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赤いカンナに見守られて  作者: 青木 章
8/9

出会い 7

いつから好きになったのか。


はっきりと覚えているのは、たまたま休み時間に廊下ですれ違った時だ。

向こうから彼女と友達が、楽しそうに話しながら歩いて来ていて、すれ違いざまに見た笑顔に一瞬で心奪われた。

視線が外せなくなり、振り向きながらも見つめていた。

足が止まっている事にも気が付かず、横にいた慎吾に肘打ちを喰らわなければ、ずっとその場に首を後ろに曲げた間抜けな格好で、立ち止まったままだっただろう。


「なに見てんだ?」

「いや、別に」

不思議そうに慎吾が聞いてきたが、目だけは彼女の後ろ姿から外せなかった。

「あの2人を見てんのか?二組の赤木と高藤じゃん」

「あー、知ってる。う、うん。ちょっと知ってる。あ、でも知らないかも」

慎吾の質問に、水月の辺りがギュッと萎む感覚に動揺して、自分でも意味不明な答え方をしていた。

「はあ?」

「いや、何でもない。ただ知り合いに似てたから」

「はあ?知り合いたって、あの2人は小学校から一緒だろ。俺が六年の時、一緒のクラスだったよ」

「そっか。俺は別だったから。うん。別だった。絶対。」

「絶対?意味わかんねー」

慎吾が眉間に皺を寄せて苦笑いした。


真知子の後ろ姿が消えた途端、身体の力が抜け、熱いため息が漏れた。

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