合宿
七月二十八日。俺達ネトゲ部は渡辺先生の車で合宿所に向かった。
「おおー」
到着し、車から降りると、大きな豪邸が目の前にあった。
「大きいわね」
「そうだね」
高崎と栗原も豪邸を見上げて言葉を失う。俺達はここで合宿が行われるのだ。
「そんじゃ、後のことは頼むよ篠宮」
「はい。送っていただきありがとうございました」
「まあ顧問だからね。これくらいはしないとな。最終日に迎えに来るから、楽しんでこいよ」
そう言って先生は車を出した。一週間前忙しいだの言っときながらちゃんと送ってくれるのだ。まあ悪い人ではないと今ちゃんと分かった。
そう思っていると先生の車が止まっていた少し手前でワゴン車が止まった。そこから見た事のある制服をきこなした六人の女子生徒が降りて来る。俺達は直ぐにそれが蒼ヶ丘のメンバーだと分かった。
「な、なんで蒼ヶ丘の人達がここに?」
高崎がそう言う。そう言えば先生、合同合宿の事言ってなかったからな。白石にあった俺はその情報を調達済みだが。
「久しぶりね。紅ヶ丘の皆さん」
蒼ヶ丘の部長さん。高坂美波が挨拶に来た。
「先生、合同合宿の事言ってなかったようだな」
流石篠宮、直ぐにそれを見破る。
「久しぶりだな高坂。またお前達と戦えると思うと楽しみだぞ」
部長同士の会話をしている中、高坂の後ろから出て来た白石が俺を見て言った。
「この時を待ってた」
「負けねーよ」
こうしてある程度蒼ヶ丘との会話が終わったところで俺達は豪邸に向かった。大きくて豪華な扉の前に行くと、その扉が開き、一人のメイドが姿を現わす。
「蒼ヶ丘高校のゲーム部と、紅ヶ丘高校の低年齢特化型現代文化研究部の皆様ですね」
(よく覚えたな)
内心感心しつつ、「中へどうぞ」と言われて十人は中に入る。中も凄く豪華でどこかの高級ホテルのロビーみたいだ。
「こんな豪邸用意出来る蒼ヶ丘ってどんな金持ちだよ」
俺がそう言うと意外な言葉が返って来た。
「あら、この豪邸は紅ヶ丘の提供では?」
「へ?」
驚きのあまり変な声が出てしまう。
「ここは西条家の別荘でございます」
俺が疑問を言う前にメイドさんがそう言う。
「西条先輩の別荘なんですか?」
「はい」
栗原が驚きながらそう言う。確かにお嬢様雰囲気出していたけどまさか本当にお嬢様だとは思ってなかった。
「それでは皆様。部屋に荷物を置いた後、多目的ルームにお集まりください。部屋は何処を使っても構いませんが、使用数は限られていますので」
「分かりました」
「それでは、紅ヶ丘の方々は私が案内します。蒼ヶ丘の皆様は後程来るメイドをお待ちください」
俺達はメイドに連れられて部屋へ向かった。




