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対向列車の⭐君に恋をして  作者: 伊龍幸介
最終章
13/57

13話




           ✳



課長から私に話があると退勤間際に呼び止められ、その話の内容に私は少しほっとした……


…………


その事と、私個人の話しを、2人でよく行く居酒屋で麗奈に話してみることに……


先ずは昼の泣きべそのことから誤まらなければ……………


会社を後にし私は麗奈と居酒屋へ……


…………


「麗奈ー、昼のこと何だけど、ごめんね」

「迷惑かけたね」


「ううん、いいのよ。でもビックリした急に泣き出すんだもの」


「本当にごめん。注目の的だったね」


「ううん、ぜんぜん平気……慣れっこだよ。」

「でも向こうの席で、春がポカンとしてこっちを見てたの、少しおかしかったねっ」


「そうなんだ」……


…………


私は課長に聞かされたことと麗奈が何か関わってるんじゃないかと、それとなしに……


「麗奈ー」


「何ぃー?」


「あのさー私のことで何か課長と喋った?」


すると麗奈が慌てたように……


「めぐみ、ごめん!!」

「私、めぐみが田舎帰るの考えてるって課長に喋っちゃった。そしたら課長が私に、有り難って慌てたようにどっか行っちゃったの。」


「やっぱりそーだったんだ」


「ごめん」


「麗奈いいの。逆に麗奈に有り難うって言いたいくらい。今から話しするのも、そのことだったから」


「えっ?」


私は麗奈に、課長との会話を聞かせた……


………………


………………1時間前、大善課長から………


「めぐみ、話しは他でもないんだけども……」


「はいなんでしょう?」


「田舎に帰るから会社を辞めると言ってたよなー」


「はい」

「でも、田舎に帰るのは実は今、考えてるんです」

「あっ、いや、帰らないかも知れません」


「やっぱりそーだったんだ。」


「えっ!」


「実はチラッと耳にしたんだ」

「だからめぐみ頼む!!」

「会社に残ってくれ!!頼む!!」


なんと、課長が頭を下げてお願いしてる……


「えっ!!いや、課長、やめてください。頭上げて下さい!!」


「いや、会社事で、頼んでいるのは悪いと思うんだが、君の変わりが、なかなか、居なくて困ってるのが、現実なんだ」


課長自らが、困っているからって私に…………

余程困ってるんだろうか?……


逆に私は課長に自分の思いを打ち明けようと………………


「課長、そのことなんですが、実は、私も助かるんです」

「辞める寸前に私事で暫く田舎には帰れないと思ってたし、それに会社を辞めるのはもうそこだし、送別会もあるのでどうしょうかと」


「そうなんだ。じゃ残ってくれるね」


「でも、急なので迷惑は掛かりませんか?」


「いや、大丈夫だ。人事にはこっちから言っておく」


少し嬉しくて……


「はい、じゃ残ります!!」

「こちらこそ、よろしくお願いします」


………………


……………………………


………麗奈が嬉しそうに聞いている……


「私ねー、やっぱりもう暫く会社に残りたくて麗奈にその話しをしようと思ってたとこなの」


麗奈が急に私の手を取って……


「そうだよー、ずっと一緒にいよっ!!」


「うん、そうする」

「それでねー、今会社が忙しいでしょー。」


「うん」


「その、忙しい期間だけでもって思ってたら課長からずっとこのままいてくれって。」


麗奈がホッとした様子で…


「よかったー」

「多分今の忙しい局面はめぐみにしか無理なんだって」


そして嬉しそうに更に麗奈が……


「だったらめぐみの送別会は歓迎会から決起会に変更だね」


「えっ?」


「そのままやろー。だって明日だよ、キャンセル気かないもん」


「うん、わかった、やろー」


「で、めぐみさー」


「何、麗奈?」


私が涙腺の弱いことを知ってる麗奈が、どうやって入ったらいいのか迷ってる………………


「あっ、そうそう、ホントに昼のこと気にしなくていいからね、めぐみ」


「うん、わかった。でも本当ごめんねっ。」


「いいのよっ、めぐみは泣き虫なの知ってるから。」


いつも私の話し相手になってくれる麗奈……

そんな麗奈に思いの(たけ)()つけてみようと…………


「で麗奈」


「何?」


「私の話しなんだけど」


麗奈が透かさず両手で私の手をとって……


「めぐみ大丈夫?ゆっくりでいいんだよ」


「うん」

「私ね、どうしても会いたくて…」


また涙腺が緩んできた私を見て麗奈が……

「時間は一杯あるしね…」

「それに明日は日曜日だよ。ゆっくり喋ろ」


「うん」

「でねー、今日、覚悟を決めて会いに行ったの……」


「えっ!そうなんだ。で会えたー。何か喋った?」


「それが会えなかったの」

「私、どうにかなりそうで……」


麗奈がヤバイ泣くと思ったのか、ハグを見送ってるのがわかる………………


そして……

「めぐみー、最近なんか思い詰め過ぎっ。何か私、凄く心配で。」


「ごめん。でも麗奈しか話せなくて」


麗奈が少し考えてるように思えたその直後に…………


「めぐみ、こんなのどうだろ……」


「えっ、何?」


「今度のコンパなんだけど、やっぱり行かない?」


「えっ?」

いきなり、コンパに変わった?


「1度リセットするのよ」


「リセット?」


「そう、リセットよ……」

「めぐみはいつも誰とも付き合わないでしょ」


「うん」


「男達はぞっこんになるけど」


「そんなことないよー」


麗奈が決めつけた様に言う……


「いや、そうなのっ」

「取り敢えずね、1度リフレッシュするの。それからもう一度ゆっくりと考えよ。それから1つづつ行動するの……わかった?」


「う~ん、わかった。1度考えてみる」


「いや、考えない、決定だよ」


「えーっ」


………………


でも、私のことを考えての事だと、何か伝わってくる。


それと一石二鳥も…………


…………


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