目線
「凄い……」
遠くで篠宮がそう呟いたのが聞こえた。三人は俺とリサに歩み寄って来る。
「凄い正確な突きね。どうやったらあんな正確に撃てるのかしら?」
「ここまで行くのにすごく練習したのよ」
「やっぱり練習あるのみか……」
高崎がリサの返答に共感している間、何故か篠宮と栗原が冷たい視線を浴びせていた。
「ど、どうした二人とも?」
「こいつ、一体シュウの何?」
「凄い腕ですが、一体シュウ君の何ですか?」
「お、落ち着け二人とも。ちゃんと話すから」
俺はそう言って二人を落ち着かせてから説明を始めた。
「こいつはリサ。ずっとこのゲームで一緒に遊んでたいわゆるネット友達だ」
「半年はゲームしてないけどね」
「仕方ないだろ。色々あったんだがら」
リサが釘を刺して来る。俺はそれに言い訳をすると、三人は「へー」と棒読みの返事を返して来た。
「なんだよ、信用できないってか?」
「そういうわけじゃないんだが……」
「まさか私達よりも先に女と付き合いがあるなんて驚いたのよ」
「どういう意味だよ」
「まあどちらにしろ……」
篠宮がそう言ってすっごくにっこり笑って俺に言った。
「シュウ、後で話がある」
出たよ超絶対零度スマイル。これは現実に戻ったら軍法会議になりそうだ。
何はともあれ三人とも自己紹介をしたところで、リサが低いトーンで切り出した。
「今は、あなた達がシュウと組んでるのね」
「何か不満でもあるの?」
リサの一言に高崎が食いついた。
「いえ。ただ、シュウと組むのには力不足かと」
「何言ってんだリサ」
「私達が弱いと」
今度は篠宮がそう言った。どんどん場の空気が悪くなる。
「あなたがシュウを一番慕っているように見えるけど、その実力じゃ、シュウとは釣り合わないわ」
「なんだと!」
「やめろリサ」
「シュウは黙ってて」
そう言われて口を閉じる。もうここまで来たらどうすることも出来ない。俺は力なく黙る事にした。
「全く、呆れるわ。こんな弱い奴らと組むシュウの目も濁ったわね」
「お前……」
「取り消せ……」
黙るつもりだったが、そのつもりは一瞬でなくなり、いい加減怒鳴ろうと思ったその時、篠宮に遮られた。
「本当のことだろう」
「私の悪口はいい。でも、シュウやみんなの悪口だけは許さない!」
篠宮が叫ぶ。俺はこいつが怒ったところを初めて見た。
「なら、どうする?」
リサの質問、篠宮はもう答えは決まっているようだ。
「今ここで、お前を倒す!」




