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第9話 同じ屋根の下で
外食から二日が経ち、私と父さんは黒瀬さん母娘の引っ越しの手伝いに来ていた。
「家具は元々置いてあったものだから、持ち運びはしなくていいの。私物の整理だけね」
晴海さんが荷物をまとめながらそう言う。
その言葉に反応したのは父さんだった。
「こっちは片付けも終わってるから、いつでも荷物は運び込めるよ」
「ありがとう、あなた」
「全然大丈夫なので、気にしないでください!」
父さんと晴海さんが会話をしている一方で、凛花は黙々と自分の荷物を車に運んでいた。
「ねぇ……お姉ちゃん」
「なに? 凛花」
「荷物運ぶの、手伝ってもらってもいい?」
「分かった……重いものもあるしね」
そう言って、私たちは私たちで作業を進めることにした。
* * *
七瀬家にて。
「ありがとう。二人のおかげで早く終わったわ!」
晴海さんにお礼を言われる私と父さん。
「気にしないでください!」
「僕たちは家族なんだから、当たり前のことをしたまでですよ」
こうして、半日に及ぶ引っ越し作業は一段落したのだった。




