表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
対向列車の⭐君に恋をして  作者: 伊龍幸介
第2章  二人に対する難敵
30/57

70%の俺に30%のこいつ

           ✳


‥‥明けて金曜日の朝‥‥


私は昨日の夜‥この自宅に帰ってきた‥‥


今日からは確りしなきゃ‥


‥‥私はあの離れ小島の時間からあの彼の降りた駅を逆算してみた‥‥

あそこの駅で待って見よう‥‥

いや‥‥


でも駅で会って直ぐに感極まって抱き付きに行ったらどうしょう‥‥

駅で会っていきなり抱き付かれても彼困るもんね‥‥


あの、自転車は間違いなく彼だと思う。もう1度あの坂道を歩こう‥‥

そうだ途中公園が有ったわ。あそこなら上を見渡せる‥‥

彼が降りてくるのを発見できるもの‥‥


私はその公園で彼を待つことにした‥‥‥

彼に会うんだ今日‥‥私はそのつもりでいる‥‥‥


‥‥‥‥


‥快速列車に乗り彼がいた駅に着いた‥‥


‥‥


‥‥きついなー‥‥‥

緩やかだけど長い坂道‥‥

私は一昨日ここを小走りで駆け上がってたんだ。しかも大雨の中を‥‥


公園が見えて来た!

もう、少しよ‥


‥‥‥‥


‥‥公園に着き、ベンチに腰を掛けて道路の先を眺めている私‥‥


近くに彼がいる気がする‥‥


でも私を見て何の反応も示さないかも知れない‥‥

分かっていて無視するかも知れない‥‥


だって列車の中で私膨れて彼から離れていった‥‥


それっきりだもの‥‥‥‥ちゃんと私の勘違いって説明しなきゃ‥‥


でも勘違いじゃなかったらどうしよう‥‥或いは別に彼女がいたら‥‥


私を避けて行っちゃうの‥‥


‥‥‥涙が出て来た‥


駄目!!確りしなきゃ‥‥



           ✳



‥‥一方隆介の部屋では‥‥


‥‥《コン、コン》


‥‥‥ガチャ‥‥


‥‥「おーい、朝だよーっ」


‥‥何か体を揺さぶられてる‥‥


「起きてー、裕子よー」


《おい!!起きろ!!》


あれっ‥‥


「あっ、ごめん、藤もっちやん」

「ファーっ、」


「でかい、あくび‥‥」


「いや、悪い、悪い‥‥」


でも、今起きろって、体の中からしたような‥‥


気のせいか‥‥そうだ藤もっちゃんか‥‥


「何ぼーと考えてんだ」


「パンとコーヒー持って来たぞ‥」


えっ?あっそうだ、藤もっちゃんに起こしてもらうことになってて部屋の鍵渡してたんだ‥‥


「‥コーヒーとパンはおまけだ‥‥」


「いや、藤もっちゃん有難う‥‥」


「それにしても、お前の寝言って相変わらずリアルだな‥‥」


「えっ?俺、今日は夢見てないけど?」


「もういいって」


「いや、ほんとだよ!!疲れて爆睡してたんだって‥」


俺は自分で見た夢はリアルに覚えてんだから‥‥


「じゃ、危ないとか、確りしろとか、目を開けてくれーとかなんとか叫んでたのはどう説明すんだよっ?‥‥」


「えっ?」


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥?‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

危ない、確りしろっ、目を開けてくれっ?‥


‥‥‥‥俺じゃない‥‥‥‥‥‥


‥‥‥‥‥‥‥夢を見てたのは俺じゃない‥‥‥‥‥


「隆介!!」


「あっ、ごめん」


「俺、仕事行くからなっ‥‥」


「あっ、そうだもんなっ‥‥」


「大丈夫か、隆介?」


「あー、大丈夫だって、頭切り換えるよ‥」

「藤もっちゃん、すまない、気を付けてなっ‥」


「あー、じゃな」


「じゃ‥」


俺は仕事を始めるまでの少しの時間、じっくり考えた‥‥


‥‥‥


‥‥‥夢を見てたのは、こいつだ!!俺じゃない‥‥


‥‥こいつ、事故に遭った時の夢を見てんだきっと‥‥


‥‥‥危ない‥‥確りしろ‥‥‥目を開けてくれー‥‥‥



‥‥‥‥そばにもう1人いる‥‥




           ✳



‥‥‥一方麗奈は‥‥


‥‥私は自宅から課長の携帯電話に電話を入れた‥‥


「あっ、課長すいません‥‥」

「今日私遅れて出勤したいんです‥」


「おい、おい、どうした?急に」


「何か、めぐみが気分が悪いって言うんで‥‥」

「様子を見に行きたいんです‥‥」

「来週もめぐみが駄目なら大変でしょ?‥」


「それは、そうだ‥‥」


「春も休みで大変なのは分かりますけど、その分私残業ぎりぎりまで、頑張りますから‥‥」


「わかった、来てからでいいからシフト変更にしとくといい‥‥」


「分かりました、有難うございます」


‥‥嘘ついちゃった‥‥‥


‥‥私はすぐに春へ電話をした‥‥



‥‥「もしもし」


「はい、麗奈さん何でした朝から‥‥」


「春ー‥」


「はい、何でした?」


「あなた、今日休みだよね‥」


「はい‥」


「で、めぐみも元気になったし、病院へ行く時間開いたから‥」


「麗奈さんっ?‥単刀直入でいいですよっ‥‥」


「わかった‥日曜日変更で今から居酒屋付き合ってくれない?」

「私は、なんとか理由付けて、遅れて出勤するから‥‥」


「分かりました、じゃどうしましょ‥‥」


「春、家で待ってて?迎えに行くから‥」


「分かりました、じゃ待ってます。」


‥‥‥私は今週までにあの居酒屋へ行きたかった‥‥



           ✳



‥‥‥隆介の部屋では‥‥


‥‥《ピンコーン》


‥‥あっ、ラインテックサプライからのメールだ‥‥


‥‥【お世話様です、昨日は送信遅れてすいません‥‥

鮎原は全快しました。来週は通常通りに戻ります‥‥

ご迷惑をおかけしました。】


‥‥‥‥【河村勝彦】


‥‥よかったー、今週までで‥‥


‥‥‥


‥‥


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ