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動画の定番

 今日は最初に公開する動画の撮影しに拠点に集まっている。


 今まではリハーサルと言うか企画毎の撮影法とかをシュミレーションしたりしていたので本番は初めてだ。


 今日を皮切りにメイン企画の撮影に入り1週間後視聴者の様子や反応を見ながら撮影の順番を変えたりする予定である。


 基本とする企画は4つ程あって


①運動系


トビーの身体の力を示す。

運動が得意な人を集めてスポーツテストする案もある。


②挑戦系


超人のトビーが〇〇したら?って感じに何でも体験する。

様々なスポーツや料理などにに挑む予定。


③食レポ系


超人は胃袋も超人だ!って事でデカ盛りを食べる。

鍛えているせいか食欲が止まらない。


④趣味系


日本を代表するロボットアニメ『白悪魔ホワイトデビル』ファンのトビーが同じファンと交流する。


映画好きでもあるからレビューもする。


プロレス系の事もする予定。


 今日は簡単な自己紹介と身体能力を見せつけるパフォーマンスをいくつかする予定だ。




★☆★☆★




 本番


 


「皆さんお疲れ様です。

そして、はじめまして『超人』トビーです。


何この覆面マスクのおじさんと思いの方多いと思うので簡単な自己紹介します。


見ての通り私はプロレスファンでして38歳の時…1年前、一念発起してプロレスラーの肉体を手に入れるべく身体を鍛え出しました。


プロレスを学べる所が無かったのでキックボクシングと柔術を学んでいたら驚異的な身体能力を手に入れてしまったんです!


コレならプロレスラーになれるんじゃないかと思いこのちゃんねるを開設しました。


後のリングと言うかこの建物は我社の所有物件でココでの興行やプロレスを教えてくれる方を募集してます。


概要欄に我社『MIXばにー』のホームページを貼っとくので見て頂けると有り難いです。


取り敢えず自己紹介は終わりましたので私の身体能力をお見せして動画を終ろうと思います」


 俺は少しずつ脚を前後に開脚してから前脚に頭をつける。


 そのまま180度に脚を開くと逆立ちし脚を真っ直ぐ伸ばし腕立てを数回してからゆっくりと後方へ脚をつけてから立ち上がる。


 その後その場で数回飛び跳ねたあと側転をしてからバク宙して着地した。


 


「はいオッケーです」


「ちゃんと撮れたか?」


「ワンカットとして上げるなら大丈夫ですけどトビーさんのスゴさを出すならカメラアングル変えて側転からのバク宙取り直したいですね」


「迫力のある映像を視聴者に見せたいから撮り直しはOKだ、他に何かアイデアあるか?」


「挨拶からバク宙まで5分もかかってないので撮れ高が少ないんでサンドバッグを殴るとかボルダリングしている絵も欲しいですね」


「それ入れても10分いかないんじゃないか?」


「そこはパンチやキックの説明とかボルダリングやる時の注意点とか入れれば良いと思いますよ」


「エンキミの意見を採用!バク宙の撮影が終わったら事務所で休憩してから撮影再開しよう」


「トピーさん疲れたんですか?」


「ジジイ扱いするなよ。ボルダリングやるのに健太郎かニーナを補助にしてもらうから呼びに行く休憩はついでだよ」


「普段補助無しでやってますよね?」


「動画にするならそういうとこ説明しとかないと子供が真似してケガするかもしれないだろ?


ってか最初の撮影なのに参加しないとかアイツら何考えてんの?」


「それぞれの仕事があるんじゃないんですか?」


「準備期間山ほどあったのに急ぎの仕事とかありえないだろ」


「それをボクに言われても」


「それもそうだなアイツらにガツンと言っとくか!」




 バク宙の再撮影をしてから事務所に向う。


 エンキミは撮影後トイレトイレと言いながら先に事務所へ。


 エントランスを入ると事務所なのだが誰もいない。


「健太郎、ニーナどこだ?」


「奥の食堂にいます」


 何してるんだ?と思いながら食堂に入る。


「ハッピーバースデートゥユー♫ハッピーバースデートゥユー♪ハッピーバースデーディアトピーさん♬ハッピーバースデートゥユー♪」


「「「トピーさんお誕生日おめでとうございます」」」


 食堂中央に大きなケーキがありロウソクに日が灯っていた。


 動画公開日を俺の39歳の誕生日にしていたから正確には誕生日じゃないのだが3人の気持ちが嬉しく涙が出そうになった。


「ボス一言言ってからロウソクの炎を消して下さい」


「私トビーは誕生日の日に動画デビューします。祝ってくれている3人の仲間と共に面白い動画を作って行くので応援ヨロシクお願いします!」


 一息で炎を消した。


「ドカン」と大きな音と共にケーキが爆発し顔から体までケーキまみれになった。


「バースデードッキリ大成功!」


「ボス誕生日おめでとうございます…プププ」


「イエーイ!」


「イエーイ大成功!」


 数秒前まで感動してたのにイッキに冷めて怒りよりも哀しさでいっぱいになった。


 取り敢えずリアクションしないとと考えながら目に付いたケーキを取ると


「誰?」


 3人とハイタッチしていた見慣れぬオッサンに目を奪われた。


「特殊効果の田中さんですよ。今回のドッキリの為に爆薬からケーキまで用意してくれたんですよ、トビーもお礼を言って!」


「なんでだよ!ドッキリ仕掛られて何で感謝するんだよ!この後撮影あるのにどうしてくれるんだよ!」


「あのトビーさん、このドッキリで撮れ高十分なんで撮影はないです」


 ああ、全員グルだったのね……誰が首謀者かは知らんが復讐しようと心に刻む俺だった。

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