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対向列車の⭐君に恋をして  作者: 伊龍幸介
第2章  二人に対する難敵
24/57

24話

          ✳



帰宅間際で雨に打たれた俺は、部屋のドア開けると、そのままシャワールームへと飛び込んだ‥‥


しかし、一気に降ってきたなー‥


《トゥルールルルー、トゥルールルルー》


電話か‥誰だろう?


‥‥


風呂から上がると直ぐに携帯を手にした‥有田さんか‥‥

何だろう?


‥‥


「あっ、もしもし有田さん?電話なんでした?」


「あっ、隆介‥あのな、課長から電話があってな、なんでもグループ会社のラインテックサプライから、お前の相棒が事故かなんかで、今週いっぱい休みになると電話してきたらしい。」


「えっ?」

「河村さんが?か河村君か?」

顔は見たことないし、上下関係はわからないけど。


「事故?」


「でだ、課長が今週いっぱいお前にテレワークで頼むとのことだ。」


「いや、パソコンないですよ‥」


「それは気にするな、俺がパソコンを今からお前ん家まで持って行くから‥」


「えっ?持って来てくれるんですか?わざわざ‥」


「あー、そのかわり鍵は開けといてくれなっ。俺はパソコン置いて直ぐ帰るから‥」


「わかりました。じゃ鍵、開けておきます‥」


「じゃ、頼んだぞ」


「はいっ。わかりましたお世話様です。」


大変だなー‥でも今週いっぱいってことは大事には至らなかったってことか。


でも仕事が大変だなー、この時期に‥


あっ、雨が止んでる‥‥


今の内にコンビニでも行くか‥‥食パンや諸々と買い出しするか‥

軽くジャージに着替えて外に出てみた‥‥


するとそこに藤もっちゃんが帰ってきた。


「藤もっ‥‥ちよっとどうしたんだよ藤もっちゃん?ビショ、ビショじゃない?」


「あー、隆介、そうなんだよ大変だったぜ、今まで」


「何があったんだよっ?」


「いやーそれが、雨の中をビショ、ビショになって歩いてる女の子を見つけたんだけど‥」


「女の子?」


「あー、傘を渡そうと思って車から降りて近づいたら、そのまま俺に向かって倒れこんできたもんだから慌てて救急車を呼んだんだけど、後から警察も出て来て、調書だよ‥」


「まじで?」


「あー、サイレンの音してたろ?」


「そういや、近くで音はしてたなー」

「あれって藤もっちゃんが呼んだんだぁ‥」


「あー」

「まっ、取り敢えず寒いから風呂でも入るは。じゃなー」


「あーじゃっ」


「あっそうだ、隆介‥」


「でその子、めっちゃ可愛いいし、綺麗な子だったぞっ」


「えっ?マジで?」


「しかも‥‥」

‥‥

「取り敢えず寒いし、風呂入るは」


「しかも何だよ。それ聞かせてくれよ?」

「気になるだろ?」


「冗談だよ‥じゃ風呂入ったら、また来るはっ」


「あー分かった、じゃ待ってる。」


‥‥俺はそのままコンビニへ行くのに、車の鍵を持ち外へ出た‥


車に乗り、道路へ出るのに左折すると直ぐに、その藤もっちゃんが言ってたパトカーなのか、俺達のワンルームマンションの方を見て睨んでる‥


何か事件性があった時の為に下見か‥‥


サイレンの音はこんな近くじゃなかったから多分付けて来たんだろうな‥


そういや、なんか胸騒ぎがしたのは、このことだったのか?


何年か前からパトカーを見ると胸騒ぎがするんだけど‥

でも見てもいないし、勘違いか‥‥



           ✳



‥私はめぐみの携帯を受け取り、119に電話してみた。


「あっすいません、先ほど××辺りにきた救急車は何処の病院へ行ったか聞きたいんです」


「ご家族の方ですか?」


「いえっ、友達です」


「ちよっとお待ち下さい。」


「はい」


「何処、何処の病院です」


「わかりました。有難う御座います」



           ✳



もうパトカーは引き上げたか‥‥


自宅に帰りドアノブにに手をやると藤もっちゃんも同時に部屋から出てきた‥


「藤もっちゃん」


「隆介‥ビールいるだろっ。持ってきた」


「サンキュー、俺、アテ、買ってきた。」


‥‥


‥‥「で、その彼女の声なー、お前の好きな声優の甲斐田裕子そっくりだったは。」


「えっ?まじかそれ?」


「あー」

「まっ、俺も好きだけどな」

「でも時が時だけにそうも思ってられなかったけど‥‥」


「まあな、それはそうだよ。」


「で彼女は携帯を忘れるは、警察は出てくるは、彼女の友達は出てくるはで‥‥」

「良かったのか、悪かったのか‥‥」


「甲斐田裕子の声が聞けたんだから良かったじゃねえか‥‥」


「まあな」

「よかったかも」

「しかも友達も可愛いかったしな」


「そうなんだー」

「それ、そのまま、藤もっちゃんの彼女にチクるか‥」


「別れた‥」


「えっ?まじでっ?」


「マジ‥」


「ごめん、またいい出会いがあるって」


「そうなんだ。で、その友達に俺の電話番号教えてるんだ‥」


「早っ!!」


「いや、その友達が聞かせてくれって‥」


「で、教えたんだっ‥」


「いや、断ったんだけど友達に怒られるから、是非聞かせてくれって」


「そこから、発展するかもなっ」


「でも、早過ぎと言うか、寄りが戻るかもしれないから、考えてはいないけどなっ」


「そうなんだ‥」


「そろそろ、俺、帰るはっ、明日も仕事だから」


「うん、わかった。」


「じゃお休み」


「お休み。」


‥‥


‥‥‥甲斐田裕子か‥あ~またあの声が聞きたくなってきた‥‥

‥また見ようかな、ゴシップレディー‥‥



‥‥





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