表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/246

日曜日

「お兄ちゃん、起きて」


 体を揺すられて目を覚ます。朝日が目に入って痛い。体を起こすと、隣には腰に手を当てて立つ明香の姿があった。


「もう九時だよ」

「まじか、結構寝たな」


 昨日の就寝時間は珍しく二十二時だった俺だが、十一時間も寝た理由は恐らく昨日のデュエルのせいだろう。


「朝ご飯出来てるから早く来てね」


 明香はそう言って俺の部屋を後にした。


 俺はそれを見届けた後、普段着に着替えた。


 一階に降り、朝食を取った後、俺はソファーに座ってテレビをつけた。色々な番組が流れる中、一つのニュース項目が目に止まった。


『今大人気のVRゲーム、バトル・アリーナ。発売からもう二年経つというのにまだ全て攻略されていないそうです』

『最初に全て攻略するプレイヤーは一体誰なんでしょうね?』


「そんな簡単な話じゃねーよ」


 ニュースキャスターが淡々と語る中、俺は皮肉を呟いた。


「そうなの?」


 俺の独り言を聞いていたのか、明香が聞いてくる。


「まあな」


 俺はそう短く返すと、次の項目に変わったニュースに目を移した。


 その時、俺のポケットで着信音が鳴った。篠宮かと思って画面を見るが、相手は思わぬ人物だった。


「どうした親父?」

『修也か、久し振りだな。元気してるか?』

「まあな、そっちはどうなんだ」

『俺もまだそっちには帰れそうにないな。母さんはどうしてる?』

「母さんも帰って来てないよ」

『そうか』


 俺の親父は仕事の事情でここ半年帰って来ていない。だから月一くらいで電話を掛けてくるのだ。ちなみに母さんは海外で働いている。両親の仕事については俺も明香も知らない。と言うか教えてもらった事がないのだ。


『お前、また友達とゲームしてるんだって?』

「……」


 いきなりの一言に俺は言葉が出なかった。


「何で知ってるんだ?」

『明香から聞いたんだ』


 そう言われて俺は明香に目を向ける。明香は俺の目を見た途端、ビクついた後目を逸らした。


(お前か)


 俺は内心そう呟き、溜息を吐く。


『まあなんだ。俺は嬉しいよ。またお前が楽しくみんなでゲームやってるのが』


 親父らしかなる発言に驚きつつ、どう答えていいか分からなくなった。


「次会った時には親父より強くなっとくよ」


 結局そんな返答しか出来ず、駄目だなと思ったが、電話越しに笑い声が聞こえて来た。


『ハッハハハ! お前が俺に勝つとか百年はえーよ。じゃあな、明香によろしく』


 ブチっという音と共に電話が切れる。全く、豪快な父親だ。


 俺は一息着いて、明香に一つ報告をする。


「今日も俺部活だから」

「お兄ちゃんが土日に学校行くなんて珍しいね」

「まあな」

「それだけ、部活楽しいんだね」


 明香にそう言われて、俺は迷う事なく返答した。


「ああ」




 一時半。制服に着替えた俺は、靴を履いて扉を開けた。学校まで歩いて十五分の距離にある俺の家はいつも歩きで行っている。もちろん、運動の為だ。


「いってらっしゃい、お兄ちゃん」


 明香の見送りに俺は笑顔で答えた。


「行ってきます」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ