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家出するなら異世界へ 妖怪に愛された私の異世界魔王の喫茶店ライフ  作者: 茶山 紅
家出02 家出して開業しました
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十六話 開店するならお客が来る 豚汁セット後編

 十六話 開店するならお客が来る 豚汁セット後編


「ダイコンですか……。初めて聞いた食べ物ですね。

 珍しい食べ物ですか?」

「いえ。さほど珍しくないですよ」

 そう言ってアカネは実物のダイコンを見せる。

「……根っこ?」

「ニンジンも根っこですよ」

 困惑すればあっさりと言われてユードリッヒは沈黙する。

 根っこだって食べることはあるだろう。

 しかしでかい。

「ずいぶんと巨大ですね」

「あまり出回っていませんね。

 辛みが強いものも多いから人気もないかもしれませんが……。

 生薬というか薬の成分もあるんです。

 とはいえ、薬剤になるほど強力ではない。

 食べて健康が良くなる程度……。

 薬ほどではないのですが……」

「そうなんですか?」

「私の故郷……の隣国ですが……。

 医食同源と言う言葉があります。

 食事をすることは医療行為になるということです。

 食事は時に医術に通じるというやつです」

「なるほど……けれど薬って苦いですよ」

「まあ。良薬口に苦し……薬は良い薬ほど苦いと言いますね。

 だから子供に薬を飲ませるのは大変ですし」

 その言葉にヨハンまでも納得する。

「けれど、食事でならば美味しく食べることもできます。

 もちろん程度がありますね。

 薬に比べると効果が薄い。

 けれど……薬がなくても代用になることもあります」

「そうなんですね」

「ダイコンも野生のものもあります。

 まあ。野生のものだとあまり美味しくないですが……」

 そう苦笑を浮かべるアカネ。

「けれど消化してほしいなら生ダイコンが良いんです。

 煮込むと効果はなくなりますが……味に主張が弱いんでどんな料理ともあいます。

 まあ。疲れていてもきちんと食事を取るのが大切ですね」

「なるほど……」

 遠回しに食事をおろそかにしていることを咎められた気分だが、正論だ。

 そううなずくユードリッヒは帰宅したのだった。


「イショクドウゲンですか……。

 変わった言葉ですね」

 客がいなくなったのをみてヨハンがそう声をかけてきた。

 アカネは肩をすくめて

「まあ。もっと言うならばそうですね。

 胃が悪いなら健康な胃を……。

 心臓が悪いなら健康な心臓を食べろ。

 そういう言葉がありますね。

 もちろん人間のではないですけれど……」

 そう前置きをして言う。

「貧血気味なら蛇の生き血を飲めとかそういう考え方ですね。

 実際に胃もたれをしたらクマの胃を煎じて飲むと良いと聞きますし……。

 まあ。病気にならないように予防する。

 そういう意味合いがありますね。

 病気にならないことが一番ですから……」

「なるほどなぁ」

「そもそも……この世界ではどうかはわかりませんが……。

 食事が原因で病気になることもありますし」

「ほお」

 アカネの言葉にヨハンが驚く。

「どんな病気か?」

「一番、わかりやすいのが……肥満ですね」

「肥満」

「端的に言えば……食べ過ぎによる太った事による体調不良です」

「まあ。わかる」

 ヨハンは思わず納得した。

 確かに平民……それこそ貧しい村人達から見たら肥満の心配は不要だ。

 むしろもっと膨よかになりたいぐらいだろう。

 とはいえ、

「貴族がなる悩みだな。

 まあ。貴族の中でも豊かな連中のみだし……。

 しかも文官などあまり動かないものばかりで……。

 貴族病とか言われているが……」

 そう冷静に言う。

「痩せすぎというか……栄養失調……。

 ろくに食べることも出来ずに体調不良になるのも珍しく無いですが……。

 肥満も病気の原因です。

 糖尿病、高血圧、脂質異常に……。

 まあ。端的に言うと肥満した場合は間違いなく命の危険にさらされます。

 まあ。栄養不足と違って……。

 肥満は食事だけではなくて……運動も大切ですけれどね」

 アカネはそう苦笑を浮かべる。

「……つまり肥満って食事でも解決できるのか?」

「端的に言えばそうですよ」

 ヨハンの言葉にアカネはそう答えた。

 ヨハンが微妙な顔をしたのをアカネは不思議そうに首をかしげたのだった。


「この世界では肥満は貴族病と言われています。

 食事が豊かであるからこそで……痩せるならば食事をしないのが良い。

 そう言われています」

「それ、間違ったダイエット方法……」

 アカネは頭を抱えた。

「異世界では違うんですね」

「違いますよ。

 確かに食事についていろいろとありますが……。

 食べないで痩せるのは違いますよ。

 健康的な食生活は朝、昼、晩と三食しっかりと食べる。

 もちろん食べ過ぎるのはよくないので食事量は気をつけますが……。

 むしろ食べないほうがよいのは間食ですね。

 それにダイエットを進める年齢にもよりますし……。

 それと食べている料理の種類にもあります」

「たべるものの種類」

「端的にいえば油系。

 たとえばうちのお店で出てくるなら唐揚げや天ぷらといった油をふんだんに使う料理。他にもバターや生クリームを使った料理。

 あとはそうですね。肉を使った料理は太りやすいです。

 なので野菜を中心として魚や大豆などを食べるのが大切です。

 まあ。油なども必要なんですけれどね」

「そうなんですね。

 まあ。ボクは太り肉体質なのであまり関係ないのですが……」

「私の故郷のダイエット女子を敵に回す発言」

 思わずうめくアカネ。

 閑話休題。

「それで大根はダイエットにもよいんですか?」

「はい。そもそも大根は料理でかなり役に立ちますよ。

 サラダにも焼き物にも煮物にもできますし鍋にも出来ます。

 まあ。これが主役の料理! というのはできませんが……。

 名脇役とでも言うべきでしょうか?」

 大根をメインにした料理というと地味だが……。

 大根はかなり有能な食材だ。

 焼き魚に添えてもよいしハンバーグやお肉をさっぱりと食べられるようにする。

 鍋にも使えるし煮物にも使える。

 切って干せばそれでも使えるし漬物にも使える。

「とりあえず一部はタクアンにしてみましょうか。

 けれどヨハンさんの反応から見ると大根の主張は抑えめがよいかな。

 そもそも大根は子供受けは悪いからなぁ」

 代表的な子供が嫌いな野菜ではないが……。

 辛みが強い味付けはピーマンよりも癖がある。

 とはいえ、それでも和食で活躍する大根の存在にアカネはご機嫌だった。

 そして、その食材によって一人の客を元気づけてさらにアカネはご機嫌になるのだった。


 大根。

 とある地域にある野草の一種。

 その葉っぱはもちろん、根っこも食べることから農村の非常食として使われていた。

 それが、脚光を浴びることになったのはあることがきっかけだった。

 無論、そのままとして食べれば辛みから、特に幼い子供には不人気だった。

 だが、調理方法次第で自在に化ける上に料理方法は多種多様。

 そういったこともあり、何よりも保存に長けた食材。

 そういったことでとある商会が広め、さらに品種改良を続けた結果……。

 平民の通常食は元より連日の夜会などで胃もたれを起こした王族貴族の食卓に上がることもあったという。

 さらには、長期保存が可能ということもあり非常食などにも使われ……。

 高い評価を上げたという食材となるのだった。

 これによてとある商会が名をはせる事になった



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