溶ける
私にとってあれほど嫌だった(というか怖かった)初体験が終わった。彼は終始優しく「痛かったら絶対言ってね」と言ってくれて、動きもとてもゆっくりとしてくれた。「大好き」ともずっと囁き続けてくれた。初体験が健で良かった。実際は結構痛かったんだけど、ずっと優しく包んでくれたから私は今すごく幸せな気持ちでその痛みを噛み締めてる。幸せの痛み。
「鈴、帰り、ラーメンでも食べて帰ろうか?」
「うんっ」
これからずっと健と一緒に居られる。健の顔をまじまじと見る私。綺麗な顔。睫毛が長くて綺麗。大きくてクリッとした目。全部が可愛くてカッコいい。好き。
「何見てんだよ」
「やめっくすぐらないでっやめっ――」
健はどさくさに紛れて私のおっぱいを触ってきた。痛い。そしてまた下半身の方に手を沿わせていき――
「――今日はもうダメっ!」
「……ごめん」
「謝らなくていいよ……でも今日はもうこの辺にしとこ?」
「……うん」
そう言ってすぐ私たちは流れるようにキスをした。そうすることがとても普通で、当たり前であるように。最初はかなりゆっくりだったんだけど、どんどん彼が激しくなっていって――
【鈴 私、しばらく学校行かなくていいかな? もう疲れちゃった】
美里からのLINEだった。私はそれを読んで一旦スマホを置き、また健とキスをした。とても長くて濃いキスだった。私は彼の熱さで溶けた。