今日も気ままに
掲載日:2015/05/12
黄土色のメッキ掛かった手すりの中で天空が揺らめく。
口に放り込んだチョコレートの甘ったるい匂いが鼻腔をくすぐる。
何かに映り込んだ空は、とても美しい。少しぼやけた油絵のような色彩を持ち、さりげなく輝いている。
そうこうしているうちにチョコレートが溶け出し、苺の果肉が漏れ出したので軽く啜る。
「何見てるの」
「ここに空がね?」
つるりと撫でて見せれば、感嘆。
「本当だ、綺麗」
背後から近づいてきて私の横に並ぶと、彼女は顔を顰めた。
「ていうか匂いやばいね」
「食べる?」
「うん」
二人同じ匂いになってしまえば、気にならなくなるものだ。
「うま」
「でしょう」
何でもない日の昼休み。
それってめちゃくちゃ幸せね。
「いい天気すぎて眠い」
「わかる」
美味しい綺麗は生きる活力源。
今日も気ままにゆるく呼吸する。




