何故お金持ってるて知っているの?
月日は流れちゃんねる開設一週間前になった。
当初の目的通り身長182cm89kgとジュニアヘビー級並の肉体を手に入れた。
プロレスは他のスポーツと比べ細かい階級はなく100kg以下はジュニアヘビー級、それ以上はヘビー級。
習っていたキックボクシングと柔術は「試合に出ないか?」と言われるほど上達。
キックでは有名選手から定期的にスパーリングパートナーにならないかと誘われる程。
ギャラは良かったけど年齢を理由に辞退した。
身体は硬い方だったのに軟体動物と呼べるほどのしなやかさを得た!
原因は良くわからないが個人的に色々なサプリメントをちゃんぽんした結果と考えている。
英会話も字幕なしでも映画を楽しめるレベルに達した(笑)
いつか海外旅行でこの語学力が発揮されることだろう!
賢太郎はあの日の内に退職の意思を伝え数ヶ月の引継ぎを終え最近、円満退社した。
その間も会社の手続きやその他諸々に尽力してくれて頭が下がる思いだが俺に相談せず色々ヤラかしたので感謝の気持ちは半減だ。
ニーナは俺の覆面マスクや衣装製作、会社やちゃんねるのロゴデザインなどそれぞれがちゃんねる開設に向けて着々と準備を進めてくれたがコイツもヤラかしてるので感謝しきれない面もある。
エンキミは撮影や編集に必要な高価な機材が欲しいと言ったぐらいで面倒はなかった。
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俺達はY市の中心部を離れ郊外にある賢太郎が用意した我社『MIXばにー』の拠点となる場所にいた。
社名は俺の名字にちなんだものにしたく最初『うさMIX』にしようとしたら英語表記だとUSAMIXになるので皆から止められコレに落ち着いた。
ちなみに開設するちゃんねる名は『スーパートビーちゃんねる』で『超人』のトビーが色々やるからスーパーでトビーは俺の名前の飛雄とびおから取っている。
この拠点は100✕100mの敷地に60✕40mの倉庫が2棟に35✕15の三階建のビルが建っている。
ココが賢太郎のヤラかしだ。
こんな大きな拠点は動画職人クリエイターには必要無いのだが有り得ない程に俺の成功を疑ってない賢太郎が自分の利益をプラスした結果、俺の許可を得ず勝手に用意したのが拠点ココだ。
土地と建物のは賢太郎の資産家だった祖父から受け継いだもの。
ココに賢太郎の祖父がクルーザーや高級車などのコレクションを置きビルで生活していたそうだ。
クルーザーとかは親や親戚が相続し残ったココを賢太郎が相続したそうだ。
売ればそれなりの金額になると思っていたが国道沿いだが畑の真ん中にある建物は売れずそこそこの税金を払い続けていた。
俺が会社を立ち上げる際に会社に譲渡して拠点にすれば一石二鳥と考えて暴走。
俺の許可も取らず1億円掛けてリホームに拠点お披露目の際に請求書を渡された。
完全にヤラかしてるのでしょ?
高学歴で一流ホテルのコンシェルジュしていたエリートと思えない暴挙だよね?
当然俺は怒ったよ!「一石二鳥なのはお前だけじゃん!」ってね。
そうしたらさ「絶対喜ぶと想ってサプライズしたかったんです」って答えたんだよ。
そりゃ驚いたさ!こんな拠点用意されて設備とかメリットとか説明された最後に1億の請求書渡されたら当たり前でしょ?
拠点で驚いて請求書で叫ばされて一石二叫だよ!!
倉庫の一つはプロレスのリングが置かれ撮影するスタジオにして、俺達が使用してない時はイベントスペースやライブ会場として貸し出して利益を出すと説明あったから1億円出す事にしたけど、コレからは報告、連絡、相談の報連相を確り行えと叱りつけといた。
「市営地下鉄の駅が500m先にあるんですがそれでも利便性に掛けるので隣の土地を買って駐車場にしませんか?
ココを貸し出すときのメリットになりますよ」
叫びそうになるのを堪えて承認した。
報連相しろと言って相談されたんだから怒るのも叫ぶのも違うと思ったからだ、ただ言うタイミングは今じゃないだろ?
「動画以外で稼ぐ手段はあった方が良いからその方向で動いてくれ……何度も言うけど今後は報連相は守ってくれよ」
「はい!」と清々しいほど笑顔で返事をしたけど色々とヤラかすんだろうなと予感がした。
面倒が一つ片付いたと思ったら
「ウッピー、これ頼まれてた覆面マスクと制服ユニホームの請求書」
ニーナにはその手の作業と手配を任せていた。
覆面はトビーのキャラに必要不可欠だし衣装と制服はお揃いのTシャツやジャージを撮影班が着ていた方が良いと考えていた。
Tシャツは将来的にグッズ販売したいから凝ったモノではなく普段使いできるデザインにしてくれと注文していた。
請求書を見ると
「い、一千万円!?何でこんなにするんだよ!」
「まとめた方がをお得だから販売用のも発注したの♫」
「新名さん、それは常識的にあり得ないですよ。一言ボスに確認を取らないと!」
健太郎の言い分は正しいよ、ウンでもね……
「お前が言うな!」
なんでこうなった!