第13話 奈落の底
一方、俺は暗い穴の中へ堕ち続けていた。
(一体どれくらい深いんだよこの穴)
それにしても、あの葛島の技……敢えて喰らってやったが恐らく、人や物を自身に引き寄せるスキルだろう。
1人になりたかったし、我ながら良い負け演技だったと穴に堕ちながら思う。
そう考えていると、突然脚に衝撃が走った。
どうやら到頭、穴の最深部に来たらしい。
俺は軽々しい受け身と防御力によってダメージを受ける事はなかった。
周囲を見渡すが真っ暗で何も見えない。
一寸先……いやもう闇の中に入ってしまっている。
俺に光源などない。使えるのはスキルだけ。
俺はとりあえず立ち上がってスキル【気配感知】と【魔力感知】をフル稼働させた。
周囲に生き物の気配はないが、真っ直ぐいった先が青い靄の様なものが見えた。
恐らく、魔力感知が何かしらを捉えているのだろう。
感知で捉えられたのがそれしかなかったので俺は足元に注意しながら反応のある場所へと向かった。
一刻も早く地上に戻って葛嶋をぶっ飛ばしたい。頭の中はそんな怒りで埋め尽くされていた。
青い靄の場所までくると俺の手に何かがぶつかった。
手で触れた感触は硬くて冷たい……壁か?
凹凸があり、なぞっていくと壁に絵が彫られている様にも感じられた。
「一体なんなんだ?」
壁を伝っていくと何かツルツルとした物が埋め込まれた場所に触れてしまった瞬間、Adamが反応した。
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《シークレットボスを発見》
推奨レベル:不明
挑戦しますか?
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「シークレットボスだと?」
ダンジョンの中にある隠されたもう一つのボス……それがシークレットボス。
扱いとしてはほぼサブクエストの様な扱いで高難易度だがクリアすればレアアイテムが手に入るというもの。
本来はダンジョンクリアに必要ない任意的なものだが他に道がない俺はこのシークレットボスに挑戦する他に次の目的がなかった。
もしかしたら、このシークレットボスを倒せばここから出られるかもしれない。
そんな淡い希望を胸に俺は挑戦を決めた。
「挑戦する!」
俺の言葉に反応すると壁が光だし、扉のように開かれ道が出来上がったと同時に視界の先にある部屋の蝋燭の灯りが一斉に灯った。
その部屋はまるで武術の稽古場の様な場所だった。
奥には鬼の掛け軸が何枚も掛けられており、その手前に着物を来た女性が視線を掛け軸へと向けて正座している。
俺がのその部屋、一歩足を踏み入れた瞬間に入り口が煙の様に消え、周囲の壁と同化してしまったのである。
「もう逃げられないってことか……」
正座していた女が俺の気配に気がつきゆっくりと立ち上がり、振り返る。
黒い着物の脚元に装飾された銀色の蝶の刺繍が目に入り、ゆっくりと視線を上げていく。
隙間から見える白く長い脚からはち切れんばかりに膨らんだ胸部に目線が行ったところでさぞ美しい女性なのだろうと思い、顔を見た。
しかし、女の顔は鬼の様な形相をした赤黒い血痕が染み付いた般若の面でかくされていたのである。
女は上半身を隠していた着物を脱ぎ、後ろへとはだけさせると白い肌とくびれが露わとなり、豊満な胸の乳房を長い赤髪が隠している。
俺が少し動揺した瞬間、女は地面を蹴って瞬時に俺との距離を詰めてきた。
そして、腕が振り下ろされると同時に彼女の両手の中に二刀の刀が現れたのだ。
俺は咄嗟に回避し、彼女と距離をとる。
美しい外見から放たれるオーラには狂気と殺気が渦巻いている。
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敵を感知
※Warning※
シークレットボスが出現!!
個体名:夜叉姫
種族;鬼神
危険度:???
HP:??? MP:???
【解析鑑定】が打ち消されました。
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ただならぬオーラにこいつが今までの奴らとは違うことが予想できる。
「やるしかない……」
俺はアイテムボックスにしまっていた装備を身につけ、武器を構えた。
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