま自宅に帰った。


《コン、コン》


「入るぞー」


「んー、あっ、藤もっちゃんお帰り。」


「只今っ」


「隆介お疲れだなー」


「あー、藤もっちゃん、腹へった」


「お前、晩飯食てねーのかよ」


「食う前に寝たみたいな。」


「しょうがねえーな」

「俺ん家、何もねえぞっ」


「はいっ藤もっちゃん、」


すっと車の鍵を渡された‥


「わかったよっ」

「で、隆介?リクエストは何だよ?」


「ふぁー‥唐揚げ弁当と‥」


「こいつ、また、寝るな。」


「隆介!!唐揚げ弁当と何だよ?」


「唐揚げ弁当っ‥んー」


「聞いたよ、それ。」


駄目だなこりゃ‥‥

適当に買ってくるか。


俺は隆介の車で駅界隈のコンビニまで車を走らせる‥‥


通りに出て少し走った所でやはり気になっていた公園を横目で見た。するとその彼女はまだブランコに座ってた。こっちを見ている。て言うかこの坂を見ている‥


そのまま坂を下り、駅に向かった‥





        ✳  4年前




あれは俺と紗希が仕事帰りに自宅まで帰る途中のことだった‥


「ねー、僚ー話があるの?」


「何だよ?」


「あのねっ、もう紗希の家、行くのよそうよっ?」

「もう、無理だよっ‥」

「お父さん許してくれそうじゃないもんっ‥」


「大丈夫だって‥‥もう少しで許して貰えるって‥‥そんな気がすんだよ俺、男だから分かんだよ!!」


「どうして、分かるのよ?」


「俺は親父さんの大事な娘を奪ったんだぞ‥‥」

「俺が親父なら、そう簡単には許さない‥‥」

「それに、親父さんの仕事は不良少年を更生させる仕事だろ。そんな仕事をしてる親父さんに俺は泥を塗ったんだよ」

「勢い余ってそんなに簡単に許せるわけないだろ。」


「だから俺は諦めねーよ」「その分確り誤まるよっ。」


「‥‥‥‥」


「どうしたんだよ?結婚式挙げんだろ?で親父さんと一緒にバージンロード、歩くんだろっ?‥‥」


「うん、わかった。」

「でもね、お父さんに許して貰えないのもあるけど‥あの人達のこともあるのよ。だって私達のマンションや職場まで来て嫌がらせに来るんだよっ?‥‥」

「いつまで続くのよっ。」

「昨日だって、車のホーンを会社で一杯ならされるしっ‥‥」

「その前は社長の車に傷をつけて、逃げてくんだよっ‥」


「俺の方は、昨日俺のいない間に会社のもんにいちゃもんつけやがった。」

「多分俺のしてきたことを、そのままお返しするつもりだよ。奴ら。」


そんな、話を暫くしてただろうか。


自宅付近まで帰ってくると‥奴らに自宅付近を囲まれていた。


「紗希、奴らだ」

「あいつらーっ‥」


紗希は俺の手をギュッと握り


「駄目よっ、僚っ」

「駄目っ!」


「分かってるけど、くそーっ」


俺はハンドルの上を両手で大きく叩いた‥‥


「あいつらーっ‥!! 朝までいる気だ。きっと」


「僚ー!!」


「この街出よっ‥」

「出て、もう1度やり直そう?」


「くそっ!!やっと仕事も覚え出したのに、これだ!!」


「いいじゃない、また探そっ」

「だからお願い!!この街出よ!!」

「私、僚と一緒なら何処でも行けるし、どんなとこでも住めるよっ‥」


「紗希っ」

「わかった」


‥‥


「あっ、あいつら、こっちを指差してる。ばれたぞっ」


「逃げるぞっ、紗希っ」


「うん‥」

「でも、気をつけてね、僚っ‥」


「あー‥分かってる‥」


奴らは、俺達を発見すると、車2台で町中俺達を追いかけ回した。

このままでは住宅に突っ込むと思った俺は、山道に誘い出した。


「キヤー、隆っ気をつけてよっ」


「紗希!!確り捕まっとくんだぞ!!」


「うん!!」


そして丁度居酒屋の近くまで来た時、ある者が俺達を襲った‥


目の前の道が突然揺れ出した‥‥


「きゃー、僚ー地震じゃない?!!」

「地震よっ僚ーっ‥」


「うわっ‥」

「うわっ、うわっ、うわっ!!」


「キャーっ」


「おい、マジかよっ」

「で、でかいぞこれ!!」


【ゴゴゴゴゴー】


「えっ?」


「キヤーーーっ!!」


「うわーっ」!!


【ドドドドドド-ン】


「イヤーーー!!」「キヤーーー!!」


「うわーーーっ‥!!‥」


【バキ、バキ、】


【ドッシャーン】


【ドドドーン】【ガシャーン】


‥‥‥‥



‥‥‥‥


‥‥‥‥

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