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一息ついて、走り出す

燃え盛った街の中、神代達は途方に暮れていた。するとサイレンが鳴り響き、エメルが焦りながら「あいつらに関わると面倒だ!」っと扉の中へと押し込まれ、また知らない場所へと飛ばされてしまう。だが、エメルは歓喜しており、その場所には謎の女性も立ち尽くしていた。

 火の粉が紛れた誰もいないこの街で俺達は呆然と立ち尽くし刀を地面に放り投げる。刀は地面を貫き、地獄への門を開くかのように地面にヒビを入れながら消えていった。彼女は強張った笑顔を横目にアリンゲの残骸を眺めていると向こうから無数のサイレンが街の向こうから鳴り響き出す。すると彼女がサイレンの方に顔を振り向き、大慌てで扉を地面から引き抜く。


「神代、急ぐよ!あいつらに関わると面倒だ!」

「あ?」

「とにかく早く!」


 先程の笑顔とは裏腹に気迫のある声を荒げ、俺の体を扉へと押し込む。その姿はまるで満員電車でもう満員なのに押し込んで入ってくる乗客のようであった。エメルに押し込まれ、また変な宇宙空間を彷徨い。向こう側に現れた扉へと向かう。その際に、気になった事があったので一つ彼女に問いを尋ねる。


「この空間はなんだ?」

「この空間はね、次元の狭間っていうんだ。あ、好奇心でもそこから落ちないでね。一生、帰ってこれないから。」


 こいつ何気に物騒な事を言ってきた。一生帰れないという事は、どこにも繋がってないという事なんだろう。繋がってないからだからなんなのだ。と思うが、下手すると死ぬこともないままずっと次元の深海の中を彷徨っていく事になるんだろう。扉の先を開き、向こう側への今度はどこへ飛ばされるのかと思ったが、まるで幻想的な黄金の光と噴水が舞うビル街が広がっていた。周りにはクルーズ船が汽笛を鳴らしながら走らせており、まるで先程の街とは漠然として変わり果てている。するとエメルが喜びながらガッツポーズをし、


「はい、着いたよ!私達の拠点!」

「ただの高いビル。」


 その子供のような稚拙な感想を吐いていると前からブラウン管テレビが飛んできた。


「あら、感想はそれだけ?私のホテルにもう少しお洒落な事でも言えないのかしら?」

「目の前が真っ暗だな。」

「あ、秋姉~!」


 ホテルの前には謎の女性が仁王立ちで腕を組みながらこちらを眺めていたらしく、いかでも待ってましたかのようにブラウン管テレビを投げつけてきたため「なんだこいつ。」と思ったがとりあえず彼女が手を振っている辺り、敵ではなさそうだ。しかしエメルはあの手を振ってる彼女を秋姉と呼んで抱えられながら頭をよしよしとされているが、、、彼女は一体何者なのか?


「誰だ、あんた。」

「ごめんね、自己紹介が遅れたわ。私は憑代 秋音。みんなからは秋姉と呼ばれてるわ。よろしくね、新月。もう一度、チャンスをあげるわ。このホテルどうおも、、、」

「とりあえず飯をよこせ。」

「あら、何台も食らいたいのかしら?」


 お腹がすいたので文脈も無いように答えると、目の前からブランド管テレビが5台、俺の元に等速直線運動で飛んできてブラウン管テレビの底に埋まる。この人、いやこんの女、許さねぇ、、、


「とりあえず血糊が付いたテレビで埋まってるけど、大丈夫よね?」

「てめぇもブラウン管テレビを食らいやがれ。」


 俺は調子に乗って心配もしてなさそうな顔をしている秋音という女にテレビを思いっきりぶん投げる。てか、このテレビ重たすぎるだろ少なくともあのホテルと同程度の重さはあるぞ、、、そのテレビを彼女が投げた速度で投げ返すとなぜか彼女ではなく彼女の後ろにいるエメルにぶつかった。


「おぐはぁ!?」

「避けられたか。」

「随分と乱暴に育った子だね。」


 彼女は先程投げ飛ばしたブラウン管テレビから首をかしげながら顔だけ出て来た。頭隠して尻隠さずではなくして尻隠して頭隠さずか。彼女はヌルっと現れて俺の前に立ち、頭をクシャクシャと動物を愛でるかのように撫で出した。俺は彼女の腕を解いて怒った猫のように彼女を睨み付けた。


「なにすんだ。」

「え、子供っぽいなぁって。つい頭を触りたくなってね。もうそろそろ夜も近いしホテルの裏口に案内するからついてきなさい。」

「意味わかんねぇ、、、」


 何かと掴めない女だな。と感じつつ、彼女についていく事にした。後ろから大声で「え、私の事を一切無視していくんじゃないよ!」とエメルが声を荒げていたがそんなことはどうでもいいことであり、幽霊にはちょうどいいポジションだろう。その後、エメルは浮上しつつ少しこけていたがこちらについて来た。ホテルの裏口に入り、バロック風の内装にある螺旋階段を登っていきエントランスの中へと辿り着く、すると憑代が一つ聞いて指を下唇に付けて聞いて来た。


「新月ってどこ出身?」

「アブノーマル。」


 そういうと彼女は手を叩き、腹を抱えて笑い出した。急になんだこいつ。


「アブノーマル出身かぁ!あそこ、狂ってるでしょ?」

「狂ってるっと言えば狂ってるな。」

「だよね!私もさ、行ったことあるんだけどあそこは酷くて笑っちゃったわ!」


「酷くて笑っちゃった。」だと?あんな狂った街を笑い飛ばせるように見れるとは、、、上の人間はさぞかし俺達の事を動物園の展示物か何かだと感じているのだろうな。鼻息混じりに嫌悪感を露わにして彼女について行くか。


(僕もそう思うよ。)

(!?)


 突然、俺の心を見透かしたかのように脳裏からこの辺りではいるはずもなさそうな男の声が聞こえる。耳に手を当てて周りを見るがやはり誰もいない。気のせいだろうか?


「急にどうしたの?私以外に霊とかいてるのかな?」

「、、、、なんでもない。」

「もうすぐに裏口の廊下に着くよ。その後にお風呂に入りなさい、、、新月、エメル。さっきから血生臭い、、、」

「余計なお世話だ。」

「余計なお世話じゃい!」


 見事にハモった。秋音は俺達に対して鼻をつまみながら背中を振り向き「おげぇ、、、」とした顔でこちらを見る。それに対して、俺達は親でも殺されたのかような顔で彼女に反論を噛まし彼女に獰猛な顔を向ける。すると彼女は、、、


「あら、犬でも遠吠えたかしら?ま、いっか。とりあえず風呂“入・り・な・さ・い?”」

「「はい、、、」」


「おう、もう一度ブラウン管テレビを投げつけられたいか?」とゴミの日に急いでゴミ捨て場に出したのに数分後に鴉に荒らされたことで怒りを覚えたかのような目つきを俺達に向け、悪寒が走りだして何も反論が出来なくなった。秋音に言われた通りに風呂へと通じるエレベーターへと乗った。

 風呂場へと到着するエレベーターが下降する中、エメルがもじもじとしながら周りを見だした。どうしたのだろうか?さっきの声の主でも見えてるのだろうか?


「おい、どうした。トイレか?」

「なんでもない、、、」

「何でもない訳ないだろ。そわそわとしながら外を眺めるなんざ、気味悪いぞ。」

「うるさいなぁ!私はね風呂に誰か居てるかどうか気になるの!」


 幽霊の癖に自分の体を見られることに不安があるとか意味不明なんだが、、、それとも彼女には何かやましい何かがあるんだろうか?俺も体が切り傷だらけではあるから余り見られたくないものだからそんな事もあるか。いささかそわそわしながらエレベーターの中をうろうろされると目障りだな。

 というわけでエメルの顎に一発アッパーを繰り出しておいた。


「あのさ、急に殴る事なんてある!?あったまおかしいんじゃねぇの!」

「じたばたしてるお前が悪い。」

「はぁ!?いやだって、風呂場で他の人に私の裸を見て欲しくないから「大丈夫かな~?」って不安で仕方ないのにさぁ!なにこの仕打ち!?やっぱ頭アブ、、、」

「うるさい。」

「あっそうかい、、、グラビトン、、、」


 エレベーターが開くとエメルが審判のミスで退場になった選手のようにブチ切れ、その声が耳障りだったので「うるさい。」と口を開けると彼女がいきなり下に顔を向けながら人差し指を上に立て、俺は天井へと吹き飛ばされた。


「な、なんだこれ。」

「暫く天井でも張り付いて反省しな。正体バレバレの間抜けな忍のようにね!」


 体が重りに掛かったかのように動けない。「ふぐぐぐ!」と力んでもまるでびくともしない、、、どうなっているんだ?するとざまぁみろと目をガン開きした彼女が笑いながら説明を始めた。


「あぁそうだ。私の能力はね重力を思うように変えることが出来るんだ。例えばこんな風に指を下向きにすると。」

「うわっと。」

「君の重力だけが下に掛かって床と体全身キスする事になるんだよね!」


 彼女は喜びながら指を上下左右に振りだし俺は人形の玩具のように壁へと打ちひしがれる。それはまるで指揮棒を無邪気に振り回す子供のようだった。すると向こうからコツコツと足音が聞こえて来た。


「あれエメルじゃん。なにしてんの?」

「あーラグナ!今ねぇこの“クズ”をね!制裁してるからね~!エレベーター使うならもうちょっと“待ってねぇ”!」

「ふーん、あっそ。通るわ。」


 そういうと金色の髪を靡かせた少女がこちらを通りすがっていき、それと同時にエメルが「死ね!」と重力を向ける。俺の体は彼女の方向へ一直線に向かっていきこのままではぶつかると思ったが、人の者とは思えない腕が彼女の背筋から十二本現れてその内の二本が俺を握り掴む。


「やーっぱしてくると思った。」

「私を馬鹿にしまくったプレゼントだよ。妖怪脊髄腕生やしの飛蝗さん?」

「こんなボーイフレンドは要らないなぁ?両性類の緑蛙ちゃん?」


 目がバチバチとなりあってる中、お互いが笑顔満点の笑顔をお互いに差し向けている。影の暗さは深まる一方ではあるが、てか、、、

「飛蝗と蛙ってどちらも気持ち悪い奴だな。お前ら。」

「「よし、こいつから殺るか。」」


 彼女たちの顔が真顔へと変わり俺を投げ飛ばしては返す、死のキャッチボールを行っていた。俺を投げ飛ばす間隔と速度が段々早くなっていき、最早壁が何処なのか見えなくなっていた。


「あははは!いっちまぇ!」

「ほらほらほらぁ!」

「うわぁ~」


 お互いが白熱しながらやり合っていると金髪の女の後ろから、茶髪の女性がひょこっと現れて心配するかのように止めに入りだした。


「ちょっときっみたち、それ以上暴れると、、、」

「あら、まだ風呂入ってないのかしら?」

「「あ、、、」」


 彼女が持っていた携帯電話から秋音が現れ、彼女たちにブラウン管テレビを投げつけた。お互いに食らった二人は頬に手を当てて痛そうな仕草をする。


「いったいなぁ!このゴリ、、、」

「この怪力ゴリ、、、」

「なんて?」

「「あ、ナンデモアリマセン。」」


 一瞬、怪力ゴリラなんていう言葉聞こえてきたような気がするが気にしないでおこう。彼女達は俺を壁に投げつけてドゴーンという轟音を無視して秋音の前に正座をし出した。


「「すんませんした。」」

「分かればいいのよ。あぁ新月、紹介するね。彼女はラグナロク・アーヴェイン。あなたと同じ死人で能力はその脊髄から生えてる腕よ。私の後ろにいててビクビクしてる彼は秋月猫。何でもかんでも開発できるから彼に頼るといいわ。」

「ふん。」

「よ、よろしく、、、」


 いや紹介するタイミングおかしすぎるだろ。彼ってあいつ男かよ。ていうか、、、


「助けろや。」

「あ、そういや壁に埋まってたね。助けるわ。」


 秋音は大きな瓦礫を片手で跳ね飛ばし俺を片手で掴んで引きずり出し、俺は宙へと浮いた。その様子はまるでピザを回す職人のようであった。あっ、やばい。身体をぐるぐる回されて意識が飛んで、目の前が暗闇になっていく、、、


「「「あ、意識飛んだ。」」」


 秋音以外、俺が意識を消沈したのを確認し、俺はカラーバーのように映像が止まった。


「おーい、神代君?このネタ二回目だから早く目を覚ませよー?」

「これ二番煎じなんだ。」



 ネタやら二番煎じやらうるせぇなぁ。ってなんでこちらを上から眺めてるんだよ。って風呂場、しかも女湯。なんで他の奴も平然に心配そうにこちらを眺めてるんだ。ふつうは悲鳴を上げて逃げていくだろう、、、が、、、え?


「お、女になってる、、、」


 目線を下に向けると俺の肉体は女の体になっていた。彼女達から聞くとこうなった経緯として、、、


 秋姉が俺をカウボーイのロープのように振り回す。

 ↓

 俺、気絶。

 ↓

 なんかわからんが女になった。同時に秋月も気絶。

 ↓

 現在に至る。


 上から二番目までは分かるが三番目からは意味不明じゃねぇか。ていうかなんで俺は全裸のままで床に寝そべられてるんだ。(うっひょーかわい子ちゃんがいっぱいだぁ!)体もまだ血塗れだし、、、(いや、ナイスバディのセクシーな嬢ちゃんも悪くないなぁ、、、)ってか、、、


(おめぇは誰だ!!)

(野郎には興味はないんだよ、どっかいってな。)


 さっきから聞こえていた謎の声がようやくわかった。急に視界が暗転し、黒い空間から目の前で現れたのはエメルと同じ口だというのが分かるが一体誰だ、、、


(興味はないじゃねぇ、お前は誰だと聞いてる。)

(しつこい男は嫌われるぜ?ま、いいかぁ。俺は、、、俺はなぁ、、、誰だっけな?)

(俺に聞くな。)


 こいつなんなのだろうか、急に現れて周りの空間を変更して挙句の果てに「俺は誰だ?」だと?こいつは舐め腐っているのだろうか。目の前にいてる顔が溶けたように顔が歪んでいる怪物が辟易した俺に向けて笑い、耳元にそっと口を移して囁く。


(俺はね、、、神だ。)

(まーた頭狂った奴か。)


 もう結構だ。こいつと会話していると時間を奪われていくと感じてきた。脳内から遮断していっそ声など聞かないふりをするか。俺は風呂場で赤く染まり切った体を洗い流すために桶の前へとむかいにいく、化け物が何かわけのわからない事をいっているが無視だ、無視。戯言に過ぎない。

 神やら、女性が可愛いとか、禁忌の腕輪の中にいるとか、そんな俺にとってどうでもいい情報ばっかり語りかけて、、、って。


「お前、腕輪の怪物かよ!」

(怪物とは失礼だな。神だと言ってるだろ。)

「答えろ!なんで俺は女になってるんだ!」


 俺が声を荒げだすと、周りの女性もひそひそと小話を始める。「やだ、あの子怖い。」やら「あの子なんなの?」とか「きも」やら「迷惑よねぇ!」っと中には大声で聞こえるように皮肉めいてるように言ってくる奴がいたがそんなことなど吹っ切れる事態だ。まずはこいつから解答を得ないと気が済まねぇ。


(弱体化だ。身体に対する負荷が強すぎたからこの腕輪が勝手に鎖で縛った。)

(どうすれ元に戻れる。)

(さぁ、鎖が外れるような感覚に襲われたその時かな。)

(なめやがって。)


 腕輪の怪物は「ふっ、、かっこつけたぜ、、、」とか決め台詞風に言ってきたが、本気で調子乗ってるとしか感じない。しかも腕輪が勝手に鎖で縛ったとは他人事のように語るのがいけ好かないな。眉を顰めつつ怪物を眺めていると、(ん?あぁ、、、)と何か気付いた感じでこちらに話しかけて来た。


(あぁ、かわいこちゃんをたっぷり見せてもらったし教えてしんぜよう!僕はね神は神と言っても畏怖されている神でね。腕輪に封印されてしまったのだよ。だから腕輪を内容は知らないし、僕の能力でしか分からない。ということはだな、女性になった事も僕は知らないから結局は腕輪のせいとしか言いようがないのだよ。わかったかい神代君?)

(分からん。てかその腕輪の作成者、頭狂ってるんじゃねぇのか?)

(それは作成者に聞きな。まぁ、この場合暫くは僕の能力は使えないから24時間寝放題だ!じゃあね!)

(あ、おい待て!話は終わってないぞ!おい!)


 腕輪の怪物は暗闇の向こう側へと消えていき、俺は目を見開くとエメルによって顔面にシャワーの水を浴びせられていた。


「あ、ちょ、、、やめ。目に泡が、、、、」

「起きない君が悪い。よーし、もうちょっと目にシャワーやってみようかぁ!」

「調子に、、、乗るな!」


 俺は調子に乗りまくったこのクソ緑の顔面をビンタする。すると横に重力でもかかったかのように回転しつつ吹き飛んでいった。


「うわーい、オンナノコニナッテモチョウゼツバカヂカラダナーキミハ。」

「誰が馬鹿だ。クソ緑。」

「元気だね、君ら。」


 風呂のタイルにぶつかってなお、目を回しただけでピンピンとしながら笑ってる彼女を見て俺は目をガン開き殺意を見せ、ラグナロクはどこか違う世界を眺めているように途方に暮れていた。すると他の人々から「もう、あんたら出ていけよ!」「迷惑だ。帰れ!」とガヤが上がり、帰れコールまでなりだした。身体を震わせながら(もうこいつらいっそやっちまうか)と拳を思いっきり握らせたが人混みの中で一つ異質な声が聞こえる。


「助けて、、、助けて、、、!」


 人々の生臭いゴミのような声の中にやっぱり誰か助けてという声が聞こえる。声の主から察するに幼い女の声、、、それと同時に、脳内に過去の映像が流れだす。


「助けて、、、」

「魔女が死んだ!悪魔も死んだ!これで俺達は幸福へと導かれる!」

「フフフ、、、ハッーハッハッァ!お前が殺したんだ、子供もそいつの親もなぁ、、、分かったか?お前は誰も救えない。」



 火の中で餓鬼と親が抱き合いながら焼かれていく光景と俺の耳元で顔も見たくないようなジジィの声が木霊し、その声と共に俺は走り出す。

 周りはようやく迷惑な奴もいなくなったと思って普段通りの行動をし出した。


「ちょ、ちょっとどこ行くの!?てか、裸のまま外へ行くなぁ!」

「あら、逃げるなんて意外。てっきり惨殺してここで処刑かと思ったのに。さて部屋に戻るか。」


 群衆を駆け走り抜く俺を見てエメルは急いで後を追い、ラグナは唇に手を付けてつつ、溜息を付きながら風呂場から出ていった。一方、俺は前かがみに走り込む。走ってる途中で何もない空間から黒スーツを纏い、ダッフルコートを羽織って光輝く夜の街に飛び出した。


神代新月は能力を使い過ぎるか又は体が持続維持困難と腕輪が判断した場合、腕輪自身が内部で鎖を縛る。

その影響は体へと反映され弱体化する。

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