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狼牙は街の中に入るとまず冒険者ギルドと呼ばれる場所を目指した。

街を歩く人々に道を聞きながら冒険者ギルドを目指す。

みなさん疑問に思うだろうが、狼牙には言葉を自由に通じさせることができる能力『全言語理解オールコミュニティ』がある。

この能力によって言葉を通じさせているのだ。

そして訪れた一軒の酒場のような場所。


「ここが冒険者ギルドか………」


テンプレのような酒場に、筋骨隆々な男たちや、アダルティな格好をしたお姉さんたちが今日の成果を語り合っている。

狼牙はそんな喧噪の中を無表情で歩く。

当然見たことのない若者が歩けば嫌でも目に付く。

狼牙は無遠慮な視線に晒されながら、カウンターに立つ受付嬢のもとへと歩を進める。

ここもまたテンプレのように美人揃いだ。


「?初めて見る顔ですがクエストの依頼ですか?ならこちらの用紙に必要自己王を記入してから持ってきてください」

「いや、冒険者登録をしにきた。ついでに狩った獲物の素材を売却したい」


狼牙の格好は学校ーーーそれも高校の制服のブレザーだ。当然そんな身なりのいいものを着ている人が冒険者のように荒くれ物の集まりに登録するはずもなく、受付嬢の女の子が間違えるのも無理はない。


「しっ失礼しました!こちらの紙に名前と年齢、得意な戦闘方法を記入してください!」

「気にしていないから大丈夫だ。それよりも俺は字がわからない。できれば代筆を頼みたいんだが」

「かしこまりました!」

慌てる受付嬢に必要事項を言いながら、狼牙は考える。


ーーー甘すぎるだろ。こんなんで身分証になるとか………。


冒険者ギルドとは数多の数の依頼クエストをこなす猛者の集まる場所だ。

冒険者にとって必要事項とは名前、年齢、戦闘方法この三つがあれば問題ない。

つまりだ。

平和すぎる日本のように、完全な身分証など必要ないのだ。

第一住所など書いたところで、冒険者は護衛などで街を移動することもあるのだから、そもそも意味はないし。いろいろと危険な境遇に落ちいるというのに、わざわざ自らの寝床の場所を教える酔狂な者は一人もいないだろう。


「はい!こちらに魔力を込めるか、血を一滴垂らしてください。それで登録完了です!」


そういって渡されたのは、丸い水晶と一本の針だった。

当然、狼牙は魔力なんてものは知らないので、血を垂らす。


「こちらが冒険者カードです!なくさないようにしてくださいね?再発行には金貨50枚いただきますので」

「わかった。じゃあ、この変な牙を買い取ってくれ」

「かしこまりました!それでは調べさせて………えええぇぇぇっ!?」


受付嬢の大きな声に、周りでがやがやと騒がしかった冒険者たちの視線が集中する

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