第9話 現在の俺の印象は“無能”らしい
岡森八幡宮は岡森駅から東にある街の中に佇む神社だ。
300年もの歴史があり、結婚式場として扱われたりするなど街に愛されている。
まさか、境内に入る理由がお参りではなくダンジョンに入るためとは神様への冒涜行為に当たらないかと少々不安になる。
宿泊していたホテルをチェックアウトし、八幡通りと呼ばれる道を真っ直ぐ歩けば目的地の岡森八幡宮の目印である赤い大鳥居が見えてきた。
驚いたことに大鳥居の前には沢山の人だかりが出来ていた。
大きなカメラを持ったテレビの報道陣の他に、まるで韓流スターやらのライブにでも来たかの様な大きなうちわを持って待機しているオタク達もいる。
そういえば、葛嶋と美香の他に有名インフルエンサーとやらが来るみたいだがあまり興味がなかった。
どうせ、こんな地方でしか活躍できないなんちゃって三流インフルエンサーとかだろう。
俺は入り口の群衆をかき分けて境内へと入っていく。
真っ直ぐ進んでいくと光に照らされ艶々とした赤色の本殿が見え、そこには3人程の男女がいた。
背中に背負った武器の数々……恐らく今回一緒にダンジョンに潜るだろう探索者達だろう。
周囲を見渡すが葛嶋と美香の姿はない。
「あの、すいません! 今回参加される探索者の方ですか?」
鋭い目つきで周囲を見渡した俺に突然横から声をかけられた。
「ああ……はいそうです」
俺は釣り上がった目を戻しながら答える。
声をかけて来たのは分厚い金属鎧を着た見るからに盾職のおっさんだった。
後ろには軽装のショートヘアと大きな杖を背負ったロングヘアの女性が立っている。
「私達は葛嶋さん率いるギルド“アスモディ”に所属している探索者だ。俺の名前は鈴木俊介、職業は戦士をしている。後ろにいるのは仕事仲間の東雲姉妹だ。妹の方は盗賊、姉は魔術師だ」
「……ふん」
「初めまして〜〜♪ 私は東雲妃兎絵です♪ こっちは妹の二多恵ちゃんでーーす! こーーら二多恵、ちゃんと挨拶しなきゃダメよ?」
「……」
妹の二多恵に一瞥された後、無視されてしまった。
前までの俺だったらここでへこたれているが、女に嫌われることくらい慣れてしまっているのでもはやどうでも良い。
「初めまして、俺は小川圭太と言います。皆さんの迷惑にならない様に頑張りますのでよろしくお願いします」
「小川圭太? まさか、君が小川圭太君か!?」
「えっ!? 嘘!?」
「……」
鈴木達はは俺の名前を聞いた瞬間に驚いた表情を見せた。
「そうですが何か?」
鈴木は周囲を確認した後、俺に耳打ちをしてきた。
「葛嶋さんから聞いた話だが、君はハズレスキルを持った落ちこぼれって噂がある」
その時、俺はゾワっとした。
ここまで周囲に俺のことを広めていたなんて、とことんゴミの様な性格をしている。
さっきまで元気に挨拶しれくれた妃兎絵さんも引き攣った笑顔をしながら俺から離れていった。
「君、ランクはいくつだい?」
「……Cだ」
「ま、まぁあれだ。ここに来てるってことはそれなりに力があるってことだからさ。俺も変な話聞いて偏見を持ってしまっていた。すまない……そんなの関係なしに一緒に生きて帰ろうな! あはは……」
この鈴木という男も笑顔が引き攣っている。
やはり、人間なんてものは皆権力ある者の言葉を信じ、弱者を憐れむ。
ゴミが生み出すものはゴミだけ。
現在、こいつらみんな、俺のことを完全に“無能”の御荷物だと思っている。
そんなゴミどもが俺のことが俺に同情や情けをかけられるほどの実力があるのか少し見せて貰おうじゃないか。
俺は3人へ向けて【解析鑑定】のスキルを使用した。
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【解析鑑定】に成功
名前:鈴木俊介
レベル:320
職業:戦士
称号:【鉄壁ノ要塞】
ランク:A級
DP:20000000
HP:3220/3220 MP:740/740
力:3590(+270)
防:3877(+260)
知:510
速:756
運:900
装備:【鋭利なロングソード】
:【魔法障壁付与の鋼の盾】
:【頑強な鋼の鎧】
:【魔除けのお守り】
スキル:【武器マスタリー】Lv.50
:【防具マスタリー】Lv.50
:【盾マスタリー】Lv.50
:【守りの構え】Lv.30
:【二段切り】Lv.30
:【挑発】Lv20
:【パリィ】Lv.20
:【応急手当】Lv.10
耐性:【物理攻撃耐性】
:【魔法攻撃耐性】
:【状態異常耐性】
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【解析鑑定】が【情報遮断】の看破に成功
名前:東雲妃兎絵
レベル:299
職業:魔術師
称号:【氷結使い】
ランク:A級
DP:100000
HP:1560/1560 MP:3330/3330
力:600(+10)
防:810(+10)
知:4130(+150)
速:2560
運:880
装備:【氷結強化のウッドスタッフ】
:【魔法強化の魔術ローブ】
:【魔力増強のマジカルハット】
:【魔除けのお守り】
スキル:【氷結魔法】Lv.9
:【火炎魔法】Lv.3
:【疾風魔法】Lv.3
:【電撃魔法】Lv.2
:【障壁魔法】Lv.1
:【魔力吸収】Lv.30
:【魔力拡散】Lv30
:【耐性貫通】Lv.20
:【情報遮断】Lv.3
耐性:【魔法妨害耐性】
:【氷結耐性】
:【状態異常耐性】
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【解析鑑定】が【情報遮断】の看破に成功
名前:東雲二多恵
レベル:319
職業:盗賊
称号:【生ける灯台】
ランク:A級
DP:50000000
HP:2400/2400 MP:1460/1460
力:1520(+270)
防:990(+15)
知:910
速:3660(+200)
運:501
装備:【吸血鬼の牙】
:【陰影ノ装束】
:【神速ノ足袋】
:【陽炎のお守り】
スキル:【盗む】Lv.50
:【短剣マスタリー】Lv.50
:【瞬足】Lv.30
:【潜伏】Lv.4
:【気配感知】Lv.5
:【罠感知】Lv.5
:【魔力感知】Lv.4
:【危険感知】Lv4
:【解析鑑定】Lv.4
:【情報遮断】Lv.4
:【暗視】Lv.2
:【睡眠魔法】Lv.2
:【急所切り】Lv.9
:【広域化】
耐性:【聖光耐性】
:【暗黒耐性】
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……なるほど、一般的な視点で見れば彼らも実力はありそうだが……やはり、今の俺からしてみれば大したことはなさそうだ。
「あ! 小川君!! 到頭葛嶋さんが来たぞ!!」
鈴木の声で俺が振り向くと1台のリムジンが大鳥居の目の前に止まっていた。群衆は道を作るように横へ逸れるとリムジンの扉が開いた。
降りて来たのはあの葛嶋、その次に奇抜なファッションの地雷系少女、そして最後は……代わり果てた姿の美香だった。
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