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勝利

 意識が覚醒し、ヘッドリンクを外す。


「お疲れ。進藤」


 隣にいた篠宮がそう言う。


「ああ。かなり疲れた」


 そう言って正面に座ってヘッドリンクを外す対戦者を見る。白石並みに無表情。確か夏帆といったか。さっきから視線を周囲から感じる中、一ノ瀬が駆け寄って「お疲れ」と告げた。


「思った以上の実力ね。さすがわランキング七位」

「どうしてわかった」


 いきなり言い当てられ、驚きつつも低い声で言い返す。


「プレイヤーの名前がshuだったもの」

「まじか……」


 疑ったが自分のミスだったとは。ていうか誰も観戦してなかったのにどうしてわかったのか。そう思って周囲を見ると、大きなスクリーンを見つける。恐らくあれで試合を観戦していたのだろう。それなら納得だ。さっきから気になっていた視線はこれだったようだし。


 そうしていると、対戦相手が立ち上がって俺に近づいてくる。それを見て俺も立ち上がる。


「負けたわ」


 そう言って彼女は俺の目の前に手を出す。


「中野夏帆。よろしく」


 握手か。そう思って俺も手を差し出す。その時、彼女が長袖なのに気づく。このクソ暑いのによく長袖でいれるな。そう思ったその時、その袖からナイフが顔を出す。


「……っ!」


 反射的に俺は手を払い、そのまま警戒態勢に入る。


「凄い反応」


 そう言ってそのナイフを俺に見せびらかす。


「大丈夫。おもちゃだから」


 そう言ってナイフの刃先を押す。すると刃先はどんどん手持ちの中に入っていく。安心し、張り詰めていた空気を吐き、警戒を解く。


「まさか夏帆のそれが避けるなんてね」


 一ノ瀬が笑顔でそういう。それを聞くと俺以外にも試したみたいだ。


「千二百七十四回中六十一回目にミスったわ」


 メモ帳を取り出してそう言いつつ何かを書く。


「なにその数?」

「いたずらの数よ」

「何回やってんだよ。ていうか普通メモるか?」

「普通じゃないの?」

「多分普通じゃない」


 中野のいたずら心が異常なことはよくわかった。


「でもこのいたずら避けられたの初めて」

「そうなのか?」

「うん。進藤の反応速度凄すぎ」


 ストレートに褒められて嬉しい。まあその反応速度もただのゲームのやり過ぎなのだろうが。


『皆さん聞いてください』


 どこからともなく一ノ瀬の声が聞こえてくる。周囲を見ると一ノ瀬が台の上でマイクを持って何かを喋っている。


『今回の合宿は、お恥ずかしながら緑ヶ丘高校の一ノ瀬が司会をさせていただきます』


 周囲から拍手が巻き起こる。どうやらみんな賛成のようだ。


『今の時刻は午後の三時。これからみなさんの交流会を始めたいと思います。この後のスケジュールについては交流会終了後に報告いたしますのでよろしくお願いします。それでは解散』


 拍手とともに、会話が始まる。そして俺はあるピンチに陥った。


(どうやって交流すんの?)

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