穴に落ちた………え?
新作です。ふとした思いつきの作品です。
更新もあまりできていないのに新作って……やっちまったよ……
清廉な空気の流れる、眩しい太陽が燦々と輝く朝。
一人の青年は、未だ夢の中を彷徨っていた。
「う~ん………さすがにもう食えないって……ムニャムニャ……」
涎を口の端から垂らして爆睡している男ーーー『朝風 狼牙』。
今は子供のような無邪気な顔で寝ているが、起きている頃の彼ははっきり言って、あまり好かれるような容姿をしていない。
黒髪に金のメッシュが所々に入っている短めの髪。少し吊り上がっている蒼色の瞳。スッと高い位置にある鼻。小さめの口。
全体的に顔は整っているが、不良に見られる事は多い……。
それは、狼牙の性格故に、無口で言葉が足りない事が多々あるからだ。
背は182センチと平均よりも高めで、がっしりとまではいかないが、少し筋肉質な感じ。いや、細身なままだから、細マッチョか?
ちなみに彼の髪の毛は地毛だ。
母がハーフで、父が日本人。つまり彼はクォーターだ。
本人としては髪の毛に不満は持っていない。いや、今更どうこうするつもりはない、と言うのが正しいか。
「ん?ん~………?」
狼牙は規則正しかった寝息をやめ、起きあがる。
未だ寝ぼけている彼の頭は正常ではない。
故にーーー下に床と言う名の足場が無くても気付く事はない。
「え?え……おわぁぁあああああああああああああ!?」
狼牙はそのまま、どこに繋がって居るとも知れぬ穴に放り込まれていった。