あーいいなー素敵だ?彼は叫んだ!
ちょっと嬉し過ぎる、逆に、恥ずかしくなるほどの、言われ慣れない、彼の言葉!
さらに、(ほんとだー!素敵)と彼の横で、彼の妻であるピアニストの女友達も、遠くから、声を張り上げた。
えーっ?!
木々の間を、少し先に歩いてた私の後ろ姿が、彼の目には、ス、テ、キ に見えたらしい。
どこが?!
そう、彼はカメラマン!
職業柄だろうか、普通はあまり見かけない重そうな大きなレンズの立派なカメラと、他に1台、合わせて少なくとも2台?は持ち歩いてる。
スピードを緩め、彼らが近づくのを待って、カメラレンズを覗いてみた。
なで肩の、丸い背中が、どちらかといえば淋しげに写ってるのみ。
はあー?!
カメラマンとビアニスト夫婦の、芸術的センスには、全くついていけない瞬間だった。
それに、生まれて初めて、芸術的センスで、モデルになった瞬間だった。
やったー?! ほんとに?!
まあいいよね?!