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攻略

 地面を蹴る。剣を構え、Pゲージを溜めながら突進。剣が黄色く輝いたところで先程と同じ様に攻撃を加える。しかし、先生の両手剣はビクともしない。


「さっきと同じ攻撃じゃないか」

「こっからですよ先生」


 俺はそう呟き、二撃目に入る。それも防がれ、三、四撃目と連続攻撃。


「無駄だ!」


 俺もろとも弾き飛ばされ、今度は先生の攻撃が始まる。俺はそれを全力で回避。途中で何度か攻撃が掠り、HPバーが見える勢いで削れていく。


「さっきまでの威勢はどうした進藤!」


 そう先生が叫んだ刹那、一瞬の隙を突いて剣を振る。その斬撃が先生の体を掠る。今のヒットでHPバーが一割削れた。


「やっぱ先生、耐久力と体力のステ振りしてないですね」

「くっ……」


 先生の一振りをバックジャンプして回避。表情を見る限り図星だった様だ。


「だが、私の攻撃力があれば問題ないさ」

「攻撃は最大の防御ですか」


 確かに一理ある。俺だって前までその考え方を貫いていた。


「でも先生。それには限界がありますよ」

「どうしてそう思う?」

「俺が経験したから」


 一気に間合いを詰める。驚いた先生は両手剣を振った。飛んできた剣を俺は姿勢を低くして回避。そして先生が剣を振り切ったところで俺は連撃を加える。凄まじい勢いでHPバーが削れていく。


「くそっ!」


 先生は苦し紛れの攻撃を放つ。俺はそれを避けずに受ける。体に凄まじい衝撃が走り、血に似た真っ赤なエフェクトが飛び散る。俺のHPバーも急激に減少していく。それと同時に左拳を握る。


(止まってくれ!)


 俺の願いが届いたかの様に、HPバーが赤く染まったところでピタリと止まった。それと同時に俺の左拳が緑色の光に包まれる。カウンターアタック。


「うおぉぉっ!」


 俺の渾身の一撃が先生の腹に直撃する。そのまま後方に飛んで倒れる先生。HPバーが空になる。


 winner!


 勝利を告げる煌びやかな文字が俺の視界中央で表示された。




「まさかあそこまで誘われていたとはな」


 ログアウトした後、先生がそう呟く。


「やはりレベルの高い相手と戦うと課題も増えるな。もう少しステ振り考えるよ」


(この人教師じゃないのか……)


 俺は脳裏でそう突っ込みつつ、返答する。


「そうした方がいいですよ」


 確かにレベルの高い相手と戦うと課題が見つかるのは当たり前だ。俺も最初はそうして強くなったのだから。


 俺はバッグを持って扉に手を掛ける。


「それでは俺は帰ります」

「あ、ちょっと待ってくれ」


 先生は白衣のポケットに手を突っ込むと、何やら取り出して俺に投げた。俺はそれをキャッチする。


「生徒手帳?」


 誰のかと疑問に思い見てみると、名前の欄に篠宮茜と書かれていた。


「篠宮?」

「そうなんだ。頼む、届けてくれないか?」


 まあ生徒手帳には住所も載っているから家までなんとか行けると思うが。


「別にいいですけど。なんでデュエルなんてしたんですか?」

「悪い、忘れてた」

「くっ……はあ」


 何か言い返そうと思ったが、呆れて溜息が出た。


「それじゃ、頼むな」

「わかりました」


 俺はそう言って部室から出た。

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