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助っ人

「リサ……」


 俺が彼女の名前を呼ぶと、その細い剣で刀を弾いて振り返った。


「立てるか?」


 そう言って手を差し伸べて来る。俺はそれを握って立ち上がる。


「なんでお前がここに?」

「説明は後。まずはこいつを倒さなきゃ」


 そう言って俺とリサを睨む豚を見上げる。


「そうだな」


 どうやらこっからは俺とリサの久し振りの二人パーティーのようだ。


「三人はちょっと休んでてくれ。すぐに終わらせる」


 俺はそう三人に言って剣を構え直す。


「お前と組むのはいつ振りだろうな」

「もう半年は組んでないよ」


 そう言い返されたその時、刀が振り下ろされ、俺達は左右に飛ぶ。


 俺は着地するタイミングでもう既にリサは突っ込んでいた。流石早い。そのまま細剣を構えて突っ込み、片方の刀を抑えた。


(ナイス)


 脳裏でそう呟き、俺も突っ込む。襲って来る逆手の刀をジャンプで回避し、そのまま斬りつける。HPバーを軽く削ったところで着地。すると、刀の先端が俺に迫ってきた。俺はそれを回避しようとするが、その前に一つの影か俺の前に颯爽と現れ、刀の先を突きで相殺する。相変わらずの正確な突きだ。


「ナイス、リサ」


 俺がそう言ったその時、リサの剣が赤い稲妻のエフェクトを纏い始める。そのまま光速にも似た突きが豚の体に突き刺さり、吹き飛ぶ。リサの武器、レイピアのアビリティだ。突きのモーションを作り出すことによって発動されるそれはどの武器の中でも発動しやすい。しかし、それ故に扱いは難しく、狙った所に当てるのは至難の技だ。その上で急所を捉える彼女の剣さばきは素晴らしいものだ。半年会ってないが全く衰えていないようだ。それに、あいつの強さはそこだけじゃない。


「シュウ! 起き上がりの回転に気を付けて」

「わかった!」


 リサの強さ。それは彼女の持つ情報量。そして判断力。彼女は敵の攻撃パターンを全て把握している。そして、それを直ぐに分析して行動を先読み出来る。俺への攻撃を防いだ時も豚侍の攻撃パターンを分析して先読みして防御したに違いない。このゲームのモンスターは攻撃パターンがほぼ自然体で何十通りもある。この事実だけでリサの凄さが分かるはずだ。


 豚が体を回転して起き上がった。リサの予想が当たる。


「今だ!」


 リサの短い合図。リサがそう言ったって事は隙があるということ。それを署名するかの如く豚侍の動きが止まっている。


(チャンス)


 俺は本日最速で走りながらPゲージを溜める。青から黄色へ、そして赤へと変化した時には豚の目の前。俺は軽く跳躍し、奴の大きな腹が目の前まで見えた時、渾身の連続攻撃を加える。いくつものダメージエフェクトを顔に受けながら、俺は着地した。そしてバックステップ。そして俺と入れ替わるようにリサが出た。しかし奴ももう動いている。援護しようと一瞬思ったが、昔のパートナーを信じる事にした。


 動き出した豚侍は水平斬りを放つ。リサはそれを何事もなかったかのようにジャンプして回避。その時にはレイピアに赤い稲妻のエフェクトが宿っていた。


「はあぁぁぁ!」


 渾身の一撃が胸元に突き刺さり、豚のHPバーを削り取った。


 死亡エフェクトと共に優雅に着地した彼女は俺の方に歩み寄って来る。


「あの剣撃、衰えてなかったな」

「お前だって、相変わらずの正確さだな」


 そう言って俺達は半年振りのハイタッチを交わした。

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