表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/3

偽の賢者は本物の賢者かもしれない。

これはこの物語の最新エピソードです。皆さんに楽しんでいただければ幸いです。

イセカイズムの大集会の日。


カイトと三人の少女――アリア、ミカサ、ソフィア――は、人々の波に押されながら会場に足を踏み入れた。


白い衣をまとった信者たち。整然と並ぶ椅子。まるで古典的な宗教の儀式のような厳かな空気が漂う。


壇上には、中村木・無刀ナカムラギ・ムトが立っていた。


「皆さん、ようこそ。」


その声には、落ち着きと力が同時に宿っていた。会場中の視線が一斉に彼に向けられる。


ムトはゆっくりと語り始めた。


「ある夜、全能なる神――擬人化されたミアキス、ゼンタイによって、我々は啓示を受けた。」


その目は遠くを見据え、信者たちは息を潜めた。


「教えは一つ。無垢な人々に幸福を与える者は、素晴らしい異世界に転生する。


だが、無垢な人々に苦しみをもたらす者は、言葉では表せぬ恐ろしい運命を辿るのだ。」


会場には静かな感動が広がった。拍手。祈るような視線。


集会が終わると、ムトは控室へ向かった。


「イセカイズムの真理を知りたい者は、控室へ来るがよい。全ての疑問に答えよう。」


カイトたちは密かに控室へ歩みを進める。


途中、ムトの声が漏れ聞こえた。


「……今日の収益は?」


窓越しに覗くと、ムトは助手と共に、イベントで集めた札束を数えていた。


助手が尋ねる。


「一体、どこからこの宗教の着想を?」


ムトは微笑んだ。


「すべては、ある夜の奇妙な夢の中で見たのだ。」


カイトたちは息を殺し、その会話を聞き続けた。


やがて、助手は去り、彼らを認識することはなかった。


控室の扉に手をかける。ムトの声が中から響く。


「どうぞ。」


中に入ったカイトたちは、ムトの姿を目にして確信した。


――この男は、ただの詐欺師。信者から金を巻き上げるだけの存在だ。


だが、その瞬間、異変が起きた。


ムトの体に、毛が生え始める。腕、胸、背中……全身を覆う毛。


一瞬のうちに、彼の姿は人型ミアキス――ゼンタイへと変貌した。


神々しい輝きを放つ存在が、目の前に立つ。


「我が名はゼンタイ。」


その声は、地上の言葉を超え、魂に直接響くかのようだった。


カイト、アリア、ミカサ、ソフィア――四人は息を呑む。


詐欺師だと疑っていた確信は、目の前の存在によって完全に覆された。


――歯車の狂いは、さらに深く、世界の中で静かに、しかし確かに響き始めた。

このエピソードを楽しんでいただければ幸いです。次のエピソードはすぐにアップロードします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ