警告
「ほほう、これは・・・」
タマちゃんのナビに従い、私達は連絡通路と見られる場所へと着いたのだが・・・。
風景がない!!
通路の両サイドは一面ガラス的なもので覆われており、そこから外の景色が見えるであろう場所には虚空が広がっていた・・・。
いやもしかしたら、このガラスに見える窓はモニター画面で、一面にこのオーロラチックな映像が映し出されているのかもしれん!
こうか?こうか?
「ピ?」
高さや角度を変えてみたりしながら、外を覗き込んでみるが・・・。
映像ではないな・・・。
・・・・私は一体どこにいるんだ?
だが決めた!
もう私は動揺しない!
ここまでくれば何でもありだ。
「いくぞ、タマちゃん!」
「ピー♪」
「・・・って、どこへ?」
忘れていた、私はタマちゃんのナビ無しでは動けない迷子であった。
道どころか、人生すら見失っている気もするが
気にするな、気のせいだ。
「タマちゃん・・・」
「ピ?」
「ここは研究所といっていたな?」
「ピピッ」
「ここで何を研究しているか、分かりやすく知ることのできる場所はないのか?」
って、そんな都合のいいものはないか・・・
「ピピー♪」
「あるのか!?」
「ピピッ」
最初からタマちゃんに聞いてみればよかった・・・。
「意味のないこと、まだ続けるの?」
突然どこからともなく女の子の声と笑い声が聞こえる。
誰だ!?
だが声はすれど姿は見えず・・・
「もう答えはあるのに、まだ見えないフリをするの?」
「どこだ!?私に言っているのか?」
いったい何なんだ、本当に私に向かって話しかけているのか?
私に言っているんじゃないのに反応したら、ただの恥ずかしい人になってしまうぞ!
「他に誰がいるの?」
どうやら私に話しかけているらしい・・・。
「目を開けば、答えはそこにあるのに閉じたまま・・・。それは見えないんじゃなくて、見ていないだけ、見ようとしていないだけ。認めたくない真実を、解らないという言葉で包んで現実を歪め、甘い逃避に身をゆだねる・・・。つまらないね」
なぜか知らんが、見知らぬ小娘にぼろかすに言われるオッサン36歳(推定)
ぐぎぎぎ・・・、私を見るなタマちゃん。
私は別に泣いてなどいない!
泣いてなど・・・!
・・・ドンマイ!
「まあ別にいいけど、あまり時間はないよ」
「・・・どういう意味だ?」
「君が目覚めた意味を考えてみたら?じゃあね・・・」
「・・・さっぱり解らん」
おいおい、ちょっと待て!
いったいどういう意味だ?
見てないフリ?解らないフリ?
侮ってもらうのも困るが、買いかぶりすぎも困る!
願わくばセンターで頼むというものだ・・・。
こちらから語りかけても、声の主からの反応はもう無い。
言いたい事を、言うだけ言ってトンズラとは・・・、
敵ながら気持ちのいいくらいにアッパレな奴だ!
「さて、どうしたものか・・・」
「ピー・・・」
時間はいくらでもあるのかと思っていたが、どうもそうではないらしい・・・。
「急いでみるか、その第7セクションとやらに・・・」
「ピピー」
一体何があるというのか知らんが、そこまで言うのなら行ってやろうじゃないか!
「タマちゃん、第7セクションへ最短距離で案内を頼む」
「ピピッ!」
そして私達は足早にその場を立ち去るのだった・・・
(逃げているのではないと言っておこう)




