狼牙の能力と、狩り
戦闘描写?が稚拙すぎてワロス……。
少し書いていないだけで、これほど質が落ちるのか……!?
あ、主人公の能力……チート過ぎた……
「ん~………?どこだここ?」
狼牙が落ちてきた場所。それはーーー視界全体に広がる広大な草原のーーー上空だった。
「は?………っておわあぁぁぁぁぁあああ!?」
遙か上空から落ちていく狼牙の身体。
それを狼牙は必死に減速させようと、手足を無茶苦茶に動かす。
「なんで上空!?てか、草原っておかしいだろ!?」
悲しいかな。それに答えてくれる人間は今、この場には居ない。
「って!?マジでヤベェ!!『固定』!」
狼牙は咄嗟に自分の足下へ力を凝縮させる。
するとどうだろうか。
どこから出てきたのか、剣が一振り現れる。
それが狼牙の足場となって空中に固定されている。
理解不能な出来事だが、狼牙にとっては日常茶飯事だ。
「ふぅ~………危なかったぜ」
一息吐く狼牙だが、忘れてはならない。未だ彼は上空にいるのだから。
「さて……どうするかな?」
狼牙は一人手を頭に当てて考える。
普通に飛んで降りられない事もないのだが、それはそれで奇怪な出来事と認
識されでもしたら、堪った物ではない。
事実、狼牙は現代日本でそれをやった事で、一時期有名人になったのだから。
顔はギリギリ見られずに済んだのだが、空を飛ぶ人間!?という一面で新聞を飾ったのは、記憶に新しい。
狼牙は、そんな出来事になったらごめんだ!と自重しているのだ。
「よし!これでいこう!!『座標固定ーーー転移』!」
一瞬のうちに、狼牙の姿は上空から消え去った。
「お、無事に降りられたな」
狼牙はいつの間にか、先ほど眼下に据えていた草原のまっただ中に立っていた。
何故?と疑問に思うだろうが、彼がやった事は至って単純。
只、転移しただけだ。
まぁ、転移でいきなり現れても、それはそれで有名人になるのだが、今回は狼牙の視界に人間の姿が無かったため、転移を行ったのだ。
そうーーー『人間』はだ。
「グルルルルルルル……!」
低く唸るような鳴き声。
それが狼牙の真後ろから聞こえてくる。
それに対して、狼牙はごくごく普通に振り向き、
「うおっ!?何この生き物!?うわ……日本じゃ見た事ないぞ?」
一瞬驚くが、後々興味津々に観察していく。
そして………、
「うん。こいつ……地球の生き物じゃねぇや。ってことは……え?ここ異世界?いや~それは無い……」
狼牙の声が途中で切れる。
それは何故か?
「グラァァアアアアアアッ!!」
まるで豹のような真っ黒な生き物が、狼牙に飛び掛かったからだ。
それに対して狼牙は、
「『模倣 デュランダル』」
一振りの細身の西洋剣をまたまたどこからか取り出し、一閃。
だが、獣は以前飛び掛かってきている。
目に生気を宿し、狼牙を喰らわんと迫ってきているのだ。
だが、狼牙はそれを横に軽く避け、
「お前、死んでるよ?」
ヒュンッと剣を持つ腕が霞む速度で振り切る。
するとどうだろうか?
一陣の風が辺り一面に巻き起こり、狼牙に飛び掛かった獣が細切れになって散らばっていった。
「やっぱり『デュランダル』は切れ味半端ないな……死んだ事にすら気づきやしない……」
『デュランダル』ーーーそれは英雄ローランが持っていたとされる聖剣。
その剣に勝る切れ味を持つ剣は無いと言わしめる程の切れ味を誇っている。
それを狼牙は………『模倣』した。
これは、狼牙の超能力の一つ。
あらゆる伝説上の武器を、語られる逸話の元に精製。現出する能力である。
さらに、その能力は本物にほぼ近い程の性能を誇る、というのだから困った物だ。
ちなみに、狼牙の斬った獣ーーー通称『ハウンドパンサー』。
通常Bランク相当の冒険者と呼ばれる強者が数人で狩る獲物である。
その強靱な爪は岩をも斬り裂き、その牙は鉄をも砕き、その身体に生える体毛は鉄製の武具を一切通さず、その強靱な四肢を使ったスピードは馬よりも速い。
姿形は黒色の体毛をした豹のような獣である。
だが、体躯は豹の五倍程。
それを狼牙はーーー一人で、それもあっさりと切り伏せたのだ。
「さて、こいつの牙とか売れるかな?まぁ、売れたら良いかな?ぐらいの気持ちで持っとくか!」
狼牙は少し、生き生きとした様子で『ハウンドパンサー』の牙を採取しにいくのだった。