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対向列車の⭐君に恋をして  作者: 伊龍幸介
第2章  二人に対する難敵
28/57

28話


           ✳


‥‥203‥‥


「お父さん、ここだわっ‥‥」


《コンコン》


「はいっ‥」


‥‥ドアが開き、入ってきたのはお父さんとお母さん‥‥


「大丈夫ーめぐみー」


「お母さんっ、お父さんっ‥‥」

「大丈夫だよー私は、全然」


「びっくりしたんだから、私もお父さんも‥‥」


「大丈夫だよ、何か大袈裟なんだから‥‥」

「車できたの?」


「そうだよっ‥」


お父さんが‥


「でも元気そうで、よかった‥」


「じゃ、病院移らなくてもいいねっ?」


「それはだめだっ、‥‥」


「どうして?全然大丈夫なんだよ私は‥‥」


「大丈夫でも一応、念のためにな‥‥」


「言ってる意味がわからないよ‥‥」

「私の体は私が1番よく知ってるんだから‥‥」


私が強い口調になってくるのを分かってか、お母さんが‥‥


「お父さん?取り敢えずはめぐみが元気そうなのは見れたんだから、ここでどうこう話すより後でまた先生とゆっくり話しましょっ‥‥」


「分かった、そうするかっ‥」


「あっそうだわっ、忘れてたっ‥‥」


「何?‥」


「めぐみに会いたい人が、駐車場で待ってるのよ」


「えっ?私に会いたい人?」


「うんっ‥‥」


「じゃ、一緒に来ればよかったのに‥‥」


「いや、それが病院は無理なのよー‥」


「あっ!!」

「お父さん‥車の鍵貸して‥‥」


「はいよ‥」


「早っ!!‥‥」


私は急いで、階段を下り駐車場へ向かった‥‥


‥お父さんの車だ‥‥

近くまで寄っていくと、私に気づいたのか‥‥


『ワンっ!ワンっ!ワンっ!ワンっ‥‥』


私は車の鍵を開け、ドアを開けた‥‥


「パールーっ‥」


『ワン、ワン、ワンっ!!』


「そうか、そうか、そうなんだ‥‥」

「パール、そうなんだー」

『ワン、ワン、』

「はい、はい、はい、分かった、分かった」

‥‥

‥‥

‥‥


私はパールを抱いて、ここが見える病室を見た‥‥


‥‥あっ、お母さんもお父さんもこっちを見ている‥‥

‥‥それに先生も‥‥


‥‥皆こっちを見ている‥‥


‥‥‥


「先生、病院の移動はいいかも、知れませんね?」


「そうですね‥‥‥‥‥」

「‥‥‥‥」


「先生どうしたんですか?めぐみはやっぱりどこか悪いんですか?」


「いや、その逆何です‥‥」

「おかしいなー‥」


「えっ?」


「いや、顔色がすっかりと言うか、顔の表情も変わって、各数値も良くなってるので‥‥」

「はっきり言って全然問題ないです‥‥」

「一応向こうの病院にも診断結果を出しておきましたけど、やはり問題なしで、こちらに一任すると言う事です。」


「そうですか‥」


「それを聞いて安心しました。」

「帰りましょうか、お父さん‥」


「あー、でもよかった‥」


「はい‥」



           ✳


《プルルー、プルルー》


「はい、もしもし何でした?有田さん」


「いや、何でもないんだけど、日曜日コンパ無しになったから、一応連絡しとこうと思って‥‥」


「あっ、わざわざすいません!」


‥‥行かないって言ったのにな‥‥


コンパが潰れたことで、余程ショックなんだろう‥


「あっ、それと隆介それだけじゃないんだよ?‥‥」


「えっ‥」


「今から言う番号控えろ‥‥」


「はい?‥」


「いいから、控えろ‥お前と喋りたいと言う人間がいるんだ‥‥」


「俺と?‥‥」


「あー‥」

「この間地震があったって言う会社の奴だ‥」

「お前のことを言うと是非喋りたいと‥‥」


「あっ!お願いします是非‥‥」


「いいか?」


「はい、いいですよ‥‥」


「×××××××××××」


「わかりました。有難うございます。電話してみます‥」


「じゃなー」


「はい、すいません‥‥」



‥‥俺は電話を切るとすぐにこの番号に電話をしてみた‥‥‥


「もしもし」


「あっ、すいません‥‥哀川隆介と言う者ですが‥」


「あっ、哀川さん」


俺を知ってるのかな‥‥


「はい、そうです‥‥」


「待ってたんですよ‥‥電話を‥‥」


「そうですか、有難うございます‥‥こちらも入りやすいです‥‥」


「地震のことですよね?‥」


「はい、そうです。」


「よかった‥あの地震、誰も信じてくれなくて‥」

「ありましたよね、確かに。」


それを聞いた俺は、何か安堵した‥‥

やっぱり現実なんだ‥‥


‥‥‥少なくともあの空間は‥‥‥


「えー、確かにありましたよ。大きかったですよね。」


「ですよねー、大きかったですよねー‥‥」


何か彼に俺の同調感はあまり伝わっていないだろう‥‥


何故かと言うと‥‥

俺には地震もそうだけどもっと大事なことがある。それを彼に尋ねてみることにした‥‥


どんな返事が返ってくるんだろう‥‥


「すいません、それと1つ聞いていいですか?」


「はい、何でした?」


「その地震の時、真横に対向列車も一緒に止まってましたか?」


「対向列車?」


「えー‥」


「いや、対向列車などなく‥僕らが乗ってた列車だけでしたけど‥‥」


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」


「もしもし、どうしたんですか?」

「哀川さん!!?」


「あっいや、すいません‥‥何でもないです‥」

「有難うございました‥‥」

「すいません、用事ができたのでまた、電話します。」


「あっ、はい、わかりました‥」


‥‥‥


‥‥‥‥



こんな大事な時に電話しなけりゃよかった‥‥











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