エピローグ スルコレブチア・アレナケア
ホームルームのチャイムが鳴った。
副担任の小林が2年2組の教室の中へと入ってくる。
彼の手にはオレンジの花の入った植木鉢があった。
「鮎川先生は諸事情でおやめになります。代わりに、ボクがこのクラスの担任を受け持つことになりました。よろしくお願いします」
小林は一礼する。
「これから放送がありますのでしばらく待ってください」
クラスメイト達はどんな放送が流れるのか大体予想はついていた。昨日と同じことをするのか、皆、俯いていた。
スピーカーから男の声が聞こえてくる。
「おはようございます。教頭です。ご存知の方もおられるかもしれませんが、昨日の夕方頃、2年2組の秋本秀夫くんが歩道橋から身を乗り出し、車に轢かれて亡くなりました。皆様、彼のために、黙祷をお願いします」
生徒たちは目をつぶり、黙祷をささげた。
※※※
短いホームルームが終わると、小林は櫛川を呼んだ。
「櫛川、これを秋本の机に置いてくれないか?」
オレンジの花の入った植木鉢を櫛川に渡す。
「丸い物体の周りに何か咲いているんですが……、これはなんの花なんですか?」
「スルコレブチア・アレナケア」
小林は言う。
「黄色やオレンジの花を咲かせるサボテン科の一種だ」
物語はここで終わりになります。
どうして、意味がわからないヒトは活動報告にて、簡単な説明をしますのでよろしければみてください。