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死神

 大きな部屋だ。その一言で片付く程に。部屋の恥には金貨が置かれており、廊下と比べて明るい部屋だ。だがその雰囲気をぶち壊すかの様に部屋のど真ん中に居座るのは大きな鎌とボロボロの黒いローブをを着た死神。顔は当然ドクロだ。俺達が部屋に入ると同時に頭の上にHPバーが出現し、空のバーに四回色が溜まっていく。その直後、低い声で唸った。


「あれが死神……」


 初めて対峙するやつもいるだろう。ちなみに俺は一度ここでこいつと会っている。その時はただ道に迷って辿り着いただけだったので逃げ帰ったが、今はあの時とは違う。


「俺が先行して鎌を弾く。誰でもいいから追撃を頼む」

「了解」


 誰かが返事をする。しかしそれを振り返って確認している暇はない。なぜならもう既に死神は俺達に近づいて来ているのだから。


 俺は地面を蹴り、Pゲージを溜めながら走る。剣が黄色のライトエフェクトを放った所で死神は鎌を大きく振りかぶった。そして次の瞬間、剣と鎌が衝突する。火花が舞い、大きな衝撃を受け、俺は大きくノックバックした。


「追撃頼む!」

「分かってる」


 鎌を弾かれて仰け反る死神に篠宮と一ノ瀬が攻撃する。ダメージエフェクトが飛び散る中、更に高坂が追い打ちをかけた。その時、死神の目が高坂に向いた。高坂がタゲを取った。


 体制を戻し、もう一度地面を蹴り、Pゲージを溜める。黄色い残像を描きながら高坂に襲い掛かる鎌を弾き飛ばす。


 死神がまた仰け反る。その時、紅の稲妻のエフェクトを纏った大剣が奴の腹を抉った。白石だ。大きくHPバーを削る。


 そこからは単純だった。俺が鎌を弾き、仰け反った死神を他のみんなが攻撃する。HPはどんどん削れ、遂にラスト一本まで辿り着く。


「グオォォォッ!」


 死神が雄叫びを放つ。その瞬間、鎌にどす黒いオーラを纏った。そして無造作に鎌を振るう。するとそのどす黒い色をした孤が飛来して来る。


「しまった!」


 攻撃を全て防いできたが、流石にあれは防ぎきれない。狙いはダメージを受けて回復をしている白石。あの一撃をもろに食らったら死ぬ確率は極めて高い。終わった。そう思ったその時、颯爽と篠宮が現れ、赤いライトエフェクトを纏ったと剣で弧を受け止め、消滅させる。なんとか防いだが、篠宮のHPも減っている。


「次来るわよ!」


 一ノ瀬が叫ぶ。その時には死神が大きく鎌を振りかぶっていた。狙いは当然白石と篠宮。流石に二度目は防げそうにない。そう思った直後、俺は地面を蹴る。しかしそれより先に鎌を振り下ろした。


(間に合わない!)


 そう思ったその時、死神の鎌がピタリと止まった。何が起きたかさっぱりわからない。しかし一ノ瀬は何があったのか分かっている様だ。


「ナイス、中野」

「こんなの朝飯前」


 一ノ瀬に答えたのは中野だった。戦闘が始まった時から姿が見えなかったが、その彼女が何をしたというのか。俺はもう一度鎌を見る。そこに細く光が反射した。何かと思って目を凝らすと、そこにあったのは極細の糸だった。


「中野はトラップ作りのプロなのよ」


 一ノ瀬はそう言って部員の自慢をする。そしてなるほどと理解する。あの糸はトラップだったのだ。


「本当は動きを止めたかったけど」

「十分」


 中野の皮肉に短く答えたのは白石だった。HPはかなり回復している。そして彼女の大剣は紅の稲妻のエフェクトを纏っていた。武器を動かせない死神の腹めがけて四発の斬撃を打ち込む。今のでかなりのHPが削れた。しかしそれと同時に糸が切れ、奴が自由になる。その瞬間、殺意に満ちた目が白石を睨みつける。白石がタゲを取った。あれだけのダメージを与えたのだ。当然といえば当然だろう。


(今度は俺の番だ……)


 地面を蹴ってPゲージを溜めながら走る。剣が赤いライトエフェクトを放ち、死神が白石に振り下ろした鎌を弾き飛ばす。


「はあぁぁっ!」


 仰け反った奴の体に連続攻撃を叩き込む。大きくノックバックした死神は、直ぐに俺に向かって突っ込んで、大きく鎌を振り上げる。俺はそれを回避し、隙を見て突きを放つ。ダメージエフェクトが散る中、死神のHPバーは残り一割まで削った。後もう少し。そう思ったその時、黄色いライトエフェクトを纏ったと剣を持つ篠宮と一ノ瀬が飛び出し、死神の腹部にバツ印を刻む。その瞬間、死神のHPバーがゼロに達し、爆散した。


「勝ったぁ」


 貼り続けていた気を解き、地面に座り込む。なかなかの強敵だった。誰も死んでいないのが不思議なくらいだ。


 みんなが一息ついていると、部屋の奥で扉が開いた。


「あそこが、宝物庫……」


 誰かがそう呟く。


「いくか」


 俺はそう言って立ち上がる。


「ちょ……もうちょっと休憩してもいいでしょ」

「ならそこで待っていてくれ」


 高坂が文句を言うので俺はそう言って歩き出す。


「待って進藤」


 篠宮が俺を追って来る。それに一ノ瀬と中野も続く。


「行くぞ高坂」

「はあ、分かったわよ」


 どうやら高坂も来るらしい。結局全員で宝物庫に足を踏み入れた。

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