表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

96/186

第96話 神奈川旅行


「やっとテストが終わったぜ! もう頭がパンクしそうだ……」


「やっぱりテスト期間は長かったよね。今回のテストはどうだった?」


「前回よりは少しだけできたかな。渡辺はどう?」


「たぶん前回と同じくらいかな」


「はいはい、赤点の心配がなくて優等生達はいいよな。今回はひとつもないことを祈るぜ」


 うちの学校の赤点は30点以下だ。平均点がほとんどの教科で60〜70点くらいだからクラスで数人くらいは赤点を取ってしまうのだろう。


 俺の方はというと大魔導士の力を継承したおかげか、少しだけ頭の回転が速くなって記憶力が上がっている気がする。そのため、たぶん前回の試験よりも点数は上がっているだろうな。


 少しずるい気もするがこればっかりはスキルみたいにオンオフできるわけではないから仕方ない。ちなみに英語のテストの時には言語理解スキルはオフにしておいた。英語もこのスキルの力ですべて理解できてしまう。さすがにこれはカンニングみたいなものだからな。


「ま、終わっちまったテストのことなんてどうでもいいや。それよりも夏休みどっかに行かないか?」


「いいね! またライブにでも行ってみる?」


「いいな。お金も少したまったから、今度は俺もいろいろなグッズを買いたい」

 

「ライブかオッケー! あとは海、それか山とかでキャンプやバーベキューとかもいいな」


「とりあえずライブは決定で、あとはみんなの予定を確認してからどこに行くか決めればいいんじゃないのかな?」


「そうだな。とりあえず夏休みの予定を確認してみるよ」


「俺は家族で1週間帰省するくらいかな。日程が決まったら連絡するわ」


「僕も家族で一泊旅行に出かけるくらいだね。また連絡するよ」


「了解!」




 ようやくテストが終わった次の日の土曜日。さすがに試験勉強でだいぶ疲れたので、今週の土日は久しぶりに自宅でゆっくり過ごすとしよう。


「ホー!」


「ああ〜癒されるなあ。でも母さんが寝ているから少し静かにな」


 自分の部屋でフー助に異世界で買った生肉をあげると美味しそうに食べている。そしてその姿を見ているとだんだんと癒されていく。久しぶりに家でのんびりするのもいいなあ。


 そのあとは久しぶりに動画を見たり、漫画を読んだりとのんびり時間を過ごした。


 来週は火曜日までテスト返却で、水曜日には終業式がある。だがそれさえ終われば俺達には自由という名の夏休みが待っている。今のうちにいろいろと夏休みの予定を立てておこう。




 そしてテスト返却期間が終わりすべてのテストが返ってきた。思った通り、全体的に点数が上がり、初めて一桁台の順位を取ることができた。


 うちの学校は順位を紙で貼り出したりはしないが、自分が学年で何位かだけは全教科の点数が書かれた紙と一緒に通知される。それでは露原のやつが何位かわからないわけだが、あいつらのグループはいつも今回は何位とか騒いでいるから全部聞こえているんだよな。


 ちなみに安倍は赤点をふたつ取ってしまったようで、夏休みの数日間は補習である。可哀想だがご愁傷様である。




 木曜日になり終業式が終わっていよいよ夏休みに突入した。今年の夏休みは珍しく結構な予定が入っている。俺も少しだけリア充の生活に近付いたのかもしれない。


 そして終業式が終わった次の日、つまりは夏休みに入った初日、今日は母さんと一緒に旅行に来ている。


 母さんの仕事である看護師に土日はあまり関係ないので、休みを平日に持ってくることもできる。お盆時期はどこも混むから、旅行に行くなら早めに行こうという話になって夏休みに入ってすぐの今日になった。


 高校生にもなって母親と2人で旅行する人はそんなにいないかもしれないが、うちは父さんがいないからな。毎年1〜2回くらいは母さんと2人で近場に旅行に行っている。


 前回は去年の冬に草津の温泉に行ったんだっけな。今回は神奈川県に来ている。うちは北関東だから神奈川県の横浜駅までは2時間くらいあれば来られる。


「やっぱり人が多いわねえ。それに乗り換え路線が多すぎて、もうわけがわからないわね」


「本当だね。横浜駅もそうだけど、東京あたりってなんで4つや5つも路線が重なっているんだろ?」


 北関東あたりなら3路線でもかなり多いほうなんだぞ。今ならスマホで簡単に調べられるけど、ネットのない時代なら間違える気しかしない。


 そんなこんなで母さんと横浜の観光を楽しんだ。まずは横浜駅にある家系ラーメン発祥のお店に並んで昼食を取る。


 俺は家系ラーメンが結構好きなので、横浜に行ったらここには来てみたいと思っていたんだ。有名なお店だけあって結構並んだけれど、並ぶくらいの価値はあったと思うな。異世界でぜひ家系ラーメンを流行らせてみたい。


 そのあとはみなとみらいに移動して、横浜定番の観光スポットである赤レンガ倉庫やコスモワールド、山下公園を観光する。


 そして夕方になると横浜中華街に移動して、晩ご飯を食べた。本格的な麻婆豆腐を食べたあとに、店の前で売っている出店で小籠包や肉まん、フカヒレまんを食べ歩いた。


 どれもとても美味しかったし、中華街のこの雰囲気がいいよね。なんだか日本であって日本ではないような光景だ。


 晩ご飯を食べたあとは電車で宿のある鎌倉まで移動してきた。今日は鎌倉の宿に泊まり、明日は鎌倉を観光して家に帰る予定だ。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

執筆の励みとなりますのでブックマークの登録や広告下にある☆☆☆☆☆での評価をいただけますと幸いです。

誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◆他作品『異種族キャンプで全力スローライフを執行する……予定!』第1巻発売中!!◆
(クリックでAmazonへ ※作者の別作品)


キャンプ場
― 新着の感想 ―
[良い点] 更新ありがとうございます。 『オレ最強ー!』系の物語だと、日常のまったり&食事シーンがアッサリ・バッサリで残念なことがありますが、今回のような、ほのぼの家族旅行は和みますね~(*´∀`)…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ