表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/52

第33話 パーティ名

33話になります。

あの後、何が起きているのか分からない不安感に煽られながらも、馬車は一日弱の時間をかけて王都に到着した。


幸いにも街の外観は変わりなく、ここの平和が脅かされるような事態には陥っていないようだ。


しかし、あの光の柱のことで動揺が広がっているのだろう。


王都は何やら慌ただしく、普段より人通りも多いうえに妙な緊張感に包まれていた。


リューたち一行はひとまず宿をとって自分たちの荷物を置き、それからギルドへ行って情報収集をすることにした。


そして、30分ほどで事の概要はほぼ掴むことができた。


まず、光の柱の出所。これはなんと王宮であったらしい。


多くの人が一様に、突如として王宮から光が立ち昇った、と話している。


まあ、人によっては空から光が降りてきた、と言う証言もあったが。


数時間後には王宮からの知らせがギルドに届き、あの光は『開発中の魔道具によるもの』という説明が成され、住民への危険性があるものではないとされた。


未だに街では混乱を拭えない者も多いが、それはやはり本能的な恐怖心からくるものなのだろう。


また、光の柱の出現の直後には情報が交錯していたのだと思われるが、空から女の子が降ってきただとか、雲の中から宙に浮く城が現れたとか、王都の方角に飛んでいく巨大な赤い鳥を見た、などという妙な証言が飛び交ったということだった。


情報を手に入れたことでひとまず安堵の表情を浮かべる4人であった。




しかし明けて翌日。王都は再び驚きに包まれることとなる。


もっとも、今度は不安や恐怖ではなく、期待と喜びによるものだったが。


その原因は、王宮からギルドへ通達され、その後ギルド内の掲示板に張り出された文面。


''第52回アルテイル王国闘技大会開催の通知''


主催:アルテイル王国王都ギルド(アルテイル王国王宮後援)


開催日時:白の月9日、10日、11日 9時~17時(三日間)


開催場所:王宮闘技場


闘技種目:4~6人でのパーティ戦、2チーム1試合のトーナメント方式


エントリー方法:ギルドにてパーティ名、参加者名、参加人数を記入


募集期間:金の月11日~17日(本日より一週間)


参加資格:ギルド員 ランク不問


参加費:1チーム50000ニル


賞金・賞品:優勝・シルヴィ武具店製武器、および200万ニル 準優勝・200万ニル 3位(2チーム)・100万ニル 5~8位・50万ニル 


備考:闘技中の毒物及び薬物の使用禁止



シルヴィ武具店とは。


王都、いやアルテイル王国最高といわれる武器を打つシルヴィ・アルリアの店である。


作品の中でも最高峰のものは容易くゴーレムを貫き、ドラゴンを切り裂く。


武器の価格は平均として一振り5、600万もするが、その武器の所有者は王属の近衛騎士団にも多く居るという。


ちなみに、シルヴィはダークエルフの女性であるらしい。鍛冶屋=ドワーフというイメージが台無しである。



掲示板に目を通していたリーナが「シルヴィ武具店……?」と呟いたところ、隣で同様に掲示板を見ていた30歳程のの冒険者がそれを聞いていたのか、上の内容を熱く語ったのだった。


リーナは彼の異常な熱さに若干引いていた。



そんなことがあって、4人は大会出場を即決し、とりあえず話し合いをすることとなった。


議題は………



………『パーティ名』。





∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵






「これより、第一回作戦会議を開始したいと思います」


わーーわーー。


「まず、何か質問がある人は?」


「はい議長!」


「何かねリーナ君?」


「今まで私達がパーティ名を決めていなかったのは何故なんでしょうか!」


「まず、4人で組んだ時にそういう話にならなかったから。そしてギルドにも何も言われなかったから。つまり統合すると、作者の責任だと思う」


!!!?


「………質問いい…?」


「どうぞティファ君?」


「………何そのヒゲ?」


「ちょ、ちょっと……指摘されると恥ずかしいなあ……雰囲気出したかったんだけど」


そう言いながら、リューは付け髭を捨てた。


「俺としてはそんなもん何で持ってたのかが気になるところだが……ま、それはさておき。さっさと話し進めようぜ」


4人はギルドから一旦宿に戻り、食堂で膝を突き合わせていた。


「参考までに聞きたいんだけど、他のパーティってどんな名前なのかな?」


「んー………有名どころだと『銀翼の鳥』、『烈火の剣』、『鋼鉄騎兵団』、『シルフの風』とかか?そんなに多くは俺も知らねえけど」


「私が知ってるのは『月夜』とか『雷神の盾』とか……あ、『白百合』!!メンバー全員が女の人なんだけど、Sランクパーティですっごい強いんだよー」


「Sランクっていうと………『狂乱の嵐』は古豪。………王都ギルドのギルド長も昔所属してた…はず。」


「へー、あの炊き出しの………あ、話ちょっとずれるけどさ、SSランクのパーティってあるの?」


「確か………今は4つあるな。まあ、この国からは輩出されてないけどな」


「あ、みんな他国のパーティなの?」


「ああ。しかも内3つはあのジークアルト帝国出身の奴らだ」


「ジークアルト、か……。」


軍事国家ジークアルト帝国。力こそすべて、を地で行くこの国は、一般人がこちらの国の兵士に引けを取らないほど強いという噂で、その軍事力は大陸随一とされる。


それはともかく。


「話を戻すけど、こうして並べてみるとパーティ名ってなんか『〇〇の〇』っていうのが多いのかな。私たちもそういう感じのパーティ名にする?」


「いやいや、そういう訳でもねえぞ。『ヴェルダンディ』とか『カオスグリム』みたいなのもあるし………」


「…………『猫猫猫猫猫』も………」


ティファがぼそりと呟いた。


「っ………あー、それもあったな………」


エルはティファの言葉を聞いて苦笑した。


「……?『猫猫猫猫猫』って……??」


「………さっき言ったSSランクのパーティの一つなんだよ……それ……。パーティが全員猫の獣人だからって理由でいい加減につけた名前だ」


「いい加減………」


リーナが絶句する。


「……しかもそいつら何故か、語尾に『にゃ』をつけて話すらしい」


3人の視線が自然とティファへと集まった。


「…………私達、そんな喋り方しない……にゃ。」


「なんで『にゃ』をつけたの!?」


「なんとなく。………それで……パーティ名はどうするの…?候補を挙げていって、多数決で決める?」


「あ、ああ………まあ、それでいいんじゃないかな?……って、私も考えなきゃいけないんだ。難しいなあ………」


「なら、思いついたら挙手して名前を言っていくってことでいいな?」



数十秒してから、リューが手を挙げる。


「お、早いな。言ってみてくれ」


「『黒炎の騎士団』とかどうかn「却下だ」早いよ!?」


「いや、どう考えてもアウトだろ。ルビをふらなくてもダサいし、後々黒歴史になること間違いなしだ」


「すごい酷評………!そんなに駄目かなあ……?」


ティファとリーナの方をちらりと見るリュー。


「ごめんね…………」「………(無言で首を横に振る)」


「………………。」


がくりと肩を落とすリュー。




「あ、はい!整いました!」


リーナ、謎かけじゃないんだから。


「『ハルマトア・リクレスト』ってどうかな?」


「んー……なんかちょっと……長くない?僕覚えられる自信がないんだけど……」


「確かになげえな………ま、保留にしとくか。ちなみに何か意味とかあるのか?それは」


「確か、古いエルフ語で繋がり、とか絆、っていう意味だったかな?なんかの物語でちょろっと出てきたんだよねー」


古い言葉、というのに反応して、リューが「リテ……ラトバリタ……」などと呟いていたことはどうでも良い事実だろう。




「………じゃ、私。……『氷雪龍』っていうのを思いついた」


「お、いいねそれ!特に龍が!ドラゴンが!」


「うん、いいんじゃないかな。綺麗な響きの名前だし」


「あ…………ちょっと待て」


「エル、どうしたの?」


「『氷雪龍エンシェントブリザードドラゴン』ってパーティがあったはずだぞ……」


「「「………………」」」


「……………ナシ、だな……。」




「順番に回ってきて俺か。………めんどくせえなあ……………『昼寝したい』とかどうだ?」


「………冬眠すればいいと思うの」


エルの首回りが薄氷に覆われていった。




「じゃ、一周してリューだね」


「あ、順番になってたんだ?えーっと………………あー………………………い、『犬猫人人』」


「いやふざけんなよ」


「エルには言われたくないんだけど!!」


「まあ、とりあえずちゃんとギルドに登録できそうなもんを考えてくれよ」


「えっと………………………うーん………………………パーティ名………パーティ………………ギルド………ギルド?」


何かを思いついたのか、悩ましげだったリューの表情が弛緩する。


「『マスターピース』ってどう?」


「ん…………マスターピース……まあ、異論はないけど……」


「悪くはない……かな?」


「文句つけるところは特にないと思うが………強いて言うなら少しインパクトに欠けるな……」


「そ、そう?駄目かなあ……ちょっと自信あったんだけど……」


「あ、とりあえず『マスターピース(仮)』にしとく?」


「仮…………それもいいと思う。………後でどうとでもできるから」


「じゃあ『マスターピース(仮)』で登録するか」


「あ、それでいいんだ?リーナの出したのは保留だったと思うんだけど」


「大丈夫、いいのよリュー。あれ正直5回に1回くらい、言うと噛むから」


「えっ!?」


「ほら、3回早口で言ってみてよ」


「え……えっと………ハルマトアでぃっ………っ………!!」


「「「早っ」」」


「う、うるさいなあ…………早口言葉苦手なんだよ……。」


「ま、つーことでパーティ名は『マスターピース(仮)』で決定だな」


「あ、うん。早速エントリーしに行こうか?」


こうして4人はパーティ名を定め、大会への出場を決めたのだった。


おそらく後日(夏ごろ)修正を加えることになると思います。ご了承ください。


8/17 一部修正。現在の日にち及び大会日程等を変更しました。


あ、あと誤字も修正しました。てへぺろ。


9/9 国名を修正。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ