いよいよ町の中に入るそうですよ?
超お久しぶりです!www
時間があるので投稿しました!
まだ忘れていなかった人、ごめんなさい!
これから思いつき次第、投稿いたします。
『模倣 飛翔』で飛翔する狼牙の目の前に、ようやく町の姿が見えてきた。
「やっとか………城壁……だと?」
街を囲うように建設されている城壁を目にして、驚愕に目を見開く。
ーーーあんなもん何に………もしかしてさっきの?
狼牙が倒した『ハウンドパンサー』。
あんなものがもしも日本の市街に襲ってきたら、たちまち大パニックだ。
そうなると、あの城壁はあの狼たちなどから身を守るために建てられたものなのだろう。
だが、それよりももっと目を引くものが、狼牙の目に映った。
「ビルとか一つもないな……家が古い?」
そうーーー一般的に西洋風と表現されるような家がそこらかしこに建ち並ぶ街並み。
一部の人が見ればこう言うだろう。
西洋風ーーー異世界来たあああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!
近くの森に降り立ち、狼牙は進む。
すると、上空から見るよりも遥かに高い、城壁が見えてきた。
門の前で検査されるのだろう。門の前にはたくさんの人が行列を作っていた。
「いや~、長い行列ですがあなたは冒険者さんですかな?」
狼牙が腕を組んで行列の先頭を眺めていると、前に並んでいる行商人風の男が声をかけてきた。
年代的には30~40代に差し掛かっている風貌をしていた。顔にはあえて生やしているだろうひげを蓄え、大きな荷馬車を引いている。
「いや、俺は冒険者じゃなく旅人だな。ここには観光に来た感じだ」
狼牙は当たり障りのなさそうな答えを行商人風の男に言う。
ーーーしかし冒険者か……いかにも異世界って感じだな。
「おぉ!お若いのに腕に自信があるのですな!このご時世に一人旅とはっ!それならば冒険者になるのが一番ですがここでなられてはいかがですか?」
「……それなりにな。まあ、一応考えておく……。そうだ、よかったらここで素材の買取をしてくれそうな場所はないか?来るときにそこそこな獲物を狩ったもので、売りたいんだ」
「それこそ冒険者ギルドが一番ですぞっ!あそこなら身分関係なく素材を買い取ってくれるので」
「ありがとう。なら、冒険者ギルドに行ってみるとするよ」
狼牙は呆れた笑みを浮かべて男に思う。
ーーーやけに冒険者勧めてくるな………。
そう、この男先ほどから冒険者をかなり勧めてくるのだ。
こんなに勧められると、何か裏があるのではと勘ぐってしまう。
「冒険者はいいですぞ!なんせ我が商会でも、各宿屋、そして武器屋などで割引もしくはサービスがよくなるなど特典がいっぱいです!ぜひいかがですかな?」
我が商会。
つまりこの男は、自分の店をそれも複数持っていることになる。
「そこまで言うならなってみるのもいいかもしれないな」
狼牙は肯定の意思を示すよう一つ頷く。
するとやっと順番が来たのか、
「身分証の掲示、もしくは通行料の銀貨三枚を渡してくれ」
狼牙の頬に冷や汗が流れる。
ーーー通貨なんてもってねえぞ。
「わたしはバルバロン商会のバロンと申します。この方は私の雇っている用心棒ですので、通っても構わないでしょうか?」
「っ!?これは失礼しましたっ!どうぞお通りくださいっ!」
どうやら先ほどまで話していた男は相当大きな商会のトップらしい。
門番は驚愕に目を見開き、腰を折って門の先を示す。
「…………あんた………借りが一つできたな」
「いえいえ、もし冒険者になられたら、私の商会でお買い物して頂けるだけで結構ですよ。あなたは上のほうまで上がりそうですからね」
目を光らせながら言うバロンに狼牙は
「あぁ、冒険者にでもなったら、あんたの依頼は一回格安で引き受けるよ」
苦笑いで答えるのだった。
ご都合主義満載(笑)