打ち合わせ
「いやー今日も楽しかったねー」
時刻は午後十時。《バトル・アリーナ》で何度がモンスターを倒した後、俺達四人はロビーのベンチでくつろいでいた。
「結局ゲームしたな」
「そうですね……」
部活でゲームやってまた夜ゲーム。俺と栗原が愚痴をこぼした。
「いいじゃん、楽しいんだから」
「楽しいけどさ、やる事はやらなきゃいけないだろ」
「やる事?」
高崎にそう返すと、彼女は何の事と言わんばかりに首を傾げた。
「来週からテスト週間だぞ」
「そ、そうだっけ……」
「そうだぞユナ。ゲームばっかりせず、勉強しないと」
篠宮が釘を刺すと、高崎は頭を抱えて震え始めた。
「まずい……最近の授業全くわかんない」
「確かに、今回の範囲は難しそうですね」
「困ったな、俺も勉強しないと」
俺達三人がそんな事を口走っていると、何気なく篠宮が一言呟いた。
「そんなに難しくないだろ。今回の範囲」
俺達周りの空間だけ音がなくなった気がした。
「は?」
「ちょっと待って茜、冗談はやめてよ」
「冗談を言ったつもりはないんだが……」
俺達は気付いた。こいつすげー頭がいいんだと。
「お前、中間の順位何位だった?」
「二位だけど」
(天才だった……)
頭良さそうな感じはしてたがまさか二百人中二位だとは思っても見なかった。
「茜……」
高崎が改まった感じで言った。
「勉強教えて下さい」
「私もいいですか?」
高崎と栗原が篠宮に頼んだ。
「別に構わないが、どこでやるんだ?」
篠宮の核心のつく疑問に二人は黙った。
「確かに、どこでやろう」
「そうですね ……」
三人が頭を抱える中、俺は一つの提案をする。
「うちでやるか?」
「いいのかしん……シュウ」
俺のリアルネームを言いかけてた篠宮。頼むから気を付けてくれ。
「ああ。明香も喜ぶはずだ」
「でも私達、あんたの家がどこか知らないわよ」
「住所送っとくから問題ない」
俺はそう言ってベンチから立ち上がる。
「時間帯はお前らが決めといてくれ。それと……俺にも勉強教えてくれ、茜」
「ああ、わかった」
「それじゃ、今日はお開きって事で」
「そうですね」
その後、俺達はログアウトした。
目を開けると俺の部屋の天井が目に入った。家からログインなんて久し振りで、なんか不思議な感覚だ。
(明日の事、明香に言っとかないとな)
そう思ったその時、瞼が急に重くなっていった。その睡魔に抗えず、俺の意識は途絶えた。




