表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

祈りの花


狭い物置小屋に閉じ込められて、どれくらい経ったんだろう。

風通しの隙間からかろうじて洩れていた光も消えて、あたしは暗闇のなかにいた。

呼吸する音だけが響く。


路地を行く足音や、バイクのエンジン音もしたけど、それもたまにしか聞こえてはこない。


よくある話。


新しいパパはあたしが嫌い。

ふた月まえに弟が産まれてから、優しかったパパの目が冷たいものになった。

ママも気づいているはずなのに、庇ってくれることはない。


些細なことで、あたしはここに閉じ込められる。

例えばお茶碗の置き方が悪いとか、足音がうるさいとか、そんなことだ。


ひと言でも反論しようものなら、ひどく叩かれてしまう。


よくある話。


あたしは黙って扉が開くのを待つしかない。

最近はここで夜を明かすことが多くなってきた。


中から鍵を開けられたらいいのに。

ため息がでた。


まだ座ることができるだけましかな。

このまえは立ちっぱなしで、足がひどく痺れて大変だった。


スペースを確保するために少し片付けておいて良かった。

懐中電灯も隠してあるけど、怖くて点けることができない。

見つかったらどんな罰を受けるかわからないし、下手をすれば、ひどく殴られるかもしれないから。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ