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対向列車の⭐君に恋をして  作者: 伊龍幸介
第一章 真実への道のり
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ブルーな朝の始まり


山裾に、とある町がある。


この山裾の町には都会と都会を繋ぐ電車が通っており駅もある。

駅の直ぐ横には踏み切りがあり、そこから山に向かって伸びている片側一車線の道路がある。

それなりに人が住んでいて道路の左右には店も多く立ち並んでいる。


駅から歩いて小1時間程山に向かって登ると左側は見晴らしのいい丘になっていて右側は住宅街になっている。そして見晴らしのいいその丘から道を挟むとワンルームマンションが見える。


このマンションの入り口を入って見ると直ぐ左に階段があり、右に進むと右手にドアが2つ並ぶ。101号室と102号室とある。入り口から真っすぐ北に進むと左側に部屋が3つあり、そこから行き当たりで右に折れ、今度は最初の101号室と102号室に対面する形で部屋が2つある。

各階、7部屋あるコの字型の2階建てワンルームマンションだ。それに囲まれるように木々や花々が咲き、2階からの眺めは情緒がある。


このワンルームマンションの2階に上がった204号室。2階の真ん中にある部屋である。ここに1人の青年が住んでいる。


名前は哀川隆介。田舎から3年前に越してきた26歳の独身‥‥彼女いない歴は1年と3ヶ月。らしい……




この青年は言う。

会社とこのマンションの往復の毎日で、疲れて寝るだけのワンパターンな生活。

会社帰りにたまに寄り道はしても居酒屋へ寄る程度‥‥


そんな生活に最近飽き飽きしているこの青年。

実は他にも悩みがある。それは彼女が出来ない。いやっ、彼女なんかもう出来ないものと思っている。

半ば諦めもしている。 らしい……


‥‥そんな彼に不思議な出逢いが舞い込んできた。………


…………

‥‥‥


降り続いた雨も明け、空は晴天で辺りも明るく、鳥の(さえ)ずりさえも心地よく聞こえてくる‥‥


そんな心地のいい朝を迎える筈が、朝寝坊ひとつで大きく事態が変わってしまった‥


マンションの一室に肩を落として溜め息をつく‥‥


いつもの寝坊ならビックリして目覚まし時計右回転左回転と、夢か見間違いか諦めきれないで

いるけれど‥‥


流石に今日は諦めから始まることになった。


お尻を床に付けたままムクッと起きた先にある目覚まし時計は何故か今日は遠くに置いてある。

それを見て固まってしまう‥


正面で固まってる分けだから目覚まし時計を

左右に回す必要もないし、手も届かない。動けない‥‥


直ぐに声が出た‥‥


「ヤバイ!!」


あまりの失望で後ろに倒れ込んでしまい5分位動けないでいる。


今週2度目の寝坊だ‥


ふと我に帰り、まず会社に電話をしようと思ったけれど……


いや待て。何か言い訳になることはないのかと考えた‥‥

でも直ぐには思いつかない。出てこない‥


‥‥‥


暫く考えたけど、これといったいい案が出てこない‥


そうだ。…


こう言う時はまずは先輩に電話。それがいい‥


自分では気が落ち着かず思いつかない。


彼の発想にたよるしかない。何かいい案でも捻り出してくれるかも知れない‥‥


電話してみよう‥‥


‥‥



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