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対向列車の⭐君に恋をして  作者: 伊龍幸介
最終章
11/57

潤む涙




土曜日の朝を迎え…………


いつもの最寄り駅まで来て、日課になってしまったホームの椅子に座り各駅列車が来るのを待っている。


今日会えなかったらどうしよう。どうにかなりそうだ。

頼むから乗っててほしい……


…………彼女の事が体から離れないのは、やはり彼女と列車のドアごしに互いに目を潤ませてしまうことや、彼女が悲しそうに俺を見つめることの本当の意味を知りたいからに他ならない。彼女に直接会ってその本当の意味を知りたい………


会わなければ……


……なにがなんでも。


彼女のことを考えてると、いつもなにかやり過ごす。

……あれっ!何かおかしい?そう気付くと慌てて時刻表に目をやった。時間が違う!!


それもその筈だ。

今日は土曜日だからだ。平日とは違うんだ。


平日のに3分遅れの各駅列車に乗るも…………



…………結局列車は離れ小島には入らず、彼女と会うことは出来なかった。


会社に着き、いつも通りのパソコンの前に。


携帯がなっている。誰だろう?


母さんだ。


そうだアルバムのことだ!!


仕事中だから席を外し外に出た。


「もしもし母さん?」


「あっ、隆ーアルバムね今日着くわよ」


「えっ、本当!?有り難う」


「うん、で明日帰って来るの?」


「うん、帰るよ」


「分かった、じゃ、待ってるね」


「あっ、母さん」


「何?」


「送った荷物の伝票の控えあるだろー」


「うん。あるよ」


「そこに問い合わせ番号があると思うんだ。それを読み上げてほしいんだよ」


「問い合わせ番号?」


「うん」


「これかなー?言うわよ」


「うん」


「……………………」


「有り難う。じゃ母さん明日帰るから」


「はいはい、待ってるからね」


「うん。じゃ」


母さんとの電話を切った俺は直ぐに宅配便に電話をしてみた。


「もしもし宅配便の…………です」

「あっ、すいません。今日届く筈の荷物を営業所止に変更してほしいんですけど」


……………

………………


夜の10時以降かー、晩飯食ったらそれ位になるかなー




           ✳



……………………キーンコーン、カーンコーン………………


「麗奈ー」


「めぐみー今日のお弁当早く見せてー」


またなんか麗奈に乗せられそうな気が…………


昨日の話しの続きを私から麗奈に聞いてみた。

「そう、そう麗奈、昨日言ってた話なんだけどさー、麗奈から聞くよ。聞いてほしいことって何かなー」


麗奈が少し嬉しそうに


「えっ、私からでいいの?」


「うん。いいよ」


「実は私ね。、彼氏できたの」


「えっ本当ー!!やったじゃなーい。良かったじゃない


実は麗奈の話しを先に聞いたら、あとで私の話しををじっくり聞いてほしかったんだけど……

なんか羨ましいくて、切なくなってる私……


「うん、有り難う」


「いいなー」


「めぐみはどうなの、その後」


わたしは少し悲しそうになりながら


「私?うーん、ダメかなー」


「ごめん。私だけ舞い上がってるみたい」


「ううん、全然大丈夫だよ。私は」


私は更にに悲しくなり目が潤んできた。

それを見た麗奈が瞬時に私へハグしてくる…………


「ごめんね、めぐみ。私の方が先にめぐみの事、聞けばよかったね。ごめん、ごめん」


「ううん、いいの」


私は麗奈のハグに包まれたまま…………

…………潤んだ目から涙が(こぼ)れ落ちてきた

「なんか、押し潰されそうなのー」


「わかっためぐみ。ゆっくりと聞くよ、だから泣かないの。」


「うん」


「終わったら今日いつものところでご飯食べよ」


「うん」

麗奈は多分ビックリしたと思う。


麗奈には私の話をあらかた話しはしたけれど、そのことでまさか突然泣くなんて…………


しかも回りに人がいる食堂で…………






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