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対向列車の⭐君に恋をして  作者: 伊龍幸介
第2章  二人に対する難敵
33/57

初恋



           ✳



‥彼は下りてこない‥‥休みなのかも‥‥


‥‥じゃ家に居るんだ。きっと‥‥


あの自転車ってどんなだったかな‥‥

もう1度、自転車探そっ。今度は落ち着いて‥‥


私は公園から離れ、坂道を歩き出した。‥‥町の人に怪しそうに、見られてる‥‥

それでもいい、思わせとけばいい‥‥


私は彼を見つけるんだから‥‥



           ✳





春のマンションの前で‥‥


‥‥「春、有難うねっ‥」


「いえ、また、いつでも呼んで下さい」


「うん」


「怖くなったら‥‥」


「‥‥‥‥」

「分かった‥じゃ‥」


‥ムカツクーっ‥


なんなのあいつ‥‥


私が怖がりだってっー‥‥怖がりじゃないんだから‥‥


そんなのが嫌いなだけなんだから‥‥





春のマンションを後にした私は会社へ向け車を走らせた‥‥



           ✳



彼女のことを考えながらも取り敢えず何とか仕事を進めてる俺‥‥


兎に角今日、明日仕事は進めなければ‥‥


来週鮎原さんがこれを見たらどう思うだろう‥きっと失望するに決まってる‥‥


彼女のことは、日曜日にゆっくり考えればいい‥‥


今は仕事だ!!





           ✳




‥そして

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥金曜日の夜9時30分‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


‥‥‥‥‥‥ラインテックサプライでは‥‥‥‥


「麗奈!!」


「あっ課長っ」


「もういいぞ、十分、十分、帰っていいぞ。」


「はい‥」


「で、めぐみはどうだった?」


「はい、大丈夫です。心のケアが必要だったんで‥」

「来週は元気に出勤すると思いますよっ‥」


「そうか、よかった、よかった。」



「はい!」

「課長それじゃお先に失礼します。」


「はいよ、気をつけてな‥」


「はい」




‥とは言うものの、めぐみどうなんだろう?‥‥


めぐみの自宅に行って見よ



私はめぐみの自宅まで車を走らせた

もし、家に居なかったら、きっとまだ探してる筈だ

 

    もう少しで会えるからね

    離れ離れの紗希さんと僚馬さん


‥‥めぐみの中の紗希さんで、合ってるのよね

私の間違いじゃないよね


  めぐみのことを知ってしまった以上、私も力になりたい。




           




        ✳ 15年前


  

  あれは、学校の校舎の1階、確か階段の前だったろうか‥‥


小学校6年‥‥俺達は兎に角増せていた



「ねーねー僚馬ーっ?」


「何だよ紗希っ‥‥」


「今、私達のなかで流行ってるじゃないっ?」

「初恋の人は誰とか、好きな人は誰とか?」


「あー、流行ってるけど、別に俺は興味ないねっ‥‥」


「でも、好きな人はいるんでしょ?」


「そりゃ、まーなっ‥‥」


「‥‥」

「いるんだ?」

「その僚馬の好きな人、私に教えてよっ‥」


「何でお前にそんなこと教えなきゃなんねーんだよ‥‥」


「いいじゃない?」

「誰にも言わないからさっ‥‥」


「いや、だね‥」

「それより紗希?」

「お前の好きな奴誰か、聞いたぞっ‥」


「えー!!嘘でしょー!!」

「あいつらーっ」


「おい、待てよーっ」

俺は紗希の手を掴んだ‥‥


「お前泣いてるのか?‥‥」


「泣いてないわよっ!!‥‥」


「泣いてんじゃねぇーか」


「うるさいなー!!泣いてないって言ってるでしょっ!!」

「離してよっ!!」


「じゃ、俺がもっと泣かしてやるよっ‥」


「何よっ?」


「俺の好きなのはなー」


「‥‥‥‥‥‥‥‥」


「‥‥‥‥‥‥」


「お前だよっ‥‥」

「俺を捕まえられたら付き合ってやるよっ!!」


「このやろー!!」


「真剣泣いてんじゃねーかお前‥」


「うるさいーっ‥‥捕まえてやらないっ」

「はっ倒してやるー」


俺は体育館の裏に向けて、走った。

紗希は猛ダッシュで追いかけてくる


しかも涙を一杯浮かべて‥‥


体育館の裏へ差しかかったところで俺は疲れた振りをし、スピードを緩めた。

すると紗希は後ろから俺の腹に手を回し抱き付いてきた‥‥


俺はそのまま、紗希を反転させてギュっとハグした‥‥


「お前、喋りのあいつらにわざと喋ッたんだろっ‥‥」


「うんっ‥」


「俺の反応を見て喋らなきゃよかったと思ったんだろっ‥‥」


「うん‥」

「で、僚馬の好きな子、私の名前じゃないと思った‥」

「僚馬、意地悪過ぎるよっ‥‥」


「付き合わないか俺たち‥‥ずっと前から、お前のこと好きだったんだ‥」「だから俺を好きと聞かされた時はめっちゃ嬉しかった‥‥」


「‥‥‥‥‥‥」


‥‥紗希が号泣してる‥‥


「泣き虫だなっお前っ‥‥」

「俺の話、聞いてんのかよ?」


「聞いてるわよっ‥」

「私なんかねー、それよりも、ずーと前から僚馬のこと好きだったんだから‥」


「いや、俺の方が先だって‥」


「私の方が先よっ」


「俺だって‥」


「私なの‥」

「だって紗希だから」


こんな場面でも言える、紗希の駄洒落だじゃれに俺達は2人して笑った‥


俺達はその日の帰り、2人で校門を出た


小学生の友達として途中まで一緒に帰ることは別に珍しいことでも何でもない。ただその日の帰りは何人かが俺達を見て流石に不思議がっていた。目が落ちるくらい、目をまん丸にしてた奴や、不思議そうな顔でポカンと口を開けてる者や、様々だった‥‥


両手を繋いでりゃ、何かヒューヒュー位あったのかも知れない‥


それが俺達は小学生で有るにも関わらず、やっぱり増せていた‥‥


紗希は俺の腰に手を回し、俺は紗希の肩を確り掴んでた‥‥


小学生の目には何かラブホにでも入って行くカップルのミニチュア版にでも見えたんだろう‥‥‥




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