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森林対戦

 草木が生い茂る森林ステージ。甲高い金属音と共に茜は高坂と鍔迫り合いを始める。両手剣と片手剣が交錯する中、高坂が口を開いた。


「そっちは連携がうまくできてない様だな」


 そう言われた刹那、背後で殺気を感じる。


「さっきの眼鏡の……」

「神田咲です!」


 そう言って持っている槍を茜の背中向けて放つ。このままではまずい。かと言って現状鍔迫り合いの状態で……。


「はあ!」


 短い気合の声と共に槍を弾いたのは舞だった。


「舞!」

「この人は私に任せてください。」


 そう言って中段に刀を構える。やる気満々の様だ。


「分かった」


 茜はそう言って高坂と対峙する。こいつもなかなかの手練れ。気を抜いたら一瞬で負ける。


 舞には返事をしたが、これはチーム戦だ。祐奈と蒼ヶ丘の一人は一対一を何処かでやっているので、実質二体二だが、こいつらの方が連携が取れているのも事実だ。その裏付けとして茜達三人は蒼ヶ丘の三人よりHPが少ない。理由は開始と同時に三人の連携攻撃に圧倒されたからだ。祐奈が蒼ヶ丘の一人を誘い込んで一対一にしていなければ今頃全滅だっただろう。


(連携って言われても、いつも進藤と四人でやってるし。しかも相手は人間であってモンスターじゃない。どうすれば……)


 一度距離をとって舞と相談しようと思ったが、そんな時間は無いのは分かってるし、今こいつを逃せば今度は二人の連携攻撃にやられる。


(どうすれば……)


 茜はそんな焦りを抱えつつ、後ろの攻防に耳を傾けた。




 槍との戦いは別に初めてでは無い。ただそれは現実の話。今日初めて、栗原舞はこのゲームと言う場で槍使いと戦っていた。


「素晴らしい刀さばきだ」

「あなたの槍さばきも!」


 槍の突き、刀の振り、どちらも全く隙のない攻防で、両者ともダメージを受けてない。しかし、さっきの連携攻撃によって舞の方がHPは少ない。その事で舞は焦っていた。


(だめ、焦らず、落ち着いて)


 そう自分に言い聞かせ、息を短く吐く。


「余裕ですね!」


 そう言って神田は突きを放つ。舞は咄嗟にそれを回避し、持ち手を掴む。そのまま、自分の方に引っ張って神田の体を引き寄せる。


「天草流武術」


 肘を尖らせて近付いて来る相手の溝に向けて放つ。今まで体に馴染ませてきたその武術を、舞は口走りながら放った。


「《受け身肘》!」


 そう叫んだ直後、放った肘と近付いて来る溝が接触。確かなダメージを与える。


「がはっ!」


 クリーンヒット。舞から体が離れたところで、刀を両手で握って下に持って来る。


「天草流剣術」


 そう口走りながら、今度は剣を真下から真上に斬り上げる。


「《昇り竜》!」


 隙だらけだった体に斬り上げの一撃。もちろんクリーンヒットだ。十分なダメージ量だが、ここで止まるつもりはない。浮き上がった体に掌打を放ち、水平斬り。しかし、最後の攻撃は槍にガードされてしまう。


「何ですかその流派?」

「私の家が代々受け継ぐ天草流です」


 そう言って距離を取る。これでHPはこっちが有利。形成逆手だ。そして、一つの疑問を思い浮かべる。


(祐奈ちゃん。どうなっただろう……)

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